■2024年6月16日 第3回 にんにく・しょうが 〜 勉強品目「にんにく・しょうが」 東京青果(株) 長田雅行氏
◇「にんにく・しょうが」について
[東京青果(株)  長田雅行氏より]
  • 本日ご用意した品物について。まず、高知の新しょうが。大しょうが、中しょうが、小しょうがというくくりがあり、これは大しょうがです。植えつけは10月頃から始まり、出荷は3月あたりから始まります。新しょうがは、今月後半から来月頭にかけて出荷がピークです。ぜひ、お客さまにおすすめください。

  • 和歌山の新しょうがは、泉農園さんのもの。和歌山は高知の後続で、5月から始まります。

  • 高知の囲いしょうが。収穫後に貯蔵してから出荷されます。収穫時期は、秋口から年内いっぱい。シーズンを通して、温度管理された貯蔵庫で保管されています。新しょうがに比べ繊維があり、すりおろしたり、熱を加えたりして使われています。
東京青果(株)  長田雅行氏
  • 葉しょうがは静岡県。植えつけて、葉が7〜8枚になったら収穫して出荷されます。甘酢漬け、味噌漬けが一般的です。

  • 矢しょうが。呼び方はいろいろあります。葉しょうがより少し生育が若い、葉が3〜4枚前後の時に収穫されます。

  • しょうがは、国産と外国産に分けられ、中国産は国産より安価で推移しています。中国料理店が納め先だと中国産でないと困るといわれることもあります。扱い的には中国産がダントツに多く、加工関係、チューブしょうがなど、原型をとどめないようなものによく使われています。

  • にんにくは、シーズンを通して青森産が主流です。ここ何年かは高値基調で、キロ単価の高い品目の1つです。黒にんにくなどの加工や、コロナ禍あけの食文化の変化で、にんにくの需要が爆発的に伸びています。国産にんにくが求められる一方で、産地では高齢化などで生産量が減っているという、需要と供給のバランスのところで高値が続いているのかもしれません。

  • 生にんにくは、「今の時期しか食べられない」がセールスポイント。乾燥させると一般的なにんにくになります。生にんにくを作っている農家さんは多くありません。青森などでは、昔、冬場の内職のような形でにんにくが作られ、生で出す必要はありませんでした。今は旬の時期にあれば欲しいという要望に応えて、出していただいています。扱いは、4月から今月末もしくは7月頭ぐらいまでです。

  • ジャンボにんにくは、静岡。三島で作られています。普通のにんにくとは違う種類で、一片が大きく、ペコロスのような食感、甘みがあります。食べ方も、ジャガイモの代わりにカレーにそのまま入れたり、先日見たテレビでは、福岡あたりのジャンボにんにくを麻婆豆腐の中に入れていました。見せ方によっては評価が得られると思いますので、宣伝していきたいと考えています。

  • 土に埋まっているのが白いにんにくで、地上部に出ているのが「にんにくの芽」。農薬の問題などもあり、国産のにんにくの芽はわずかしか出回っていません。

  • 葉にんにくは、地上部をつけたまま、上と下の両方が商品になります。

  • スペインにんにくは、私も一時期販売していました。ここ10年ほどの高値の前です。スペイン産、フランス産にんにくの価格帯は国産と中国産の間で、安全面では国産と同じような厳しい基準が設けられています。中国産は避けたいという方に、国産より安く安全ということから流通しました。

  • 黒にんにくは、乾燥したにんにくを、保温状態がキープできる機械に10日から2週間弱入れておくとできあがります。酸味、甘み、かたさなど、加減によってばらつきが生まれます。サプリメントとしても、普及していったと聞いています。

  • 高知の「限界突破しょうが」は、65歳以上が村の半分以上を占める限界集落で、2人の生産者さんが作っているそうです。完全無農薬、無化学肥料。苦み、えぐみがないので、このまま洗わないでボリボリ食べられるということです。
◇「にんにく・しょうが」の写真
新しょうが
(高知)
新しょうが
(和歌山)
かこいしょうが
(高知)
八代しょうが
(熊本
近江しょうが
(中国)
限界突破しょうが
(高知)
久能葉しょうが
(静岡)
はじかみしょうが
(愛知
棒しょうが
(千葉)
ひねにんにく
(青森)
新にんにく
(青森)
新にんにく
(青森産業技術センター)
黒にんにく
(青森)
最上赤にんにく
(山形)
にんにく4L
(中国)
ジャンボにんにく
(静岡)
紫にんにく
(スペイン)
にんにくの芽
(中国)
葉にんにく
(中国)