Q:「分けつ」とはどういうことですか?
A:ねぎの苗を1本植えると何本もできることを「分けつ」といいます。品種にもよりますが、分けつが少ないと太いねぎになります。逆に、分けつが多く、それが太れば収量は増えます。
Q:中国からたくさんねぎが入っていますが、なんとか国産でそれを超すことはできないのでしょうか?
A:コストを下げるために定植、収穫まで機械を導入し、規模を拡大することが重要です。値段的に、秋冬は可能かもしれませんが、端境期は資材費がかかるのでなかなか難しい。でも、低コスト生産のための技術開発は続けたいと思っています。
Q:「脱春化」がよくわからなかったので、もう一度教えていただけますか?
A:花芽ができることを「春化」といい、花芽の生育を途中で止めるとか、打ち消すことを「脱春化」といいます。高温にすることで脱春化が可能になりますが、花芽が生育してしまうと、後半に高温にしても脱春化はできません。前半であれば効果は出てきます。
Q:青い部分が食べられないねぎというのはあるのですか? 上のほうは農薬がかかっているから食べられない、というお客さまもいるのですが、本当でしょうか?
A:基本的には食べられます。ただ、作りやすいので、千住群のなかの黒柄の血が入っているものが多いのですが、青い部分が比較的かたく食べなくなったようです。栄養は葉のほうがあります。農薬使用にはさまざまな規定があり、それを守ったものが出荷されているので、安全性に問題はありません。
Q:粘性物質がよく出る品種はあるのでしょうか?
A:品種間差、季節はそれほど関係なく、雨のあとに多いようです。また、強いて言えば、冬のほうが出やすいようです。ねぎの緑の部分の中がスポンジ状になっているものは、粘性物質が乾いて固まったものです。
Q:ねぎにとってちょうどいい水分量とはどれくらいなのでしょうか?
A:水に弱いので、夏に水につかった状態になると、酸素不足で生育せず、枯れて黄色くなります。逆に、乾燥しすぎると辛み物質が凝縮するのか、辛みが増します。さまざまな条件も関係してくるので一概にどれくらいがちょうどいい水分量というのは難しいと思います。
Q:夏ねぎは詰まっていないものが多い気がするのですが、原因は?
A:暑すぎるとねぎの生育にはよくないので、葉が出てきていないとか、生育が止まってしまっている状況かもしれません。最初に植えたときから影響を受けていることもあります。
Q:新品種の「ゆめわらべ」はもう出荷されているのですか?
A:昨年から出荷しています。タネの量などの関係でまだあまり量が多くないのですが、産地は少しずつ形成されています。ほしい、という声をぜひあげていただけるとありがたいです。
Q:富山の「ねぎたん」も短いねぎでしたが、あまり普及しなかったと思います。「ゆめわらべ」は大丈夫なのでしょうか?
A:最初は持ち運びだけを考えましたが、今回は味も重視しています。「ゆめわらべ」はやわらかく、辛みが少なくて、葉身まで食べられます。そういったこともアピールしていきたいと思います。
Q:夏の時期に、丸ではなく三角のねぎが出てくることがあるのですが、それはなぜ?
A:品種によるところが大きいと思いますが、おそらく分けつしたのではないでしょうか。それがまだ太りきれていないときれいな形にはなりません。夏場、乾燥すると、分けつは助長されてしまいます。
Q:ねぎの保存方法を教えてください。
A:切らないのが一番いいのですが、冷蔵庫に入らないこともあると思うので、切ったら新聞紙に包み冷蔵庫で保存してください。
Q:昔、わけぎはゆでたらヌルヌルを押し出すのが普通の調理法だったのですが、今のわけぎはヌルヌルがほとんどないのはどうしてですか?
A:品種や時期による違いがあるのではないでしょうか。
Q:端境期をなくすというお話がありましたが、可能なのでしょうか?
A:品種やトンネルなどにより、4〜6月に抽苔させないことで、1年中ねぎができるようにしています。安定生産できる技術を開発して普及させていきたいと考えています。トンネル栽培については、資材代などがかかるので、省力の技術、機械化などでコストカットをしていきます。また、天気によって変わることもあるので、天候に負けない技術、対策も必要になってくると思います。
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