Q:今年は溶けたねぎが本当に多く、仕入れの時はなんともなかったのに、1〜2日冷蔵庫に寝かせて、出したら真ん中が全部溶けていたりしました。でも、匂いは全然ひどくなくて、それ以外の部分は提供しても大丈夫そうだと思ったのですが、食しても問題はないのでしょうか?
A:食べてもまったく問題はありません。ただ、あまり気持ちはよくないですよね。
Q:来年以降も、溶けるねぎが出てくると思っていたほうがいいのでしょうか?
A:可能性は高いでしょう。今年は長野県でかなり出ましたが、同じ長野県でも1本も出ていない生産者もいます。原因も特定されてきているので、あと1年ぐらい経つとなんとかなるかもしれません。
Q:春先の坊主不知がなくなって、トウ立ちの遅い品種をトンネルやハウス栽培で行うのが主流になってきている理由は、食味がいいからですか? それとも採算が合うからでしょうか?
A:1つは品質でしょう。「SB」というマークがついている晩抽性F1ねぎは、分けつなく(一本で)揃い良く、品質も日持ちも良いです。
Q:近頃は11月まで暑いことが続いていますが、ねぎにも影響は大きいですか?
A:平均温度で25℃、雨が多いと、ねぎは大きく劣化します。8月下旬、栃木県小山の水田転作の畑で、ゲリラ豪雨が何回かあって水が溜まり、猛暑でねぎが茹であげたような状態になり、すべて倒れてしまいました。四国・九州でも台風の害が多かった。8月下旬から9月頃、徳島のねぎ畑のねぎは腐ってなくなり、ブロッコリーが植えられていました。山形県北部から秋田にかけては、7月10日ぐらいから8月の上旬にかけて線状降水帯が発生し、ねぎの部会長は「今年はダメだ」と早々に言っていました。ねぎにとって一番怖いのは、暑さと雨です。全然雨が降らない年は枯れてしまい、荷物が揃いません。
Q:小ねぎや万能ねぎは、1年間を通して品薄で高い状況が続いているのですが、なぜですか?
A:青ねぎは、本場京都の業者から夏涼しい長野に作ってほしいという依頼が来るぐらい、盆地の京都では作りにくくなっています。長野の飯山で作っている葉ねぎには、九条ねぎの血が30パーセントぐらい入っています。
Q:ねぎの生産コストについて教えてください。
A:ねぎの生産コストは上がっています。要因はいくつかあって、1つは機械化です。束ねるのは人手ですが、そこまではほぼ機械化の一貫体制で早く楽に作業できるようになりました。機械を1セット揃えるには相当な費用がかかります。出荷流通規格の問題もあり、労賃、段ボール代、輸送代、ルートによっては手数料。育苗コスト、殺菌剤、除草剤など。原価は高くなる傾向にあります。
Q:給食の納めをしていて思うのですが、葉っぱはほぼ廃棄されるのに、6:4なのはなぜでしょうか? こちらとしては、8:2ぐらいの比率のほうがありがたいのですが。
A:ひとつは見た目の問題。そして白身を長くすると細くなる。一定の太さにするために、加工に2度手間かけて、売る部分が少なくなるのは、生産者にとってありがたくないだろうと思います。
Q:千葉と青森では箱の大きさが5センチ違います。白身の長さかと思っていたら、葉っぱの長さだった。それなら短くていいのでは、と思うのですが?
A:規格は県によって違います。千葉県も変えてきています。買う方と作る方との対話が必要ですね。
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