■2024年年9月29日 第6回 トマト 〜 勉強品目「トマト」 東京青果(株) 内山氏、池田氏、橋本氏
◇「トマト」について
[東京青果(株)  内山氏、池田氏、橋本氏より]
  • 夏秋トマトの主な産地は北海道、東北、岐阜、群馬、熊本の高冷地です。冬の時期のトマトと比べると、清涼感や歯ごたえがあり、酸味も感じられるのが特徴です。

  • いま、夏秋トマトの入荷量が多い産地は、北海道、岐阜、東北各県。抑制トマトの千葉県がかなりまとまってきているので、夏秋産地より荷物がある状況かもしれません。徐々に愛知県、栃木県などの入荷も始まっています。

  • 岐阜県産は、産地の出荷は11月もありますが、輸送の都合で関東に来るのは10月中旬で終了になると思います。その他の産地は、基本的に10月いっぱい、11月の頭まで少しある状況です。

  • 「南郷トマト」は味にこだわった生産者さんが丹精込めて作っているトマトです。

  • 北海道のJAびらとりは、桃太郎系。暑さで作りにくくはなっていますが、「桃太郎ネクスト」、やや暑さに強いといわれる「桃太郎ブライト」、「桃太郎みなみ」を作っています。

  • 北海道のJAながぬまは、一昨年ぐらいまで桃太郎系を作っていましたが、暑さでなかなかいいトマトができず、サカタの「れおん」になりました。赤系のトマトで、果肉が固く、店持ちがいいのが特徴です。

  • 青森のJAつがるにしきたは、桃太郎系とサカタ系が混在しています。基本的には「桃太郎ネクスト」が主力の産地です。

  • 群馬の高地、JA利根沼田は「カレン」が中心です。

  • 岐阜の高冷地が産地のJAひだは、「麗月」というサカタの品種を使っています。かなり店持ちがよく、果形もいいトマトです。

  • 熊本の高地のJAかみましきは、タキイとサカタの品種が両方入っている産地です。

  • 千葉のJA長生は抑制の産地で、サカタの「カレン」とタキイの「桃太郎グランデ」を使っています。

  • 近年は、9〜10月、場合によっては11月上旬まで、トマトは高値傾向です。主な理由は、1つは面積の減少。北海道も東北も高齢化が進み、設備投資のためのお金もかかるので、新規の生産者がなかなか増えません。大玉トマトに関しては年々減少している状況です。もう1点、猛暑の影響で9〜10月の入荷量が少ないことも大きな原因だと思われます。

  • 去年、北海道や東北産地はお盆明けまで暑い日が続き、前進傾向でした。今年は、比較的、秋めいており、去年よりは着果しています。去年のような少なさにはならないと思われます。

  • 現状、抑制トマトがまとまってきており、10月中旬にかけて、冬春と長期間の出荷になる愛知県、栃木県、熊本県が入荷してきます。愛知県は、暑さの影響で去年並みの出荷になる、と聞いています。熊本県は少し面積が減っていますが、これまでの「カレン」から品種を変えて、早生品種の「プリマドンナ」を入れており、去年よりは出荷があるという見込みになっています。栃木県は、10月中旬ぐらいから入ってきますが、本格的にまとまってくるのは11月上旬〜12月になると思います。

  • 今日は、大玉トマトのほか、「アメーラ」、「北の極み」といったフルーツトマトと、調理用のトマト「シシリアンルージュ」、北海道の二木町のミニトマトも用意しました。(八百屋塾スタッフより)
◇「トマト」の写真
南郷トマト
(福島)
桃太郎
(北海道・びらとり)
れおん
(北海道
トマト
(青森)
トマト
(群馬)
トマト
(岐阜)
りんか
(熊本)
桃太郎
(千葉)
アメーラ
(静岡)
北の極
(北海道
シシリアンルージュ
(群馬)
もてもて
(北海道
 

【八百屋塾2024 第6回】 挨拶講演「南郷トマトについて〜100年産地を目指して〜」勉強品目「トマト」食べくらべ