■2024年9月29日 第6回 トマト 〜 食べくらべ
◇「トマト」の食べくらべ
[タナカトウコ氏より]
  • 大玉トマトの1番目と2番目は北海道産です。今回、この2つだけ、JA名と品種はブラインドで、先入観なく食べてみてください。

  • その他は、青森のJAつがるにしきた、南郷トマト、群馬JA利根沼田、岐阜のJAひだ、熊本JAかみましきの大玉トマト。もう1つは、千葉のJA長生の抑制タイプです。

  • あと、フルーツトマト「アメーラ」、「北の極み」、調理用トマト「シシリアンルージュ」、ミニトマト「もてもて」も食べていただきます。
 
タナカトウコ氏
トマトの食べくらべ-1
トマトとの食べくらべ-2
トマトの食べくらべ-3
◇トマトの食べくらべアンケート結果
[タナカトウコ氏より]
  • トマトの挙手の数は次のとおりでした(複数回答)。
    1. 1番の北海道の大玉トマト 11
    2. 2番の北海道の大玉トマト 5
    3. 青森JAつがるにしきた 14
    4. 南郷トマト 18
    5. 群馬JA利根沼田「カレン」 5
    6. 岐阜のJAひだ「麗月」 4
    7. 熊本JAかみましきの「りんか」 0
    8. 抑制タイプの千葉長生 3

  • 大玉以外のトマトについて
    1. 「アメーラ」 9
    2. 「北の極み」 25
    3. 調理用トマト「シシリアンルージュ」 0
    4. ミニトマト「もてもて」 26

  • なお、ブラインドで食べくらべた大玉トマトの1番はJAびらとりの「桃太郎」、2番はJAながぬまの「れおん」でした。
◇レシピの説明
[石井玲子氏より]
  • 今日はトマトを使ったレシピを2つ紹介します。作り方は黒津に任せました。

  • 1つ目はトマトの味噌汁。前回ご紹介した手作りの出汁で、味噌はマルコメの「麹美人」です。トマトは加熱するとうま味も甘みも増して、とてもおいしくなります。生では提供しにくい給食施設など、味噌汁にトマトを入れるだけで十分に加熱されるので、ご提案しやすいと思います。トマトをまずお湯で煮て、その汁も味噌汁に加えています。トマトと昆布のグルタミン酸、鰹節のうま味成分が全部入った味噌汁です。トマトは青森のものを使いました。材料は、鰹節と昆布の出汁、味噌、トマト、酒とみりんも使い、角を取った味に仕上げました。使用するトマトの酸味や味噌の味わいにより、好みで調整してください。具材との相性によっては、醤油、砂糖を入れるとおいしくなることもあります。

  • もう1品は、トマトソースです。手作りと市販のトマトソースの味をくらべてください。フライパンでオリーブオイルを温め、みじん切りのニンニクを入れ、弱火で焦げないように香りを出します。みじん切りのたまねぎを加え、焦げないようにじっくり加熱し、甘みを引き出します。少し火を強めて生のトマトを加え、塩、こしょうをして、全体に炒め合わせます。ナスやキノコなど、好きな具材もここで入れて炒めてもいいと思います。塩を入れるとトマトから水分が出ます。少し煮たら、ローリエ、輪切りの鷹の爪を加え、30分ほど煮込みます。辛さは好みで調節してください。トマトは大きめの角切りにしましたが、形がなくなるまで煮込みます。トマトの水分量によって水を足します。水分が多めなら、そのまま煮込んでください。北海道の大玉トマトを使いました。市販は、デルモンテの「基本の完熟トマトソース」、植物性のものだけで作られた商品です。今日はマカロニを添えてお出しします。
石井玲子氏

トマトのみそ汁

トマトソースの食べくらべ




◇感想など
  • これほど多くの種類のトマトを食べくらべできる機会はめったにないので、いい経験になりました。私は1番の北海道トマトが、バランスがよく、酸味もあっておいしいと思ったのですが、最初に食べたからかもしれません。抑制は昔のトマトという感じがしました。ミニトマトの「もてもて」がすごくおいしかった。トマトの味噌汁にはびっくりしました。スープはすごくおいしかったのですが、具としては個人的に合わない気がしました。トマトソースは手作りのよさが十分に出ていて、市販品は強すぎると感じました。

  • トマトは大好物なので、おいしかったです。こうして食べくらべると、私は、ゼリーの周りの肉質が厚くて、ザクッと食べるのが好きなんだと自覚できました。やわらかすぎると、ジュースを飲んでいるような感じ。味噌汁は、私は酸味があっておいしいと思いましたが、家族に出すと考えると、もしかしたらその酸味を味噌汁と合体させることに抵抗感があるかも、という印象でした。

  • 「北の極」は、初めての味でびっくりしました。味噌汁も手作りトマトソースもとてもおいしかったです。

  • いろいろなトマトを食べさせていただき、ありがとうございました。個人的には、千葉の抑制がクセがなくて食べやすかった。南郷の「桃太郎みなみ」と、ミニトマトの「もてもて」はすごくおいしかったです。

  • 私は、青森のトマトと、ミニトマトの「もてもて」がおいしいと思いました。「北の極」は初めて食べたのですが、衝撃でした。トマトソースは、手作りのほうがまろやかでおいしかったです。

  • トマトのおいしさの概念みたいなのがむずかしい。甘いとか、コクがあるとか、項目が違えばアンケートも違う展開になるような気がしました。トマトの味噌汁は冷やしてもおいしそうですね。手作りトマトソースはさっぱりとした料理に向いていて、市販のものはうま味が強くコクがあったので、違う使い方をすればいいんだなと、勉強になりました。

  • 大玉トマトは、「南郷トマト」の味がしっかりしていて甘みもあったので、1番おいしかったです。この時期のトマトの中では、お客さまにもおすすめできると思いました。手作りトマトソースはこんなにおいしいんだ、と実感しました。自分も作ってみたいです。
◇終わりに
  • 以前、八百屋塾で、さつまいもの講演をしてくれた橋本先生が10月2日(水)朝8時15分からのNHK「あさイチ」に出演されるそうです。その橋本先生をお呼びして、10月6日(日)に横浜で勉強会を開催します。講演だけでなく、100ボルトのコンセントで使える焼き芋機を入れる予定なので、興味のある方はお声がけください。(横浜青果塾 藤岡さん)

  • 本日もお疲れさまでした。個人的には「りんか」がおいしかったです。酸味と甘み、水分、皮の加減など、使い方によっては、抑制も売れる可能性はある。自分が売りたいと思うトマトを見極めていただければ嬉しいです。トマトソースも、植物系のものだけでおいしく感じられるのがすごいと思いました。魚介やお肉と合わせると、さらにおいしくなると思うので、参考にします。八百屋のみなさん、市場で「南郷トマト」を見つけたらぜひ買って、お客さまにそのよさを伝えてください。来月は「じゃがいも」の予定です。品種がとても多く、味も違います。今日のトマトより違いがわかるのではないかと思うので、来月の食べくらべも楽しみにしてください。11月は産地視察を予定しています。さつまいもの産地での芋堀りやキュアリング施設の見学、近くの畑でブロッコリーの収穫体験などをしたいと考えています。ぜひご参加お願いします。(実行委員長 柴田)