第12回
挨拶
講演
感想
TEA PARTY
第11回
挨拶
講演
勉強品目
商品情報
食べくらべ
第10回
挨拶
講演
勉強品目
商品情報
食べくらべ
第9回
挨拶
講演
勉強品目
商品情報
食べくらべ
第8回
出発
概要説明
キュアリング
圃場見学
昼食
いも掘り
感想
第7回
挨拶
講演
勉強品目
商品情報
食べくらべ
第6回
挨拶
講演
勉強品目
産地紹介
食べくらべ
第5回
挨拶
講演
勉強品目
商品情報
食べくらべ
第4回
挨拶
講演
勉強品目
商品情報
食べくらべ
特別編
夜間瀬町産地視察
第3回
挨拶
講演
勉強品目
商品情報
食べくらべ
第2回
挨拶
講演
勉強品目
食べくらべ
塾生より
第1回(開講式)
挨拶
講演
実行委員より
塾生より
勉強品目
食べくらべ
八百屋塾2011についてはこちら
をご覧ください
八百屋塾2010についてはこちら
をご覧ください
八百屋塾2009についてはこちら
をご覧ください
それ以前の八百屋塾(2000年〜2006年)の内容等については、
旧・八百屋塾サイト
をご覧ください
■2013年1月20日 第10回 〜 講演「野菜の機能性」 シモタファーム 霜多増雄氏
◇分析してわかった野菜の機能性
今日は、私が行ってきた6万数千のデータに基づいた話をします。
昔に比べて、野菜の栄養価が落ちている、といわれています。確かに、おかしい野菜が多い。政府は毎日350gの野菜を食べなさい、と推奨していますが、おかしい野菜をそれだけ食べたら、むしろ、生活習慣病のリスクが高くなります。
シモタファーム 霜多増雄氏
一番誤解されているのは、有機JAS。人に対して安全とはどこにも書いてありません。でも、一般の人は、有機JASと書いてあれば、お墨付きだと思います。
特別栽培はものすごくばらつきがあります。全国で何カ所かは素晴らしいものを作っています。あとはいいとはいえない。
去年の夏、うちの水菜を分析するときに、対比のために、有機JASマークがついた水菜をスーパーで買ってきて、分析しました。五訂食品成分表には、水菜にはカルシウムがある、と書いてあります。でも、その有機JASの水菜は、今のナノの分析で、カルシウムが検出できませんでした。
ほうれん草で、根の色が赤い、青い、黒いというのは、中身的には何の意味もありません。
うちでは、ほうれん草の抗酸化力を毎日測っています。抗酸化が高いものは硝酸が低く、ビタミン類が高い。中には特異な品目もありますが、青いものはそういう傾向があります。
カチオン(陽イオン)のNH4がある畑は、栄養価が下がりますが、農学上、NH4は窒素肥料として一番大事なものだとされています。よく、イネ、ネギ、茶葉などはNH4を好む、と農学の先生方はいいます。これらは根が強く、アンモニアを吸収しますから、アンモニアを入れると大きくなります。5月にお茶にアンモニアをかけると、新芽が伸びてたくさん収穫できます。ただ、渋いお茶になってしまいます。アンモニアが多いとせっかくたくさんあるカテキンが下がってしまいます。
今日私が持ってきたほうれん草は、生の状態で、ORACの平均値が11.73とかなり高いです。BRIXは16。根は食べないでください。葉の硝酸は、1kg中に650mgと、よそのほうれん草の1/2〜1/3ですが、今どきのハウスものはMGの吸収が悪いので約6倍あります。
生活習慣病に近づく食べ物を、おいしいといって食べているのが現実です。だから医療費がかかる。私は、医療費を10%下げたい。それは百姓の責務だと考えています。
10cm以内の赤軸ほうれん草にはZN(亜鉛)が10%入っています。子どものできない人には必須の栄養素です。また、舌のうまみを感じる部分の活性化にも必要です。
人間は自分では抗酸化物質を作ることができないので、野菜からいただくしかありません。それが野菜を食べる意味です。
野菜に含まれるカルシウムは抵抗なく吸収できます。例えば、水菜は、作り方次第で1kg中に1000mgを超えるカルシウムを含むものができます。牛乳を飲むよりそれを食べたほうがいい。カルシウムが増えると、アニオン(陰イオン)の悪いものが減り、NO2もありません。野菜は作り方で変わってくる、ということです。だから面白い。
福島第一原発の事故があって、線量が問題になりましたが、葉物は、洗い方次第で、問題なく食べられます。ちょっとした知恵が大事。ただ、根元には結構溜まっていることがあるので、そこは食べなければいい。道路脇の露地の畑には、線量はなくてもディーゼル車の粒子があります。私はセシウムよりもそちらのほうがよほど問題だと思います。
