■2012年5月20日 第2回 〜 勉強品目「豆類」 東京青果(株)個性園芸事業部 副部長 野原秀司氏
◇勉強品目「豆類」

いんげんの入荷量

 (全体) 
  916 トン 
 1位:沖縄県 
228 トン 
 2位:福島県
178 トン 
 3位:鹿児島県
118 トン 
 4位:千葉県
112 トン 
 5位:長崎県
  61 トン 

 ※2011年4月〜2012年3月、東京青果への入荷量

東京青果(株) 個性園芸事業部
副部長 野原秀司氏
  • 熊本の「グリーンピース」。えんどうの未熟な種子を食用としており、缶詰や冷凍品が大半ですが、旬の時期は、豆ごはんによく使われるフレッシュなものも出回ります。今、「グリーンピース」はかなり高いと思います。鹿児島産はもう終わりで、千葉のものが多少出てきていますが、まとまった産地が少ないこともあり、高値で取引されています。

  • 千葉の「鴨川グリーン」といういんげんは、ツヤのある緑で、甘みが強く、歯切れがよいのが特徴です。

  • いんげんは、市場では千葉産が中心で、長崎産、鹿児島産も入っています。ピークは6月上旬で、6月いっぱいまで。6月上旬あたりが、一番多くて、おいしい時期。価格的にも安くなるので、売り頃かと思います。

  • 千葉の「ステイヤー」。耐暑性が強く、まっすぐなサヤで、多収。

  • 鹿児島の「キセラ」。今日の「キセラ」は、特徴があまり出ていないようですが、歯触りがいいということで、関西で好まれています。関東と関西では、いんげんの食文化に違いがあり、関東では、煮て食べることが多いのですが、関西では焼いて食べます。焼き方は、フライパンとかグリルとか、ご家庭によってそれぞれでしょうが、焼くという食べ方にあったいんげんです。

  • 君津の「グリーンタッキー」。甘みがあり、家庭菜園に向いています。

  • 「スーパーライト」は、以前、八百屋塾に来ていた群馬県の川島さんが送ってくれたものです。「群馬でもいんげんを作っているので、ぜひ見てください」とのことです。少しやわらかめに茹でると、甘みが増しておいしい。

  • 「サーベル」も同じく群馬産で、川島さんから届きました。やや太めです。

  • 「アピオス」は、青森が力を入れています。栄養価が非常に高いそうです。茹でてから塩をまぶして食べたり、軽く揚げて食べたりします。

  • 「そら豆」は愛媛産です。今年は、天候不順で数が少ない。千葉のそら豆も少ないし、愛媛産も少ないと思います。値段は、いつもに比べると、かなり高い。「一寸そら豆」が主流です。

[高橋芳江さん]
  • 「うすいえんどう」というと和歌山のイメージですが、もとは、大阪、羽曳野のうすいという場所が発祥で、それを和歌山に持っていった。今日の「うすいえんどう」は、羽曳野の篤農家さんから送ってもらったものです。なにわの伝統野菜のひとつに指定されていて、東京にはほとんど来ません。京都や大阪の料理屋さんで消費されてしまいます。というのも、味が全然違う。味の濃さ、甘さが抜群と、自信を持って売っている商品です。

  • 鹿児島の「雷えんどう」、エジプトのスフィンクスの中で発見された「ツタンカーメン」と同じ系列ではないか、といわれています。これが面白いのは、豆は緑なのですが、ごはんに入れて保温し、4〜5時間経つと、お赤飯のように赤くなります。このまま茹でても緑色。しばらくおいて、4〜5時間お湯の中に漬けておくと、だんだんピンクになっていきます。鹿児島では、お赤飯のかわりに、この豆を入れて炊くそうです。

  • 京都、上賀茂の農家さんが作っている伝統のキヌサヤでは、砂糖ザヤに似ていますが、自分のところで代々自家採種して作っているものです。「品種は何?」と聞いても、「キヌサヤ」としかおっしゃいません。
◇豆類の写真
グリーンピース(熊本)
鴨川グリーン(千葉)
ステイヤー(千葉)
キセラ(鹿児島)
グリーンタッキー(千葉)
スーパーライト(群馬)
サーベル(群馬)
アピオス(青森)
一寸そら豆(愛媛)
うすいえんどう(大阪)
きぬさやえんどう
 
■2012年5月20日 第2回 〜 勉強品目「メロン」 橋本幾男氏
◇勉強品目「メロン」
  • いつも、5月になると雑メロンの話をしていますが今年は、春先の陽気が悪かったので、花付きが悪く、全般に値段が高いです。

  • 糖度は、このところ、ようやくのってきましたが、それまでは、なんとなく味も薄い印象でした。

  • 5月の連休前までは「アールスメロン」も高かったのですが、母の日が終わったとたんに相場が下がりました。
橋本幾男氏
  • 「タカミメロン」は、味はいい。「サンキュー」は、1本の樹から、1〜2個採りしているので、特に味はいいと思います。

  • 「肥後グリーン」は、私の店でよく扱っている品種です。

  • 赤肉の「レノン」は、熊本産。

  • 「キンショーメロン」はちょっとかたいぐらいのほうがおいしい。店に置いておき、やわらかくなると、あまりおいしくなくなってしまいます。

  • どのメロンも、 去年に比べると2〜3割高く、先ほど、関澤さんもいっていたように、全体的に、果物の動きが悪いようです。

  • その他の果物については、さくらんぼは、まだハウス物です。この間、カリフォルニアの「レーニア」が入っていました。色はやや薄かったのですが、味はよかった。6〜7月にかけて、ワシントンのものも入ってきます。味もいいし歯ごたえがあるから、見ておくといいと思います。今年は、ハウスミカンも、重油が高いので、減っています。うちの店はハウスミカンが得意なのですが、今年はちょっとやりにくいですね。
◇メロンの写真
オトメメロン
キンショーメロン
タカミメロン
ホームランメロン
レノンメロン
肥後グリーン
 

【八百屋塾2012 第2回】 実行委員長挨拶|講演「豆について」|勉強品目「豆類」「メロン」食べくらべ塾生より