■2013年5月19日 第2回 トマト 〜 勉強品目「トマト」について 東京青果(株) 長掛雄治氏
◇勉強品目「トマト」
  • 佐賀の「光樹トマト」は、市場でも評価が高いトマトです。1〜6月ぐらいまで出回りますが、3〜4月に非常に食味がよく、価格はほかのトマトの倍ぐらいしますが、圧倒的な人気を誇っています。産地でもブランド化を推進しており、ホームページで味へのこだわりなどを紹介しています。

  • かつて、「光樹トマト」は、5〜6月になると玉がやわらかくなってしまうため、人気がありませんでした。でも、味はよかったので、買い支えてくれた八百屋さんがいました。そういう意味では、これは八百屋さんが作ったトマトだと思っています。みなさんの評価でこうした商品が生まれることがあるのを忘れないでいただきたいと思います。
東京青果(株) 長掛雄治氏
  • JA福岡八女のトマトは、「桃太郎はるか」。 選別もいいし、春のトマトとしては味がいいと思います。

  • 愛知、JAひまわりのトマトは、品種が4つくらいあるのですが、「りんか409」と「桃太郎ヨーク」が代表的です。10〜3月、抑制の時期に選別がいいので人気があり、市場的な地位も確保されています。

  • 「ファーストトマト」は基本冬のトマトなので、5月の終わりぐらいで販売は終了します。食べるとねっとりとした味わいで、食味の点でも特徴のあるトマトです。また、野菜の旬がなくなっている中、唯一、旬を味わえるトマトだと思うので、今後もぜひ残していってほしい品種のひとつです。

  • 栃木、JAはがのの「麗容」は、サカタのタネの「王様トマト」のひとつで、赤味がのってもかたいのが特徴です。

  • 長崎、雲仙の「ソプラノ」は、6月いっぱいぐらいまで販売します。ファーストトマトの血が入っていて、糖度がのせやすい。

  • 「ソプラノ」をフルーツトマトとして作ったのが、「ハニー8」。糖度は8度以上で、産地が指導をして栽培設計を立てて作っています。県の特別栽培の認証もとっています。

  • JAひまわりの桃太郎系のフルーツトマトが「ロッソ」。ファースト系は「パーフェクト」といいます。この2つはフルーツトマトとしては古く、昔から作られています。

  • フルーツトマトは普通小玉が多いのですが、NKKの「アグリドリーム」は大玉でも糖度がのっています。14玉、16玉でも糖度が8〜9度になり、非常においしいトマトです。

  • どのフルーツトマトが一番おいしいのかと聞かれても、酸味が強いもの、甘いもの、さわやかなものなど、好みもあるので難しい。仲卸かセリ人に頼んで味見をさせてもらって、食べて判断していただくのがいいと思います。

  • オレンジ、黒、赤、黄色、緑などのカラフルトマトは、三河温室で作られています。最近、一部に需要はあるのですが、作るのがなかなか大変だと聞いています。

  • 「シシリアンルージュ」は生でも加熱調理にも使えるトマトです。切って軽く炒め、パスタにからめて食べると非常においしい。新しい食べ方も提案できると思います。

  • 最近は、ミニ、中玉など、小さいトマトが好まれている感じがします。ミニトマトは利便性もあり、糖度が高いので子どもさんが食べやすい。子どもが食べるとなると、親が買いますので、需要が伸びています。

  • 今の時期は、北海道以外の地域であれば、だいたいどこのトマトでも見られます。市場に行ったら、ぜひいろいろなトマトを見てみてください。

  • 東北の栽培状況は、遅霜や、5月に積雪があった影響で、1〜2週間の遅れとなっています。今後の作柄に多少なりとも影響は出てくると思います。
◇トマトの写真
光樹
(佐賀)
桃太郎はるか
(福岡・八女)
桃太郎ヨーク
(愛知・ひまわり)
ロッソ究極
(愛知・ひまわり)

(愛知・豊橋)
レディーファースト
(茨城・竜ヶ崎)
アグリドリーム
(茨城・NKK)
ソプラノ
(長崎・大雲仙)
アカトクク
(長崎・大雲仙)
カラフルトマト
(愛知・三河温室)
シシリアンルージュ
マイクロトマト
皮付ベビーコーン
(愛知)
     
 
 

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