Q:新しいダイコンのもとになったのは何という品種ですか?
A:埼玉県で昔から作られていた「西町理想」という品種です。
Q:「西町理想」はどうやって見つけたのですか?
A:研究所にはジーンバンクといって、ダイコンに限らず、何百、何千というタネのコレクションがあります。650品種くらいのダイコンを分析して、その中からたまたま「西町理想」を見つけました。
Q:年中出回っているアブラナ科の野菜もありますが、ナノハナの旬は春だけですか?
A:ナノハナは蕾の部分を食べる野菜なので、早春〜春期が旬となります。アブラナ科の野菜の旬は、本来、晩秋から春にかけてです。キャベツやダイコンは年中必要な重要野菜なので、品種改良をして、どの時期でも利用できるようになっています。ナバナは需要が少なく、まだ品種改良がすすんでいません。
Q:「スティックセニョール」、「アスパラ菜」、「チーマ・ディ・ラーパ」、「つぼみ菜」もナバナの一種ですか?
A:「スティックセニョール」はナバナではなく、ブロッコリーです。「アスパラ菜」は、「オータムポエム」と同一のもので和種ナバナの一種ですが、ブランド化の一環で産地によっては「アスパラ菜」という名前をつけて販売しています。「アスパラ菜」といってもアスパラがトウ立ちしたものではありません。「チーマ・ディ・ラーパ」は、イタリアのアブラナです。「ラーパ」というのはもともとカブのことですが、カブがトウ立ちしたものではありません。ふきのとうタイプの「つぼみ菜」は、カラシナのわき芽を収穫したものです。
Q:和種ナバナと洋種ナバナの違いは、ワックスが出ているかいないかで判断すればいいのでしょうか?
A:和種ナバナと洋種ナバナは、植物的に別のものです。大まかな見分け方としてワックスが目立つかどうかという方法があります。カラシナ、アブラナ、西洋アブラナは、花茎に着く葉のつき方が違うため、それで見分けることもできます。
Q:「かき菜」、「おいしい菜」に味の違いはありますか?
A:食べ比べたことがないのでわかりません。どちらも洋種ナバナで大きな味の違いはないと思いますが、風味などに違いがあるのかもしれません。
Q:ダイコンの色やにおいをなくすと、殺菌作用などのはたらきも失われてしまうのですか?
A:辛味成分がなくなったわけではなく、別の安定した辛味成分に置き換わっただけで、辛みはあり、むしろ持続する性質があります。従来のダイコンよりも殺菌作用などが期待できるかもしれません。
Q:ダイコン、カブは肥大した部分より葉のほうが栄養があるのですか?
A:そうです。ですから葉を捨ててしまうのはもったいないのですが、産直や個人の家庭菜園の場合は別として、生産者が葉をきれいにして鮮度を維持したまま出荷するのは大変です。葉をつけたままにしておくと、本体の水分が失われ糖度が減少することもあります。肥大部にもビタミンや消化酵素などが含まれており、栄養がないわけではありません。
Q:ダイコンは加工の割合が増えているそうですが、品種を作る際もそれに適したようなものが多くなるのでしょうか?
A:日本には種苗メーカーが多数あり、基本的には生産者の要望に添った品種を開発しています。加工用のダイコンは単価が安く、生産者も積極的には栽培しないため、品種開発も進んでいなかったのですが、今後は加工業務用に向く品種がどんどん開発されてくると思います。
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