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■2014年6月15日 第3回 トマト・ハウスみかん 〜 講演「トマトについて」 元実行委員長 安蒜俊男氏
◇トマトの分類
トマトは、ミニトマト、中玉トマト、レギュラーの3つに大別されます。部屋数は、ミニトマトが2つ、中玉と大玉は4つ。重量は、大玉が200g、中玉が50〜70g、ミニトマトは20gぐらいが目安です。
色で分けると、ピンク系、レッド系がありますが、現在はピンク系のトマトが主流になっています。ほかにもオレンジ、黄色、グリーン、黒といったさまざまな色のトマトがあります。ミニトマトぐらいの大きさの真っ黒なトマトを見たことがあります。アメリカの大学で開発されたもので、アントシアニンの色素らしいのですが、市場にはあまり出回っていません。サラダなどの彩りにいいかもしれません。
元実行委員長 安蒜俊男氏
◇トマトの原産地など
トマトの原産地はアンデス地方です。原種のトマトは非常に酸味が強く、加熱しないと食べられません。それが改良されたのがいまのトマトです。
日本のトマトの食味は世界で一番だといわれています。トマトを生食する文化はアメリカから来たのですが、日本では90%は生食されます。
世界で一番トマトの消費量が多いのはスペインだそうです。8〜9割方が加熱調理だと思います。
トマトの収穫量が多い国は、中国、インドです。中国は国土が広いのと、気候がトマト栽培に適しているといわれます。
◇トマトの旬
トマトが一番おいしい時期はいつかというと、人それぞれで、冬場のハウスのトマトをおいしく感じる人もいれば、夏場に露地で作っている青臭さが感じられるトマトが好きな人もいます。
私は個人的に、トマトの旬はいま、5〜6月が最もおいしい時期だと思っています。7月になると温度が高すぎて、トマトが弱ってきます。トマトは7〜8段作るのですが、3段目ぐらいが一番おいしい。1段目は大玉しかできず、それをだんだん絞っていくので、3〜4段目ぐらいがベストで、その時期が関東だと6月ぐらいになります。
作型は、冬春トマト、夏秋トマトに分けられます。夏秋トマトは北のほうの産地が多い。いま、関東産と青森、秋田産などがちょうど端境期です。まだ関東のもののほうが味が濃くてトマトらしい味がすると思います。こうした2つの作型があるおかげで八百屋の店先に一年中トマトが並ぶというわけです。
いま、トマトは、市場では非常に安く、しかもおいしい。あと半月ほどすると、さらに味の濃いトマトが出てくるので、いまから仕掛けるような感じで販売するといいと思います。
年々、温度が高くなっているので、果肉がやわらかいのも出るのですが、かたいのを選ぶとお客さまがすごく喜んでくれます。ゆるんでしまったり、傷のあるトマトは、皿盛りにして、加熱調理用として売るという方法もあると思います。
◇トマトの品種について
サカタ、タキイなど、各種苗会社がタネの開発をしており、トマトの代表品種「桃太郎」はタキイ種苗が開発したものです。桃太郎のなかにも品種が20種類以上あり、それぞれ食味が違います。桃太郎のなかでも、「ファイト」、「エイト」は果肉がかたく、特におすすめです。
水を絞って作るトマトは、高糖度トマト、フルーツトマトと呼ばれ、糖度が15〜16度と、メロンと同じくらいになるものもあります。作るのに手間がかかるので、価格も高くなります。
「アイコ」という豊橋のミニトマトは、実がしまっていて、皮も薄く、おいしいトマトです。果肉のかたさや糖酸のバランスもいいのでおすすめです。
北海道の「もてもてね」、黄色いミニトマト「もてもてきっき」も非常においしいトマトです。黄色いミニトマトは見た目には味が薄い気がしますが、「もてもてきっき」は味が濃くて皮が薄く食べやすいトマトです。
「アメーラ」は、フルーツトマトの代表品種です。最初の頃はすごく高いものでしたが、食べれば納得できる味でした。いま、「アメーラ」の作り方を学んで、「アメーラ」に近いトマトを作っている人がたくさんいます。
「シュクレ」というミディトマトもおいしいのでおすすめです。
「シシリアンルージュ」、「サンマルツァーノ」などは加熱調理用のトマトで、熱を加えることでおいしくなります。水煮にして缶詰でも売っており、それをベースにすると、とてもおいしいソースやスープができます。
◇トマトの機能性
トマトにはリコピンが豊富で、β-カロテン、ケルセチン、スルフォラファン、アントシアニンなども含んでおり、体にいい食べ物だといえます。いま、日本で一番売れている野菜はトマトです。健康ブームというのも要因のひとつではないでしょうか。
トマトにはうまみ成分のグルタミンも豊富です。トマトを食べると後を引くような味が残るのは、グルタミンを含んでいるためです。
【八百屋塾2014 第3回】
挨拶
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講演「トマトについて」
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トマト
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ハウスみかん
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