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■2012年9月9日 第6回 〜 食べくらべ
◇イタリア野菜などを使った料理の試食
イタリア野菜のうち、「ラディッキオ」3種類(「キオッジャ」、「トレビーゾ」、「ベローナ」)、「エルバステラ」、「フィノッキオ」、「レッドフリル」、「セルバチコ」、「セロリアック」、「ロメインレタス」などを生で試食。
料理は、「ハナビラタケ」のバター炒め、「ベルギー・エシャロット」の炒め煮、「ペコロス」とベーコンの炒め煮、「ビーツ」のマリネ、「エシャロット」のマリネ、「サルシフィ」のスープなどを試食した。
イタリア野菜の試食
[調理の先生より]
女子栄養大学の私の師匠は、帝国ホテルの総料理長も務めた個性的な方で、「ビーツ」が大変お好きでした。お客様にお料理をお出しするときは、必ず「ビーツ」をゆでたのですが、そのときにいわれたのは、きれいに洗って、葉付きもひげ根も皮も絶対取ってはいけない、ということ。たっぷりの水からただゆでます。50分〜1時間ゆでて、そのまま冷めるまでおくと、色が外に出ません。
西洋料理では、ソースには玉ねぎを使うより「エシャロット」を使うことのほうが多く、昔は、その違いがわからなければ料理人ではない、といわれました。
荒井慶子先生
「サルシフィ」は、今日初めて食べました。もっと売ってくださるといいと思うのですが、お値段が普通のゴボウの倍ぐらいするそうですから、なかなか難しいかもしれません。
[感想など]
イタリアでは、「ラディッキオ」は、冬場の一時期にすごく出回ります。家庭では、その時期、リゾットに入れて赤い色を楽しんだり、煮込んでパスタに入れたりしてよく食べます。日本でも、そのシーズンにだけ集中して売るようなやり方をしていただけたらいいと思います。サラダのコーナーに「ラディッキオ」を置くのではなく、油やチーズを使って煮込むとおいしい、というような現地での食べ方を紹介したほうがいいのではないでしょうか。
「フィノッキオ」は、日本でも、もっとたくさん出回るといいと思っていました。イタリアでは、初夏の頃、バーベキューをするときに、「フィノッキオ」を4つ割とか6つ割にしてどっさり出します。イタリア人は、お肉を食べるときは「フィノッキオ」を食べると血がきれいになる、といいます。こうした、サラダとは違う売り方をするといいのではないか、と思います。
イタリア野菜は、需要は伸びていくのではないか、と思います。1種類ずつだと膨大な量になってしまうので、ベビーリーフのようなパッケージで、何種類かを混ぜて、家庭ですぐ食べられるような状態にしてもらえると、八百屋としては売りやすい。
今日の料理は、全体的においしかったのですが、「ラディッキオ」は私には苦かった。30代になって山菜の苦みがわかり、40代になればイタリア野菜の苦みがわかるようになるのかな、と思いました。
去年、うちの店で、「ラディッキオ」のサラダの試食販売をしました。普段は店に置いていても売れないことのほうが多い野菜ですが、そのときは試食販売の効果で動きがよかった。消費者のみなさんは知らないだけで、食べれば買ってみようかな、という気になるみたいなので、スーパーでも、そういう企画をもっとして、消費者の方に伝えることができれば、と思いました。
私はまだ社会人3年目で、八百屋塾に来ると、みなさんの話を聞くだけでも勉強になります。これからもよろしくお願いします。
生で食べたイタリア野菜は、苦みが強いものも多く、やや苦手だと感じました。でも、味つけして食べるとおいしかった。個人的に、マヨネーズやドレッシングがないとちょっと厳しい、と思います。
今日の「ビート」は、別に泥臭くは感じなかったです。もっとかたいのかと思っていましたが、やわらかくて食べやすかった。
日本とイタリアの食文化の違いを考えたとき、私たち日本人は、ごはんのおともとして野菜を食べます。ナスやズッキーニは、味噌炒めや煮物にするとごはんにも合いますが、ほかの野菜は、炒めたりしたときに、ごはんに合うかというと、なかなか難しい。高級レストランでは受け入れやすいでしょうが、一般の人がイタリア野菜を家庭に持ち帰って料理するようになるまでには、長い時間がかかるのではないか、と思いました。
試食は、特に、「ビート」のマリネと、生では「フィノッキオ」がおいしかった。「フィノッキオ」はバーニャカウダにしてもおいしいのではないか、と思いました。
一昨年、「トレビーゾ」の農家さんのところに2週間行ってきました。「トレビーゾ」は、イタリア人でも、好き嫌いがあります。春から夏はサラダバーなどに出ていて、秋から冬はリゾットなど、煮込み料理で食べていました。イタリアでも、「トレビーゾ」や「カステル・フランコ」は高かったです。
今、日本では、在来種や旬の野菜が物流から外れてしまっていますが、物流に合わないとか、スーパーの規格に合わないから、見捨てていいのかというと、そうではないと思う。その地域に伝わり続けていたり、旬の時期にしか出てこない野菜こそ、おいしく食べられるもの。この八百屋塾に、せっかく、これだけ勉強していて、伝えることができる人たちがそろっているので、そういった物流のところから考え直すこともできるのではないか、と感じました。
実際に野菜を売るにあたって、郷土料理についても一緒に勉強できるとありがたい。この野菜は、こういう地域で、こうして受け継がれてきた野菜で、それがこういった料理法で伝わっています、とお客さんに伝えられる。そのほうが消費としては伸びていくのではないか、と思います。
試食したイタリア野菜の中には、生ではちょっときついものもありましたが、イタリアでの食べ方を試してみたい。料理法をもっと勉強すれば、おいしく食べられると思います。
個人的に「サルシフィ」が好き。「セロリアック」のマリネもおいしかった。見た目はごついですが、味は優しいので、すすめれば売れるのではないかと思います。サイズがすごく大きいですが、イタリアでは、パテやムースにも使うので、あっという間に1個使ってしまいます。
一口に「葉物」といっても、それぞれに特徴があって、面白かった。ただ、クセのあるものが多かったので、一般の方に販売するのは難しいのではないか、と思いました。
「スティッキオ」は、これまでの「フェンネル」よりも、手に取りやすく、調理しやすくなっているので、お店の方にとっても扱いやすいのではないでしょうか。部位によって味が変わるので、いろいろな食べ方ができそうだと思いました。
「ラディッキオ」は苦みが強いので、生でバリバリ食べるのは厳しい。肉などの脂気の多いものと合わせるなど、食べ方をきちんと伝えていくといい。
苦みが強かったり、色が濃かったりするイタリア野菜は、栄養的にも何かあるのではないか、と思う。そのあたりをもっと詳しく知って、店頭で一般の方にもわかりやすく説明できるといい。栄養素で、こういう成分が入っています、というのではなく、例えば、メタボが気になる方にいいですよとか、身近なやわらかい表現で伝えていけるといいと思います。
「ベルギーエシャロット」は、筋っぽさもなく、甘みがあっておいしかった。
「ラディッキオ」は苦くてびっくりしましたが、1回食べて、これがどうしたらおいしくなるのか、と考えたら、今日ここにある中では、ベーコンと一緒にしたら、苦みがやわらいで、おいしかった。栄養などの話も含め、そういう情報をどうお客様に伝えていけるかが八百屋さんの腕の見せ所だと思う。そのためにも、八百屋塾などでの情報交換が大事だと思う。生産者の方々との情報交換もしていきたい、と思いました。
【八百屋塾2012 第6回】
実行委員長挨拶
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イタリア野菜について
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イタリア野菜
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産地紹介
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