■2024年10月20日

第7回 じゃがいも

八百屋塾2024、第7回目のテーマは「じゃがいも」でした。

じゃがいもの展示
日本古来の伝統種じゃがいもの展示
トマトの展示
 
■八百屋塾実行委員長 柴田健太郎

 本日のテーマは「じゃがいも」です。現在、北海道産が出回っており、さまざまな品種を取り扱っていると思います。

 八百屋塾では、数年前にも、今日ご講演いただく一般財団法人いも類振興会の理事長、矢野哲男さんのお話をうかがいました。正直、それまでは品種によるじゃがいもの違いがはっきりとはわかっていませんでしたが、そのときの食べくらべで、私は改めて、「男爵」のおいしさに気付きました。小売りはやはり「男爵」をメインで売っています。納めに関しては、そのときに納めに向いていると思ったじゃがいもを納品していますが、自分があまりおいしくないと思ったじゃがいもは売らないようにしています。

八百屋塾実行委員長 柴田健太郎

 春先になると新じゃが、「にしゆたか」などが主流となり、煮崩れはしないじゃがいもが多いですが、水分量が多いですよね。その後に出てくる三方ヶ原の馬鈴薯は、誰に聞いても「おいしい」との評価をいただきます。これはやはり「男爵」だからおいしいのではないか、と思うんです。

 本日、この後、矢野さんや東京青果さんから、その「男爵」の生産が厳しくなっている、というお話が出ると思います。なので、食べくらべでは、「男爵」以外の品種がどのような味なのか、「男爵」の代わりになるのかどうか、みなさまの舌で確かめていただければと思っています。あの頃の野菜はおいしかったとか、今の野菜はおいしくないというだけではなくて、新しいものも受け入れて理解し、消費者のニーズに合わせていく。それも大事ではないかと考えます。

 あと、今月は、またトマトの食べくらべをします。冬春トマト、熊本と栃木をご用意しましたので、実際に食べて、自分の店で売っているものと比較し、商売に役立てていただければ幸いです。

 最後に、本日をもって、リモートの八百屋塾を終了とさせていただきます。コロナ禍から多くの方にご利用いただきましたが、今後はぜひ会場にお越しいただき、食べくらべにもご参加ください。

 
■荏原支所 坂本義明支所長

 荏原支所の坂本です。ここでご挨拶をするのは3回目、多少は顔を覚えていただけたでしょうか。私は3年前に荏原支所の支所長になりました。荏原支所には120人の組合員がいますが、私より年下は14人だけです。10年経つと60人になってしまうかもしれず、組合としてやっていけなくなります。ただ、現在、売り上げは300億あり、大田市場でもトップを走っています。

 今日は、八百屋さんが増えてほしいと思い、情報誌を持ってきました。フリーペーパーで、私たち荏原支所の仲間や、江戸川区の農家さん、日本一の仲買さんなどを紹介しています。一般の方々に、市場のこと、八百屋さんのことを知ってほしいと思い、イベントなどで配布しています。

荏原支所 坂本義明支所長

 この業界、八百屋さんも農家さんも減っています。仲卸さんや大田市場は、次の人がいません。だからこそ、これからのみなさんに、ちゃんと儲ける機会があることを伝えたい。八百屋塾に参加されている八百屋さんの中にも、ここでしっかり勉強をして販売の技術を身につけ、儲かっている方はいますよね。1棟マンションを持って、アプリを使って外国人向けの民泊をして、野菜の納めをやっているご夫婦もいます。東京だったら、そういう商売もできるわけです。このフリーペーパーを参考に、いろいろと商売のやり方を考えてみてはいかがでしょうか。

 

2024年度 第8回八百屋塾
「北総の小江戸を巡る、
さつまいも掘り体験付き産地視察」
2024年11月17日(日) ※雨天決行
視察場所:千葉県香取市周辺


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