■2013年12月15日 第9回 〜 勉強品目「ねぎ」について 東京青果(株) 長掛雄治氏 |
◇勉強品目「ねぎ」 |
- 「九条ねぎ」は、京都の九条地域で作られていたので、この名前があります。
分けつするタイプで、細いものや太いものなど、さまざまなものがあります。京都の中でもいろいろなところで作っていますが、全農京都の「九条ねぎ」は、門外不出の品種だそうです。一般に売られている「九条ねぎ」は、これをもとに作られたものです。
- 「あじさいねぎ」は、千葉の「わけぎ」です。ねぎとたまねぎの雑種で、千葉県の農業試験場がウイルスフリー苗から作ったもので、球根から作ったものではありません。
|
|
|
- 栃木の「軟白ねぎ」、商品名は「白美人ねぎ」です。白い部分を長くするために、覆いをして、土寄せとはまた別の方法で栽培しています。やわらかくておいしいねぎです。
- 山形の「平田赤ねぎ」は、庄内地区で固定種から選抜された伝統野菜です。赤い色はポリフェノールの一種であるアントシアニンで、加熱すると消えてしまいます。
-
埼玉の「千寿ねぎ」は、もともと千住地域で作られていたものをブランド化したものです。
-
宮城の「曲がりねぎ」は、畑の地下水位が高いため、長く育てられなかったので、1回抜いて斜めに植え直すという栽培方法で作られたものです。
- 兵庫の「岩津ねぎ」は、九条系の分けつする品種で、「越津ねぎ」に似ています。ちなみに、「越津ねぎ」は、12月20日以降から入荷予定です。
-
宮城の「リーキ」。かつて、「リーキ」は輸入物ばかりでしたが、今は国産もあります。味はねぎと似ていますが、ややさわやかだと思います。
- 足立区の「あさつき」。足立区のほか、葛飾区や江戸川区など、東京では「あさつき」がけっこう作られています。ちなみに、庄内には伝統野菜の「あさつき」がありますが、これはねぎではありません。
-
今年の作柄について、葉物は1〜2割少なめだといわれていたのですが、このところの好天でだいぶ持ち直しています。相場はやや高いにしても、去年ほどではないかもしれません。いろいろなところから情報を仕入れるのはもちろんですが、近くに畑があれば、見て判断できることも多いので、みなさんもぜひ近くの畑をチェックしてみてください。
|
◇ねぎの写真 |
|
|
■2013年12月15日 第9回 〜 「ねぎ」についての補足 杉本晃章氏 |
◇「ねぎ」の補足説明など |
- 群馬伝統の「下仁田ねぎ」は、甘みがあって非常においしいのですが、薬味には向きません。加熱すると非常に甘くなるという特性があります。焼いたり、鍋の具にするのに向いています。
- 青い部分を食べるなら、九条系。
- 一本ねぎは、調理する直前に1枚皮をむくことにより、鮮度が保たれます。ですから、いくらカラカラになっても、外の1枚はつけておくこと。それをお客さまに説明してください。
|
|
|
- ヨーロッパに伝わったのが「リーキ」、中国の華北に伝わったのが一本ねぎ、華南から入ってきたのが九条ねぎになりました。ヨーロッパは乾燥しているので、「リーキ」の葉先は閉じていません。日本に伝わったものは、雨が多いので葉先が閉じるようになりました。
- 「万能ねぎ」は、「九条細」。「九条太」というのもあり、品種的には同じ仲間です。京都のブランド野菜の「九条ねぎ」は高級品です。
-
「千寿ねぎ」はブランド名で、「千住ねぎ」とは違います。「千寿ねぎ」は一年中売っていますが、「千住ねぎ」は今頃から2月ぐらいまでです。
- 一本ねぎは3月になるとトウ立ちが始まり、かたくて食べられません。でも、スーパーで1本ずつ売るのにちょうどいいからと、それが出てくることがあります。そういうねぎは決して買わない、売らないようにしてください。
-
ねぎの青い部分を「葉」、白い部分を「茎」だと思っている人がいますが、白い部分も葉っぱです。根の上にちょっとついている円盤状の部分が茎です。また、じつは、みなさんが見ている葉は全部裏側です。こうしたことも頭に入れておくといいと思います。
-
庄内の「あさつき」はどちらかというとたまねぎに近く、ねぎの仲間ではありません。
-
「国分にんじん」はなますに最適で、シャキッとしたおいしいなますができます。ぜひみなさんも、青首ではなく「三浦だいこん」と、「国分にんじん」のような長にんじんで本物のなますを作って、お客さまに教えてあげてください。
|
|
|
■2013年12月15日 第9回 〜 勉強品目「いちご」について 橋本幾男氏 |
◇勉強品目「いちご」 |
- 群馬の「やよいひめ」は入手できなかったのですが、その他、「紅ほっぺ」、「あまおう」、「スカイベリー」など、いちご各種を持ってきました。
- 昨日あたりは、東京青果に40トンのいちごが入荷したそうですが、これからやや少なくなるようです。クリスマスにかけて、ちょっと高くなるかもしれません。また、2番果は2月頃になりそうだということでした。
- 「あまおう」は、先の尖ったものより、丸いほうがおいしい。ただ、ほかの品種もそうですが、作る人によってだいぶ味が違います。
|
|
|
◇いちごの写真 |
|
|