ナバナの食べくらべは、千葉県産と徳島県産の「菜の花」、岩手県産の「はるの輝」の3種類。部位ごとにわけてゆでたものを食べくらべた。
料理は、「ナバナとひじきとあさりのからしマヨネーズ和え」、「ナバナと椎茸のにんにく炒め」、「つぼみ菜、水菜、ミウラーゼ、グレープフルーツのサラダ」など。
ナバナで一番大事なのはゆで時間です。葉と茎に分け、茎は太さによってゆで時間を変えます。葉は15秒、蕾と直径5〜6mmの茎は30秒、直径7〜8mmの茎は45秒、直径9〜10mmの茎は1分、直径11〜13mmの茎は1分半が目安。すごく早くゆで上がります。「はるの輝」の軸は太かったので、今日は4分ぐらいゆでました。
家では、わざわざ分けてゆでるのは面倒でしょうから、せめて半分に切って、茎のほうから入れ、トータル1分半ほどで上げるといいと思います。
「ナバナとひじきとあさりのからしマヨネーズ和え」には、千葉県のナバナを使いました。からしとマヨネーズで和えるだけですが、春らしくておすすめの料理です。からしのかわりにわさびを使ってもおいしくできます。
「ナバナと椎茸のにんにく炒め」には、「油菜心」を使いました。ナノハナでもおいしくできます。ゆでないで生のまま炒めても、ほろ苦くておいしい。油でコーティングするとアクも苦みもやわらいでおいしく食べられます。ただ、みずみずしいはしりのころのナノハナはいいのですが、終わりのころはトウが立って筋っぽいのと、水分が少ないので、おすすめしません。
「つぼみ菜、水菜、ミウラーゼ、グレープフルーツのサラダ」は、こういう食べ方もある、という提案です。生で食べると、辛み、苦みがあるのがよく分かると思います。サラダには薄く切りましたが、厚めに切って炒め物にしてもおいしく食べられます。
ミウラーゼは、生でめしあがっていただいたのはコブの部分で、炒め物にしたのには茎も葉も入っています。皮がややかたいですが、とてもかたそうな部分のみ取り除き、ほかは全部入れました。
僕はナノハナが好きなので、やや苦みのある千葉県のナバナが好きでした。徳島県のナバナのほうが甘く、若い人には人気があるのではないでしょうか。
食べくらべたナバナは、3種類それぞれに味が違いました。かたさも違って、岩手の「はるの輝」は、太いこともあり、僕としてはややかたいと思いました。慣れもあると思いますが、千葉県のナバナが一番ナバナらしいというか、味も甘みもあっておいしかった。徳島県のナバナは全体的に味が薄い気がしました。
関西出身ですが、私も千葉県のナバナがおいしく感じました。
祖父母が八百屋をしています。今日の料理はどれもおいしかったです。ミウラーゼは、そのままでは辛かったのですが、バルサミコ酢で和えると甘みが出ておいしかった。ゆでたナバナは苦みを感じましたが、にんにく炒めにするとおいしかった。油と相性がいいと思いました。
台湾出身で、いま東京に住んでいます。台湾にはこのような勉強会がなく、野菜の種類も日本ほどはありません。いつか台湾でも、日本の野菜とおいしい食べ方を紹介できるようになりたいと思います。料理はどれもおいしかったのですが、一番印象に残ったのは、「チーマ・ディ・ラーパ」でした。「カイラン」に苦みが似ていて個人的にすごく好きでした。中国料理では、よく、「カイラン」をゆでて、牛肉といっしょに食べたりします。ナノハナは日本に来てから初めて食べた野菜で、最初は花を食べることにびっくりしましたが、苦みがクセになりました。
野菜が大好きで、今後、野菜にかかわる仕事がしたいと思い、ジュニア野菜ソムリエの資格をとりました。勉強すればするほど、野菜は奥が深い。一般のみなさんも、もっと野菜のことが知りたいと思っていると感じることがあって、ここで勉強したことを伝えていきたいと思っています。ミウラーゼとグレープフルーツのサラダは、彩りがやさしいピンクで春らしく、きれいでした。素材の味を生かすためにあまり調味料をたくさん入れないのも参考になりました。今日のレシピを家でも作ってみたいと思います。
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