■2014年1月19日 第10回 〜 商品情報 イタリアの「カステルフランコ」

 去年の9月から年末まで、イタリアに行ってきました。今日は、イタリアの葉物「カステルフランコ」をご紹介します。

  「カステルフランコ」はレタス系の野菜で、日本ではほとんど見かけませんが、一部、レストランなどに生産者から直接入っているようです。築地で見かけたこともありますが、イタリアで出回っている「カステルフランコ」ほど大きなサイズのものはありませんでした。

 6〜7月に苗を植えて、次々に収穫していくのですが、驚いたのは、収穫後に柄の半分ちょっとまで葉をむいてしまうことです。

坂本晶子氏

 それを水で洗い、葉を1枚1枚手作業で開いていきます。イタリアでは、この作業を「バラの花を開かせる」といいます。日本で「カステルフランコ」を作っている農家のブログなどを見ると、もともと開いているようなのですが、それは日本の気候がヨーロッパより暖かいので、結球しないためです。もとは結球する野菜なので、イタリアでは手作業で開きます。ものすごく時間と労力のかかる作業です。それを、花が傷まないよう、ていねいに発泡スチロールに詰めていきます。

 日本の「カステルフランコ」を見ると、かなり青い状態で出しています。イタリアではその部分は全部むいて、中の白い部分を開かせて、はじめて「カステルフランコ」になるわけです。青いままだと苦いだけなので、残念だと思います。

 「バリエーション」をイタリア語で「バリエガータ」というのですが、「カステルフランコ」には、縞模様のものだとか、さまざまな「バリエガータ」があります。イタリアでは「カステルフランコ」だけでも10種類以上あります。価格は1個2ユーロ、300円ぐらいでした。昔はクリスマスの時期にしか食べられないごちそうだったそうです。

 食べ方は、レタスなどと同じで、生のままか、オリーブオイルでさっと炒めたりしていました。葉を器のように使ったりもします。

 ベネト州で、町の特産品として保護されており、その付近でしか作られていない野菜です。

 
 

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