寒河江で食用菊「もってのほか」を栽培しています。
山形では古くから食べられていて、家の回りに植えられていました。私の父親が、仲間とともに消費拡大に努め、食用菊の栽培を始めたのが、約50年前になります。
最近は、「もってのほか」というネーミングが面白い、ということで、さまざまなところで取り上げていただけるようになりました。紫の花の色や、食感も好まれているようです。つい先日も関西から来られた方が、「もってのほか」は、今まで食べたことのある黄色い菊とは食感が全然違う、とおっしゃっていました。
山形は、日本一の食用菊の産地です。現在は、やや色の薄い「早生もって」が中心です。色の濃いほうが「本もって」で、学名は「延命楽」という名前です。山形で一番多い食べ方は、お浸しです。おじいちゃん、おばあちゃんがどんぶりに盛ってお茶請けにする、という感じです。
東京にも、農協から出荷していますが、販売を増やしたいと、われわれ生産者、15名でがんばっています。村山を中心として、県内一円で「もってのほか」が栽培されるようになりましたが、まだまだ知らない人も多いと聞きました。今日はこうした勉強会で紹介できる機会をいただけて、大変嬉しく思っています。
昔ながらのお浸しだけではなく、若い人に受け入れてもらえるような新しい食べ方を考えたいと思っており、ホテルやレストラン向けのサンプル提供もできます。
「もってのほか」は、通常、10月中旬〜11月中旬が収穫時期ですが、今年は暑さで、開花が2週間近く遅れました。今日の「本もって」は、初詰みのものです。普通はもう少し早く咲きます。
|