むやみに消毒した野菜を売っているところもあります。八百屋さんはそういうものは売らないですよね。水道水で洗えば、まず問題ありません。そのあたりをきちんと伝えるのが、八百屋さんの使命だと思います。
イーコリといって、土壌由来の微生物を測定したデータがあります。みなさん、せめてこれくらいは産地に要求してもいいと思います。それすら出さない産地だったら買わないほうがいい。農家の意識を変えるには、みんなで盛り上げないと、いいものは出てこないと思います。
茨城で、化成肥料だけでレタスを3年作っている人がいます。中身も分析していますが、すごいいいレタスです。レタスは免疫を上げる野菜ですから、なおさら中身が大事ですよね。化成肥料はよくないと思っている人もいますが、最も衛生的です。今の有機農業は腐敗させたぼかし肥料ですから、衛生的ではありません。
私は、有機JASも、エコファーマーも、前は持っていましたが、意味がないので返上しました。ギャップ(よい農業の規範)は取りましたが、これも意味があるとは思えません。ヨーロッパでギャップができたのは、硝酸のせいでブルーベビー(酸素がとれなくて子どもが青くなって死んでしまうこと)までいってしまったからなんです。日本は離乳食が遅いから、その心配はありません。
分析して数字を出すことを30年くらいやってきました。最初はみんな目もくれなかったのが、ここ2〜3年は、安全ということにようやく気づいてくれて、数字にも耳慣れし、やっと中身のことをいうお客さんが出てきました。
土の中にカチオンのNH4が多いと、悪い微生物が旺盛になり、いい微生物は苦しくなります。有機農業とは、本来、有効微生物の生活圏、つまり、土の中、水の中の環境作りです。
野菜が大きくなるには、NPKが基本。ただ、そのNが問題で、カチオンのNもアニオンのNも一緒にされては困るんです。
分析を続けてきて思ったのは、この世の中で数字にならないものはない、ということです。科学ではわからないこともある、という人もいますが、それは使い方を知らないだけ。数字を出して有意差を見れば、いい、悪いを判別しやすくなります。
今の若い人は、数字を出すのに専用のソフトがないとできない、などといいます。いい大学を出ても、勉強したことが生かせない。知恵がないんですね。筋力もない。私は茨城出身なので、水戸黄門のいった「文武両道」が大事だと思っています。身体を鍛えれば、勉強したことも生かせる。ヒントさえもらえば、あとは考えるというところが面白いんです。
トロロックスの分析などもやっていますが、面白いですよ。ほうれん草なら、黒葉系と東洋系、両方の数値が頭にあれば、おおむね見当がつきます。小松菜も、交配した親が何か分かれば、どういう色が出るか、安全かどうか、ほぼ予測がつきます。
この八百屋塾のような勉強会は大事だと思います。興味があれば、私のファームにお越しください。実際に分析してみて、食べてみれば、よりいっそう理解が深まると思います。
旬の時期は、悪いものが減ります。ほうれん草なら、硝酸が減って、ビタミン類が増える。ORAC値も上がります。ですから、旬の野菜を食べるのが一番いい、というのは間違いありません。おいしさも出ます。
冬にきゅうりやトマトを食べたがるのはナンセンスです。身体も冷やしてしまいます。だから、ヨーロッパでは、トマトを加熱して食べるんです。また、ビタミンに関係したものを食べるときは、きゅうりはじゃまをするのでやめたほうがいい。小回りが利く八百屋さんは、そういう情報をたくさん持ってお客さんと接すれば、大手に負けることはないと思います。
これから、この野菜は悪いから安く買う、でもいいと思います。その代わり、いいものは高く買ってあげてください。八百屋さんがそれぐらいやってくれれば、産地がよくなって、伸びるはずです。
今日は、セロリやにんじんなどを使って作ったピクルスを持ってきましたので、のちほど試食してご意見をいただければありがたく思います。ピクルスに入っているにんじんは、特に黄色いものに、普通のにんじんの3倍ぐらいのオリゴ糖が含まれています。また、セロリにはどうしてもホルモンを使ってしまうのですが、うちのセロリには使っていません。
塩だけで漬けた白菜漬けもお持ちしました。品種的には、かたいといわれるものです。かたいというのと、歯切れがいいというのをどうとらえるか。私は、歯切れの悪いものがかたい、と思っています。これものちほど食べてみてください。
【八百屋塾2012 第10回】
実行委員長&理事長挨拶
|
講演「野菜の機能性」
|勉強品目「
葉物
」|
商品説明
|
食べくらべ
>>>このページのトップへ