■2012年10月21日 第7回 〜 勉強品目「きのこ」 東京青果(株)個性園芸事業部 副部長 野原秀司氏
◇勉強品目「きのこ」
  • 2011年4月〜2012年3月の東京青果への入荷量は、下記の表の通りです。

  • 2006年10月から、「しいたけ」に関しては、菌床か原木かの表示義務が生じました。

  • 今日の「原木しいたけ」は、岩手産。どんぐりの原木で育てたものです。菌床と比べても、見た目ではわからないと思います。食べてみると、採りたては、原木のほうが森の香りが強いと思います。
東京青果(株) 個性園芸事業部
副部長 野原秀司氏
  • タカラバイオの「大黒しめじ」は、太いところが大黒様のお腹みたいだということで、この名前がつきました。

  • 「丹波しめじ」は、「はたけしめじ」とも呼ばれるおいしいきのこです。

  • 一般的な「なめこ」と、「ジャンボなめこ」をお持ちしました。「ジャンボなめこ」はかなりのボリューム感があり、天ぷら、ホイル焼き、バター炒めなどでもおいしく食べられます。まだ「ジャンボなめこ」をおいているお店は少ないと思うので、差別化になるのではないかと思います。

  • 北海道、スリービーの「たもぎだけ」。幸せを呼ぶ黄色いきのこ、だそうです。

  • 新潟の「山えのきだけ」は、えのきを日にあてて色をつけたもの。天然のえのきに近いコクがある、とのことです。

  • 「あわびたけ」は、食べるとあわびのような食感があることから。

  • 「本ひらたけ」は、傘が大きく、見栄えが大変立派なきのこです。

  • 「ブラウンマッシュルーム」は、高橋さんが持ってきてくれました。外国では、生のマッシュルームをスライスしてサラダに入れたりしますが、日本ではあまり生で食べる習慣はありません。バター炒めなどをおすすめいただくといいと思います。

  • 例年、10月10日頃が、「まつたけ」が一番安くなる、という感覚があります。一番おいしい時期でもありますので、大いに売ってください。
◇きのこの入荷量 ※2011年4月〜2012年3月、東京青果への入荷量
【生しいたけ】 【まつたけ】 【なめこ】
 (全体) 
2,980 トン 
 1位:岩手 
805 トン 
 2位:秋田
330 トン 
 3位:島根
303 トン 
 4位:北海道
294 トン 
 5位:山形
  214 トン 
 (全体) 
44.0 トン 
 1位:中国 
22.0 トン 
 2位:カナダ
  8.8 トン 
 3位:アメリカ
 8.2 トン 
 4位:岩手
 1.7 トン 
 5位:メキシコ
  1.2 トン 
 (全体) 
 1,629 トン 
 1位:山形 
597 トン 
 2位:長野
484 トン 
 3位:福島
226 トン 
 4位:岐阜
207 トン 
 5位:新潟
  68 トン 
【えのきだけ】 【しめじ】  
 (全体) 
 4,259 トン 
 1位:長野 
2,913 トン 
 2位:新潟
1,089 トン 
 3位:山形
191 トン 
 4位:福岡
35 トン 
 5位:北海道
  15 トン 
 (全体) 
 2,758 トン 
 1位:長野 
2,309 トン 
 2位:福岡
161 トン 
 3位:新潟
76 トン 
 4位:茨城
72 トン 
 5位:山形
  40 トン 
 
◇きのこの写真
菌床しいたけ(岩手)
菌床しいたけ(岩手)
原木しいたけ(岩手)
大黒しめじ(三重)
丹波しめじ(京都)
なめこ(群馬)
ジャンボなめこ(福島)
たもぎだけ(北海道)
山えのき(新潟)
あわびたけ(和歌山)
ブラウンマッシュルーム
天然舞茸
エリンギ(長野)
大凧しめじ
   
 
■2012年10月21日 第7回 〜 勉強品目「りんご」 橋本幾男氏
◇勉強品目「りんご」
  • 今年は、「シナノスイート」も、「シナノゴールド」も、「秋映」も、全体的においしい。

  • 長野の「シナノスイート」と、山形、あさひの「シナノスイート」を持ってきましたので、食べくらべてみてください。

  • 「あおり13」というりんごは、長野の安曇でいろいろなりんごを作っている人が出してきたもので、青森では「きたくれない」という名前がついています。「あおり13」は、「リチャードデリシャス」と「つがる」の掛け合わせです。蜜が入っていて、かたく、おいしいりんごです。2回入っただけですが、うちの店でもすぐ売れました。
橋本幾男氏
  • 「あおり15」という青いりんごは、「星の金貨」という名前で青森から出てくると思いますが、これもおいしいりんごです。

  • 「シナノスイート」は、産地によってだいぶ味が違うので、そのあたりに気をつけて買ってもらえればいいと思います。また、芯カビが入りやすいので、注意してください。

  • 岩手県、江差の「ジョナ」は、まだちょっと早い感じです。

  • 江差の「とき」もおいしいのですが、一昨日買おうと思ったらなかったので、今日は青森の「とき」にしました。

  • 今年のりんごは平均しておいしいのですが、10月は贈答が少ないので、なかなか動かない。

  • 今年は大玉が多いので、大玉を売ったほうがいいと思います。
◇りんごの写真
シナノスイート(長野)
シナノスイート(山形)
シナノゴールド
秋映
あおり13(長野)
ジョナゴールド(岩手)
とき(青森)
あかね
紅玉
つがるひめ
ひろさきふじ
※その他、橋本さんから下記のお話がありました。
  • 今、みかんがあまりよくない。SやSSが多く、何千トンとジュースに回しているそうです。ハウスのおいしいみかんを食べたあと、極早生のおいしくないみかんを出すからです。先週、福岡の「きたはら早生」、県知事まで来てPRしていました。ちょっと酸が残る気がしました。有田中央の「あじいち」はじょうのうが薄く、口当たりがよくておいしい。今年は裏年なので、暮れになり、いざ本番となったときに少なくなるのではないか、という話もあります。

  • 自分が好きなので、うちの店では「まつたけ」も売っています。東北や北海道の「まつたけ」はほとんど香りがしません。徳島のもので香りのいいものがあります。「まつたけ」はやはり岡山、広島がいいと思います。京都、丹波の「まつたけ」がほしい、と注文されることがあるのですが、ほとんど入ってこない。輸入物は、中国の「まつたけ」は、来るまでに時間が経つせいか、あまりよくない。カナダのほうが香りがよく、食感もいい。メキシコ産は、長野の「まつたけ」によく似ています。

  • 私は、産地に行くのが好きで、よくいろいろなところに行きますが、市場流通以外は取引しません。農産物は、出始めから最盛期まではよくて、そこから先はたいてい品質が落ちてきます。それを同じ値段で売ることはできません。直接取引をすると、最盛期まではいいのですが、常に同じものが来るとは限りません。私は、自分が納得しなければ買いたくないし、全部市場を通すようにしています。
 
 

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