■2012年11月18日 産地視察@JAなめがた 〜 焼きいもの食べくらべ&昼食
 圃場見学後は、3種類のさつまいもを焼きいもで食べくらべ。昼食は、生産者やJAなめがたのみなさんといっしょに、現地で採れた野菜をふんだんに使った料理を堪能しました。
焼きいもの食べくらべ-1
焼きいもの食べくらべ-2
ランチタイム
大葉、春菊、エシャロットの天ぷら
れんこんメンチ
せりごはんのおにぎり
青梗菜の味噌汁
 
 JAなめがたの横田富成氏からのご挨拶と、生産者の方のお話をご紹介します。
【JAなめがた 横田富成氏 ご挨拶】
 本日は、朝早くから行方にお越しいただき、御礼申し上げます。

 隣の鉾田市はメロンが代表的な産物です。行方市には、目立った野菜がありませんでしたが、さつまいもが認知されてきました。

 量では大産地にかないませんので、品質にこだわった産地作りをしてきました。自慢のできる、内容の濃いものを作り、お客様に選ばれる産地になりたい、と思っています。

JAなめがた 北浦地区 生産部会連絡協議会
会長 横田富成氏
【JAなめがた 千ヶ崎正氏のお話】
 今、量販店や青果店などで、焼きいもの機械を使って店で焼きいもを作って売るということをしていますが、私どもがそうした提案をしたところ大ヒットし、焼きいもブームになった、と自負しています。うまくいった理由は、おいしいいもでスタートしたからだと思います。

 農家のみなさんも、おいしいいもだから売れた、というのを認識して、いつ食べてもおいしいいもを作ってきました。

JAなめがた 営農経済部 部長 千ヶ崎正氏
 青梗菜も、エグミがなく、生で食べられるものを作ろうと、土作りをしたり、種苗メーカーに品種改良をしてもらったりしました。葉物は色や鮮度だけではなく、食べておいしくなければだめだと考えています。いもや葉物以外にも、約60品目もの野菜がありますが、どれもそういう作り方をしてきました。

 私どもは、東京スカイツリーのソラマチ屋上に、100平米の小さないも畑を作りました。今は、スカイツリーが紫にライトアップされるということでしたので、紫の大根を植えてあります。お客様が、「大変おいしいいもを作っている産地があるから、そこの土を持ってきて畑を作ろう」といってくださって、実現した企画です。これまで、品質にこだわって産地作りをしてきた結果がこういう形になった。今後もこうした活動を続けていきたい、と思っています。

 葉たばこの需要が減り、122ヘクタールの畑が、たばこから野菜に転換しました。そのうち100ヘクタールがさつまいもへの転作です。さつまいも畑が、合計で750ヘクタールほどになりましたので、八百屋さんのお力で、行方のさつまいもをたくさん売ってくださるようお願いします。

 さつまいもは、早堀りするとまずい。ですから、圃場に最低120日はおいています。ピークは150日。 それからは、デンプンの含有量が落ちてきます。黒土は、その落ち方が早く、 赤土は緩やかに落ちてくる。関東でも、赤土は行方だけです。行方のいもは、150日以上経ってもデンプンの含有量が落ちないので、どれを食べても味がいい。

  「紅ゆうか」は、一般的には「紅はるか」の名前で売られています。行方では、なぜ「紅はるか」として売らないかというと、「紅はるか」は新しい品種で、形のよいA品が多く出ます。そのため、いろいろな産地が作り始め、特に九州で、面積がすごく増えました。ところが、すぐに掘ってしまうとおいしくありません。他産地との差別化を図るために、名前を変えることにしました。

 「紅ゆうか」は、今のいもにしてはめずらしく、繊維が強い。ただ、口の中に残るような繊維ではありません。甘さは、白砂糖のような甘さです。一方、「紅まさり」は、黒砂糖の甘さ。コクがある。さつまいもは麦芽糖が主体なのですが、「紅まさり」には果物に含まれているのと同じ果糖が入っています。だから、甘さが違う。

 「紅こがね」は、安納いもよりずっと甘い。Brixで45という数値が出ました。天然のもので45までいくものはなかなかないそうです。6月から、低温貯蔵した「熟成紅こがね」出ますが、これが抜群においしい。

 年内からしっとりしたものが食べたいなら、「紅ゆうか」。1〜3月までは、「紅まさり」がおすすめです。

 さつまいもの貯蔵温度は、13℃がベストです。部屋の中くらいの温度。5〜7℃以下で長期間おくと傷むのが早くなります。冷蔵庫の野菜室に5日くらい入れてから焼くと、甘みが全然違います。