Q:「青森福雪」は、せっかく作ったのですから差別化して売るべきだと思います。さまざまな事情があるとは思いますが、そうでないと、作った人が報われないのではないでしょうか。教えていただきたいのは、再生産価格です。キロいくら以上が目標ですか?
A:差別化に関しては、私だけではどうにもならない話なので、ご意見を関係者に伝えたいと思います。再生産価格について、具体的な目標はなかなかむずかしく…。かつて青森県産の平均単価が1000円だった頃、最低価格で500円を切ったら赤字と聞いたことがあります。現在は、肥料、農薬、資材、ガソリンなど、生産コストがかなり上がっているので、平均1000円でも限界かな、と感じています。
Q:にんにくは青森県産、その他国内産、中国産の大体3つに分けられと思いますが、あまりにも品質の差がありすぎて、青森のにんにくの素晴らしさは誰もが認めるところだと思います。王者としてがんばってください。われわれは野菜を勉強している上で品種をすごく重視しています。品種がその特徴を1番表すものだと思う。ですから、私も、一般に品種名を知らしめるべきだと思いますが、いかがでしょうか?
A:ブランドの確立などを考えると、品種名を前面に出してもいいのかな、と個人的には思います。そういう強いご意見があったということは、関係者に伝えていきたいと思います。
Q:りん片を大きくする理由、目標はなんですか。扱いやすさですか、味ですか?
A:私たちは農家の方々を第1に考えており、収量と品質。いいものがたくさん穫れることを目指してやってきました。親品種の「福地ホワイト」を超え、8割のシェアを持っている民間の品種には、追いつくことはできました。さらに、りん片が少なくて大きいという特徴が見えてきたので、農家の方たちの収入を確保しつつ、他県産とは違う、青森らしいにんにくとしてアピールできる、と考えています。
Q:市場で「福地ホワイト」を探したのですが、箱にはほとんど「青森にんにく」と書いてありました。品種を聞いたら、「大体は福地ホワイトだよ」といわれました。レアなにんにくもあるのに、全部ひとくくりで「青森にんにく」という認識になってしまうのは、惜しい気がするのですが…?
A:そうですね。以前、別の方からも、「青森県産にんにくと青森にんにくは違うのか?」という質問をお受けしたことがあります。今のところ、青森県産にんにくは、ほとんどが「福地ホワイト」系、「白玉王」ですが、極端な話、法律上は、中国系のにんにくも青森県で作れば青森県産にんにくなんです。そういうことがないように、規定や決まり事を作ることも必要かもしれません。
Q:にんにくは、りん片を植えれば、家庭でも育てられるのですか?
A:はい、育ちます。ただ、たとえば、「福地ホワイト」が東京の気候に合うかどうかはわかりません。
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