熊本の新玉ねぎ「サラたまちゃん」は、かつて私が販売を担当していた品目です。平成8年に、東京都の流通協定品となり、そのとき初めて東京に来ました。以来ずっと、東京青果の個性園芸事業部で販売しています。あしきたの「サラたまちゃん」は、水俣市が中心となって作っています。水俣病という、あまりよくないイメージを持たれるかもしれませんが、水俣市では、公害に苦しんだので、むしろ、環境保全型農業に積極的に取り組んでいます。「サラたまちゃん」は、農薬も化学肥料も半分以下の特別栽培農産物として県から認証を受けています。また、除草剤は一切使っていません。私の個人的な感想ですが、「サラたまちゃん」は4月が一番甘い品種です。ですから、今こそ、みなさんに売っていただきたい。
玉ねぎの刺激成分である硫化アリルは、血液をサラサラにして、血栓や動脈硬化の予防に効果的だといわれています。特に生食のときに効果を発揮するそうですが、硫化アリルは水に溶けやすい性質を持つので、水にさらさないで食べてください。玉ねぎなので辛みは多少ありますが、空気にさらせば十分おいしく食べられます。切ってから、15分〜1時間ほど冷蔵庫においてから食べると、ほどよく辛みが抜けた、非常においしい玉ねぎが食べられます。お客さんにも、そのように説明されるといいと思います。
「オニオンヌーボー」は、静岡のヤママツ鈴木さんが作っています。タネは在来種というだけで、明かしてくれていません。ヤママツ鈴木さんのホームページには、「日本で一番早く収穫できる甘い玉ねぎ」と書いてあります。飲食店では、よく、グリルにしています。生で食べたりもします。
新じゃがは、鹿児島のものを持ってきました。特徴は、皮が薄くて、みずみずしいこと。ですから、丸ごとの調理に向いています。特に、小さいものは、洗ってそのまま調理してください。
新にんじんは、徳島のものです。秋にタネを蒔いて、春に収穫するので、「春にんじん」とも呼ばれています。徳島では、高さ1.5mぐらいの大型ハウスで作っており、乾燥状態を保つことで、甘さや鮮やかな色を出しています。ほかのにんじんにもいえることですが、皮のところにβ−カロテンがたくさん含まれているので、皮をむかずに食べる、ということをお客さんにすすめていただければ、と思います。
新しょうがは、高知の「土佐一」です。収穫したばかりのしょうがで、そのまま食べたり、甘酢漬けなどにします。しょうがの辛みは、ジンゲロンとショウガオールという成分で、食欲増進や殺菌作用があります。しょうがは中華料理に利用されることが多いのですが、香りづけと酸化防止に役立っている、といえます。
「ゆきだいこん」は、雪の下から掘ってきたわけではなく、普通のトンネルで栽培している春大根です。生産者は大根の篤農家で、7〜8月を除いて、ずっと大根を出しています。品種は「たかほまれ」だと聞きました。それから、まだ試作品の段階で市場には入っていませんが、同じ人が、「紫大根」というものも作っています。
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