■2017年1月15日 第10回 だいこん・いちご 〜 食べくらべ

◇だいこん、いちごなどの食べくらべ

  • だいこんは、「大蔵」、「湘白」、「三浦」、徳島の「青首」をゆでて食べくらべた。料理は、「三浦」と徳島の「青首」を使った紅白なます、だいこんの味噌汁、「聖護院だいこん」の煮もの、「レディサラダ」や「紅芯」などさまざまなだいこんを使ったサラダを試食。いちご各種も試食した。
 
だいこんの食べくらべ-1
だいこんの食べくらべ-2
なますの食べくらべ
だいこんの味噌汁
聖護院だいこんの煮もの
いろいろだいこんのサラダ
あまおうの試食
きらぴ香の試食
とちおとめの試食
紅ほっぺの試食
   
◇調理について
[大石みどり氏より]
  • なますのせん切りは、「なます切り」といって、斜めに切ります。横に切ると食感が頼りないし、真っ直ぐ縦に切るとかたすぎます。また、なます切りにしないと、きれいに盛りつけができません。包丁ではなくスライサーを使うと、真っ直ぐにはならず斜めになるので、ちょうどいい食感に仕上がります。表面がデコボコになるので味がよく染み込むというメリットもあります。

  • コンビニおでんのだいこんは、同じ大きさにしないといけないので、真ん中だけを使い、残りはだいこんおろしにしてパスタなどの麺類に添えられたりするそうです。
大石みどり氏
  • 今のだいこんは、えぐみがないので、下ゆでの必要はありません。むしろ水っぽくなるので、切ったら、煮汁に入れて煮ればいい。昔は、さしすせその順で調味料を…と言われましたが、めんつゆなどを使う場合はそれも関係ありません。今日の「聖護院だいこん」の煮ものも、切ってめんつゆに入れて煮ただけです。だいこんは、時間はかかりますが、よく煮るとやわらかく、おいしくなります。短時間で調理したいなら、細く切ってきんぴらにしたほうがいいでしょう。なお、煮ものは冷めるときに味が染みるので、できたてより、おいたほうがおいしくなります。

  • 味噌汁には、いちょう切りと千六本のだいこんが両方入っています。同じ時間煮ました。のちほど食べくらべてみてください。

  • だいこんの葉は、昔は干し菜にして冬場の青野菜として食べられていました。干し菜にするときは、サッと熱湯にくぐらせてから、水にとって干してください。生のままでは黄色くなって腐ってしまいます。干し菜は水でもどし、きんぴらなどにするとおいしくいただけます。

  • だいこんの漬物は、パリパリの食感に仕上げたいのであれば塩漬けにはせず、しなしなにしたければ塩をして絞ってから漬けるのがコツです。浅漬けのもとを使う場合は、生のものをそのまま漬ければOKです。いろいろな酵素が入っているので、すぐに漬かります。自分で酢の物やピクルスを作るとき、あまり太く切るとすぐには食べられません。すぐに食べたければいちょう切りにするとか、切り方を工夫しましょう。
 
◇食べくらべ、八百屋塾の感想など
  • 「三浦だいこん」が一番甘くておいしかったです。

  • だいこんの食べくらべは、全体的にやや味が薄い気がしましたが、「三浦」がやや甘かったと思います。食感が一番かたかったのは「大蔵」、「三浦」はざっくりとした食感で、ほかはあまり差がなかった。みずみずしさは、どれもそれほど変わりませんでしたが、「三浦」が一番みずみずしかったように感じました。

  • 食べる前、見た目の印象としては、「三浦」が辛そうだったのですが、「湘白」、「大蔵」、「三浦」、「青首」の順で食べてみて、「湘白」は辛みより甘みを感じたのですが、「三浦」のほうが「湘白」より食べやすくて、そのあとに食べた「青首」はちょっとがっかりしました。

  • なますはどちらもおいしかったので、差がよく分かりませんでした。里浦のほうがややパリパリしていたかもしれません。

  • 「レディサラダ」を初めて食べました。いかにもサラダ専用というだいこんで、酸味を感じました。

  • サラダを食べて、「紅芯だいこん」と「レディサラダ」は似ていたけれど、レディサラダはあとから辛みを強く感じて、自分としては紅芯だいこんのほうが食べやすかったです。

  • いつも食べているだいこんサラダは縦切りのものが多く、今日のサラダのほうが見た目がいいと思いました。切り方なのか、サクサクしていて、どんどん箸が進み、おいしかったです。だいこんの色による味の違いはそこまで感じませんでした。

  • 3回目の参加です。スーパーの試食の仕事をしています。お客さまに調理法を聞かれるので、切り方とか、赤いだいこんの色は煮ても大丈夫かとか、今日はいろいろなお話を聞けて、参考になりました。

  • 伝統品種のだいこんはかたくてえぐみがあるので、下ゆでする必要があります。「青首だいこん」は下ゆですると、むしろ水っぽくなってしまいます。せっかくのおいしいだいこんも、調理法を間違えたらおいしくなくなります。それを八百屋がきちんと勉強して、お客さまに説明してください。

  • 「ミニだいこん」は掃除に手間がかかりますが、レストランなど、業務用でよく使われています。
 

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