たらの木に、10cmぐらいに1個ずつ、芽がついていて、それを切ってずらりとハウスに並べるわけです。その、いちばん頂点に立つ芽、「頂芽(ちょうが)」というのですが…。頂芽だけを製品として出荷したい、という話もあります。ただし、いちばん上の芽だけなので、なかなか数が揃わない。今後の検討課題だということでした。
ハウスに定植したものは一年限り、とったら、あとは処分します。田んぼにあるたらの木からは、次の年も芽が出ますから、またその木を切って…。ただ、田んぼに植えた年は収穫できません。2年待って、初めて収穫できるようになります。
木は収穫を始めてから5年でお終いになります。そのとき、田んぼに、人の手では抜けないような、たらの根っこが残る。重機でしか抜けません。このようにして、6〜7年で一回やめて、更新するというかたちです。
春の訪れを感じさせる「たらの芽」ですが、今年はなぜか10月後半頃から入ってきました。だんだん早く出荷されるようになっています。せめて1月に入ってからのほうがいいのでは…、という話をしているところです。天然ものの「たらの芽」は、5月中旬以降です。東北なので、北関東より、時期はずっと遅くなる。だから、逆に、促成では、一気にいちばん早く出すようにしているのですが…。
山形だけでなく、秋田、新潟、群馬など…。どんどん「たらの芽」を産地化する県が増えてきました。山形で育種した「たらの芽」は、芽がしっかり出ているのが特徴です。パック売りのものを見ても、だいたい半分ぐらいの「たらの芽」から芽が出ている。そうして出荷しています。
天ぷらがイチオシですが、家庭では天ぷら鍋は使わない、と。山菜フェアで試食していただいたときも、そういう話をたくさん聞きました。ですから、酢味噌和えとか、辛子和えとか…。“茹でて簡単山菜料理”というかたちですすめていきたいと思っています。
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