さつまいもは、早堀りするとまずい。ですから、圃場に最低120日はおいています。ピークは150日。
それからは、デンプンの含有量が落ちてきます。黒土は、その落ち方が早く、 赤土は緩やかに落ちてくる。関東でも、赤土は行方だけです。行方のいもは、150日以上経ってもデンプンの含有量が落ちないので、どれを食べても味がいい。
「紅ゆうか」は、一般的には「紅はるか」の名前で売られています。行方では、なぜ「紅はるか」として売らないかというと、「紅はるか」は新しい品種で、形のよいA品が多く出ます。そのため、いろいろな産地が作り始め、特に九州で、面積がすごく増えました。ところが、すぐに掘ってしまうとおいしくありません。他産地との差別化を図るために、名前を変えることにしました。
「紅ゆうか」は、今のいもにしてはめずらしく、繊維が強い。ただ、口の中に残るような繊維ではありません。甘さは、白砂糖のような甘さです。一方、「紅まさり」は、黒砂糖の甘さ。コクがある。さつまいもは麦芽糖が主体なのですが、「紅まさり」には果物に含まれているのと同じ果糖が入っています。だから、甘さが違う。
「紅こがね」は、安納いもよりずっと甘い。Brixで45という数値が出ました。天然のもので45までいくものはなかなかないそうです。6月から、低温貯蔵した「熟成紅こがね」出ますが、これが抜群においしい。
年内からしっとりしたものが食べたいなら、「紅ゆうか」。1〜3月までは、「紅まさり」がおすすめです。
さつまいもの貯蔵温度は、13℃がベストです。部屋の中くらいの温度。5〜7℃以下で長期間おくと傷むのが早くなります。冷蔵庫の野菜室に5日くらい入れてから焼くと、甘みが全然違います。
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