■2024年年8月25日 第5回 夏野菜・梨 〜 勉強品目「夏野菜」 東京青果(株) 佐々木氏、(株)果菜里屋 高橋芳江氏
◇「夏野菜」について
[東京青果(株)  佐々木氏より]
  • 「モロヘイヤ」の産地は、今は主に群馬県、JA太田市。沖縄県産は、周年で供給されます。

  • 「ツルムラサキ」は夏のネバネバ野菜の1つ。徳島や福島、その他の各地から少しずつ出ています。

  • 「明日葉」の原産地は東京、出荷者は三宅ハート会。伊豆七島で生産、出荷しています。流通に耐えられるよう、ある程度の生育ステージで出荷され、基本的に苦みが強い。現地ではもっと若めで食べるようです。旅館等でも明日葉料理が出てきます。青汁の原料としても使われています。

  • 「空心菜」。千葉県のアグリアドバンス、愛知県の尾張中央春日井は水耕で、静岡県の遠州中央は土耕です。

  • 「豆苗」。山梨は根付き、栃木は根切りで出ています。一般的に流通している姿は、村上農園の根付きだと思います。根切りは基本的に業務用。中華料理屋さんで炒めものなどに使われます。

  • 「おかひじき」。基本的に周年です。山形は冬場はなく、千葉が周年。暑すぎると出てきません。

  • 「ゴーヤ」。今日は茨城です。この時期は群馬、茨城が多い。あとは沖縄、宮崎、長崎。グリーンの濃いものを選ぶといいと思います。今の時期、おすすめの野菜です。

  • 「オクラ」。産地は高知、鹿児島他。近在には群馬等があり、熊本、宮崎、福岡も流通しています。沖縄県産はほぼ周年で、「丸オクラ」もあります。「島オクラ」として有名ですが、関東ではあまりメジャーではなく、高知、鹿児島が流通のメインです。

  • 「ビエトラ(チャード)」は、福岡のJA久留米。「スイスチャード」とも呼ばれ、基本的にはレストランで、料理の彩りとして使われます。大規模な生産はなく、千葉、茨城、埼玉あたりで、シェフから頼まれて植える、といった生産、出荷が主と思われ、一般的なスーパーには並んでいません。
◇「夏野菜」についての補足
[(株)果菜里屋 高橋芳江氏より]
  • 「オクラ」は先ほどのご説明のほかに、白オクラ、赤オクラ、ミニオクラ、花オクラなどがあります。花オクラは、花の中に白身魚のペーストなどを詰めたりして使われます。「オクタゴン」、「ダビデの星」という星型のオクラや、「スターデイビット」という六角形のオクラもあります。

  • レストランからよく注文を受ける白ゴーヤは、薄くスライスしてサラダのトッピングに使われたりします。

  • 「オカワカメ」は大分県。茹でて食べます。ツルムラサキよりもっとヌルヌルした食感です。
(株)果菜里屋 高橋芳江氏
  • 「葉とうがらし」は、昔は佃煮風にして食べましたが、今はあまり作られていないのでは。

  • 「はすいも」は、高知。薄切りにすると、蓮のように中に穴が開いています。味はないのですが、和食屋さんなどで使われています。

  • 「ベニズイキ」は里芋の茎。酢漬けにすると鮮やかなピンク色になります。

  • 「金時草」は加賀の伝統野菜になっていますが、沖縄では「ハンダマ」、熊本では「水前寺菜」と呼ばれます。茹でると、きれいな紫の色が出ます。

  • 「つるな」は、江戸東京野菜の1つで、周年作られています。ちょっと癖がありますが、シャキシャキとしておいしい。レストランでは評判がよく、引き合いがあります。

  • 「島らっきょう」は、沖縄。味噌をつけて食べるとおいしい。評判もいいです。一般的ならっきょうとは少し違います。

  • 「ナーベラ」は、沖縄。食用のヘチマで、豚肉と炒めたりして食べます。けっこう人気があるようです。

  • 「モウイ」は、沖縄のキュウリです。

  • 「神楽南蛮」は、新潟県の伝統野菜です。山古志村の特産で、地震の時に種を持ち出して保存したといいます。熟して赤くなるとおいしい。やや辛みがあり、炒めものなどに使うと夏にぴったりです。
  • 今日は、ビールに使われる「ホップ」も持ってきてもらいました。

  • 今日の葉物の中で1番高いのは、「明日葉」です。

◇「夏野菜」の写真
モロヘイヤ
(沖縄)
あしたば
(東京・三宅島)
空芯菜
(千葉)
豆苗
(山梨
オクラ
(高知)
ミニオクラ
(高知)
花オクラ
(高知)
オクラ
(沖縄)
丸オクラ
(沖縄)
赤オクラ
(沖縄)
オクタゴン
(福岡)
スイスチャード
(千葉)
白ゴーヤ
(茨城)
おかわかめ
(大分)
葉とうがらし
(千葉)
はすいも
(高知)
紅ずいき
(大阪)
金時草
(石川)
つる菜
(東京)
島らっきょう
(沖縄)
ナーベラー
(沖縄)
赤毛瓜
(沖縄)
神楽南蛮
(新潟)
ホップ
(愛知)
 

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