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■2016年7月10日 第4回 かぼちゃ・もも 〜 講演「かぼちゃ」について 小川農園 小川次郎氏
◇かぼちゃの栽培について
かぼちゃはいつ芽を出すかご存じでしょうか。人間の手が加わればいつでも芽を出させることはできますが、自然のなかでは春になると、それをかぼちゃが感じて芽を出します。
春の彼岸のころになると、霜がだんだん降りなくなり、朝の気温も上がります。芽を出すためには、最低気温が18℃くらいで、日中は25〜26℃必要です。
5センチほどの深さのタネを蒔く箱に、土をいっぱいに入れて揺すると、5ミリ〜1センチほど下がります。そこに水をたっぷりかけて、タネを蒔きます。表面に土をのせ、新聞紙を1枚かぶせてマルチをはり、寒暖計をさします。日中の温度を35℃以上にはしないようにして、朝は18℃まで下げます。要するに、春の状態を作ってあげるわけです。自然のままだと芽が出るまで半月か20日くらいかかるのが、こうすると1週間ほどで芽が出ます。
芽が出たら鉢上げをして、日中温度20〜25℃くらいで管理します。本葉が4〜5枚になったら摘芯をして、トンネルで定植します。葉の付け根からツルが4〜5本出てきますが、3本残して、あとは取ってしまいます。これを「整枝(せいし)」といい、着果したときに3本とも同じようにならせるために、ツルを揃えるわけです。3本立てですから、うまくいって1株で3個。2個のこともあります。1つのツルに2つの実がなることはほとんどありません。花は咲いても、自然に淘汰されていきます。
花が咲いたら、日にちがわかるように印をします。私はクレヨンを使っていますが、棒を立てる人もいます。これは、収穫するときにバラツキをなくすためです。1つはおいしかったけれど、もう1つはまずかった、ということがないように、組合員全員に徹底されています。
かぼちゃの花は、朝6〜7時、気温が高いと4〜5時には開き、交配が始まります。交配には蜜蜂を使います。10列あったら、蜜蜂の箱を10箱置きます。蜜蜂が飛び始めると30分くらいで交配が完了します。蜜蜂は元いたところに戻る習性があるので、全部ちゃんと戻ってから箱を動かします。
蜜蜂が蜜をなめるために花に入ると、自動的にからだに花粉がつきます。花粉に触らずに蜜をなめることはできない構造になっている。自然というものはすごい、と感じます。
雄花は各節にありますが、雌花はだいたい4〜5節にひとつしかつきません。
開花後20日くらいのうちに、かぼちゃの下に皿をしいてあげます。これをしないと、色が白っぽくなってしまいます。
花は20日くらいまでは元気がいいのですが、その後はだいぶ弱ってきます。実のほうに栄養を送る時期で、1人前にするために親が最大限に苦労している、といっていいと思います。
開花してから50日ぐらい経ったら収穫します。検査員に見てもらって、許可が出たら初めて収穫できるようになります。収穫後、すぐには出荷できません。軸がコルク状になるまで、納屋に入れ、1週間ほど風乾します。採れたてのかぼちゃは、すぐに切って料理すると、肉と皮の間が分離してしまいます。それを止める意味もあって、1週間ほどおいてから出荷します。
小川農園 小川次郎氏
小川農園の長かぼちゃ圃場
蜜蜂の箱
かぼちゃの雄花と雌花
かぼちゃの雄しべと雌しべ
かぼちゃの下に皿(クッション)をしく
◇「長かぼちゃ」について
今日お持ちした「長かぼちゃ」は、私が育てたものですが、まだ開花してから40日くらいで、少し時期が早い。10日くらいおかないと、本来の味は出てこないと思います。
元は高山のタネです。道の駅で「宿儺(すくな)かぼちゃ」を1本買って来て、以来、自家採取で20年栽培し続けています。「宿儺かぼちゃ」は固定種で、F
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ではありません。F
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のかぼちゃはタネを蒔いても同じ形にはなりません。
1本に300〜400個のタネが入っているので、自分たで栽培するには1本あればいいのですが、それだけを毎年蒔いていると弱いところが出るので、3〜4本のタネを混ぜて蒔いています。
来年のタネを採るには、明日の朝咲くだろうな、という花に袋をかけ、蜂に入られたり風などで違うものの花粉がつかないようにして、翌朝行って交配をします。
◇その他
かつては「くりゆたな」など黒い皮のかぼちゃも作っていましたが、今は「長かぼちゃ」だけを栽培しています。黒い皮は、夏場、ガムテープを貼ったりしないと、太陽の光で表面が焼けてしまいます。暑い最中にその作業をするのは大変で、春なら焼ける心配がないからいいのですが、スイカも作っているので、かぼちゃを早く作るわけにはいかず、やめてしまいました。
かぼちゃは、タネ屋さんがさまざまな品種を作っていますが、私がおいしいと思うのは、白皮の「雪化粧」です。
かぼちゃは置いておいても追熟はしません。完熟のかぼちゃは腐っていくだけです。若いかぼちゃはまだ肉の栄養をタネに送っている状態なので、日持ちという面では、若いうちに採られたかぼちゃのほうが持ちます。冬至までおくかぼちゃは開花後45日くらいの、ちょっと若いもののほうがいいでしょう。
かぼちゃは頭のほうが肉が厚くてかたいものです。お尻のほうが肉が薄いので、丸ごとのかぼちゃを切るときは、頭を下において、包丁の刃を立てて入れ、テコの原理で手前に引くようにすると、簡単に切れます。
保存は、タネとワタを除き、袋に入れて冷蔵庫で10日くらいは持ちます。
タネは洗って日に干し、炒れば食べられます。
かぼちゃを切る小川次郎氏
【八百屋塾2016 第4回】
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