■2014年9月21日 第6回 レタス、葉もの類 〜 商品説明 水耕の「フリルレタス」
  • 私はもともと農業をしていたわけではないのですが、いまから3年前、横浜にある(株)グランパの協力により、神奈川県の秦野で農業の会社を作りました。

  • 2つめの農場、佐倉グリーンファームは、千葉県の佐倉にあります。地元の農家の方といっしょに作った株式会社で、農家の方の出資比率を高めたことなどにより、地元の農業委員会から農業生産法人の認定をもらいました。また、地元のバックアップにより、認定農業者の資格も取ることができました。

  • 佐倉には温室が2つあり、いま、そこで2つの作物を作っています。1つは、モンゴルのパオのようなドーム型の温室で、フリルレタスを栽培しています。7月7日に佐倉から初出荷したばかりですが、毎日500株出荷しています。温室を作る前は、どうやって売ればいいのか、不安もありましたが、始めてみれば、むしろ欠品の連続で、地元であっという間になくなってしまうほどの人気です。大田市場にも出しており、浦安のホテルや商業施設のレストランなどで使ってもらっています。

  • もう1つの温室は、スナップエンドウの専用棟です。今年の1月に苗を植え、3月下旬〜6月ぐらいまで出荷しました。試験的に、美術館近くの県道脇で直売をしてみたところ、よく売れて午前中でなくなってしまうほどでした。
佐倉グリーンファーム 代表取締役 柳瀬雄二氏

佐倉グリーンファームの
「しあわせレタス(フリルレタス)」
  • スナップエンドウは、25℃以上だと栽培が難しく、夏場の関東では無理があることがわかったので、青森と北海道に協力農場を作り、佐倉グリーンファームのブランドで出しています。10月中旬ぐらいからは、また佐倉から出荷予定です。冬場は暖房を炊けば作れますが、コスト的に合わないので、鹿児島の2つの協力農場から出荷します。

  • 水耕のフリルレタスとスナップエンドウで、規模は小さくても、私ども佐倉が日本一の農場になろう、という気持ちで仕事をしています。

  • フリルレタスを作っているドーム型の温室は、中が非常に明るいのが特徴です。普通の温室は鉄骨で組むので、遮蔽部分が多く中が意外と暗いのですが、ドーム型温室は風圧でふくらませているだけなので、影になる部分がなく、光がよく入ってきます。また、ガラス繊維でできており、それが丸くなっているので、レンズのように光を集める効果があるのではないでしょうか。従来の温室に比べて、中の作物がよく育つと思います。

  • 温室内は、畑が円盤のようになっていて、1日1回転します。あらゆる部分にほぼ等しい状態で光が当たるので、だいたい同じ形になります。

  • 内側に植えた苗は、1日数センチずつ、外に出てきます。あるところにガードレールがあって、そこを通過すると、野菜を植えたカセットが自動的に外側に出るという仕組みです。普通は、温室でレタスを作ると、2回ほど移植する必要があります。この温室では、自動的に外側にカセットが移動するので、移植をする必要がありません。人件費がかからないこと、ヒトの手で触らないことにより、病気のリスクが減るのがメリットです。

  • いまの季節は毎日500株、冬場はやや生長が遅くなるので400株ぐらいになりますが、ほぼ同じ大きさのものが1年間決まった数だけ出荷できます。

  • 日本の農業は、世界の先進国と比べると異質です。世界では、農業は国を支える産業になっていますが、日本では、補助金や年金に頼らなければやっていけません。私は以前、大学でいろいろなことを教えていたとき、論文で、他産業の成果を農業に取り入れないと生産性を高めることはできない、と書きました。その後、グランパという会社とのご縁があり、実際に会社を作ることになったわけですが、私は日本の農業を変えていきたい、と思っています。農水省は大規模化をすすめていますが、それだけではないはずです。いまの事業を一刻も早く黒字にして、農業の多様性のひとつを示したい。また、将来的には、農業大学を卒業した若い人を後継者に育てて、会社を任せたい、と考えています。
◇質疑応答より

    Q:養液栽培にはさまざまな問題点もあると思うのですが…?
    A:養液の中に微量元素をどう入れるかをきちんとすれば、問題はないと考えています。佐倉は井戸水を使っており、水質調査でさまざまな微量元素が入っているのがわかったので、使えると判断しました。また、市販の液肥そのままではなく、独自に成分を調合しています。バクテリアや菌類が発生しないように、養液は定期的に交換しています。

    Q:フリルレタスは周年同じものが作れるということですが、夏と冬で何か違いあるのでしょうか?
    A:冬場は少し小さくなりますが、ほぼ同じ大きさ、同じ数量が出荷できます。夏と冬は、まったく同じ条件ではないので、違う作物を作るというのもひとつの方法だとは思っています。夏場、レタスは競合するので、ホワイトセロリを作ることも考えたのですが、いまのところはフリルレタスが売れているので、このままでいいと思っています。

    Q:ハウス内は加温していないのですか?
    A:部屋の中は加温していません。レタスが浮いているプールの水は、冬場は温めています。

    Q:あるお客さまに、水耕栽培のフリルレタスのほうが甘くておいしい、といわれたのですが…?
    A:甘い、おいしいというのは主観もあり、成分比較はしていないので、何ともいえませんが…。レストランなどの業務系の人から共通していわれるのは、土がついていないのでシンクが汚れない、洗う水の使用量も違う、歩留まりがいい、ということ。プロの方ほど使いたがる傾向はあるようです。

■2014年9月21日 第6回 レタス、葉もの類 〜 商品説明 渡辺果樹園のぶどうのギフトボックス
  • 新潟県三条市の「Nature Farm 渡辺果樹園」では、ぶどう、梨、西洋梨(ルレクチェ)を栽培。

  • 遠赤外線、マイナスイオン、植物酵素で水を活性化することにより、農薬使用量を減らしている。

  • ぶどう畑には1日3回クラシック音楽を流し、生育促進効果を狙っている。

渡辺果樹園のぶどうのギフトボックス
ロザリオ・ビアンコ
シャインマスカット
種なしピオーネ
ルーベルマスカット
 
 

【八百屋塾2014 第6回】 挨拶|講演「レタスについて」|勉強品目「レタス、葉もの類」|商品説明食べくらべ