■2020年2月16日 第11回 モヤシ・キンカン 〜 食べくらべ

◇「モヤシ」「マイクロハーブ」「キンカン」の食べくらべと試食

  • モヤシは、緑豆モヤシ(成田食品)、黒豆モヤシ(成田食品)、小大豆モヤシ(成田食品)、小野川モヤシ(山形県)、大鰐温泉モヤシ(青森県)をゆでで食べくらべた。

  • 料理は、豆苗おにぎりとモヤシを加えたかさましハンバーグを試食。

  • 村上農園のマイクロハーブは、ロックチャイブ、しそパープル、四川花椒菜、ハニーステビア、オイスターリーフを生で試食。

  • キンカン4種類、「たまたま」(宮崎県)、「コンターレ」(静岡県清水)、「春姫」(鹿児島県)、「夢小町」(熊本県)も食べくらべた。

モヤシの食べくらべ
マイクロハーブの食べくらべ
キンカンの食べくらべ
豆苗入りおにぎり
かさましハンバーグ
     
 
◇調理について
[石井玲子氏より]
  • 豆苗おにぎりは、村上農園さんの「豆苗のレシピ」という本から選んだものです。豆苗は炒めものが主流ですが、今日は生のまま短く刻んで、揚げ玉を加え、塩で味つけました。揚げ玉を加えると、豆苗の味が引き立っておいしいおにぎりになります。

  • モヤシは家計にやさしいお野菜のひとつなので、かさましハンバーグにしました。肉100グラムに対してモヤシ80グラム。育ち盛りのお子さんがいる家庭や、ダイエット中の方にもおすすめです。たれはおろしポン酢にしましたが、焼き肉のたれなどお好みでどうぞ。一般的なハンバーグの作り方に短く切ったモヤシを混ぜるだけです。
石井玲子氏
 
◇食べくらべの感想
  • モヤシの食べくらべ5種類は、みずみずしさが感じられた緑豆モヤシ、豆っぽさが感じられたのは黒豆モヤシ。シャキシャキ感があったのは緑豆、強めの食感が黒豆、さらに強いのが大豆モヤシだと感じた。小野川モヤシと大鰐温泉モヤシは形状は似ているが、製法が違うのか、香りと味が違った。小野川モヤシはえぐみと苦みが強く、やや筋っぽかった。大鰐温泉モヤシは香りが強すぎず筋っぽさもなくて食べやすかった。

  • モヤシ5種類は、黒豆モヤシが非常に甘みを感じていろいろな料理に合いそう。小野川モヤシは、くせがなく、サッと炒めて塩コショウで食べたいと思った。ハーブは、四川花椒菜が非常にしびれた。ハニーステビアはびっくりするほど甘かった。

  • 初めて参加し、いろいろな話を聞けて勉強になった。モヤシの食べくらべは、緑豆モヤシや黒豆モヤシはみずみずしくシャキシャキしているので食べやすく、ほかの食材にも合うと思った。大豆モヤシ、小野川モヤシ、大鰐温泉モヤシは豆本来の味と香りが感じられてとてもよかった。ハーブのロックチャイブは、ネギの香りが感じられた。しそパープルは、少量でもしその香りがして、彩りもよくていい。オイスターリーフは本当に牡蠣が葉っぱになったようで、とても驚いた。今後、いろいろな料理に活用したい。
  • 大豆モヤシ、小野川モヤシ、大鰐温泉モヤシ、3つの豆がついているモヤシはエダマメのような風味もあっておいしかった。緑豆モヤシはシャキシャキと歯ごたえがよかった。マイクロハーブは、ロックチャイブがちょっとだけでニンニクのような香りがしてハーブとして使えると思った。しそパープルはしその香りがすごく強かった。四川花椒菜はあとから辛みがやってきたが、自分にはそれほど辛くはなかった。ハニーステビアは甘くてフルーツのようで、とてもいい。オイスターリーフは、牡蠣を食べたことがないのでよくわからなかったが、えぐみなどもなく食べやすかった。

  • ハーブ類を食べて、すごい、と思った。ただただ感心。これらを使いこなす技術やアイデアを身につけなければいけない、と感じた。

  • 豆がついているモヤシは大豆の風味がしっかりして、ふつうのモヤシは水分が多くふだん食べている味。黒豆モヤシはふつうのモヤシより水分が少なく、シャキシャキとして歯ごたえがよかった。マイクロハーブは、芽の段階なのにそれぞれ風味がしっかりしていて、料理のアクセントになる。調理の仕事をしているので生かしてみたい。

  • 小野川モヤシ、大鰐温泉モヤシは初めて食べた。見た目もふつうのモヤシとは全然違うので興味があった。大鰐温泉モヤシには特に豆のふくよかな香りがあり、味もまろやかで、くさみなどもなくとても食べやすかったので、今後みかけたら買ってみたい。ハーブは、四川花椒菜が舌のしびれがあって好きな刺激だった。

  • モヤシの食べくらべは初めて。小野川モヤシ、大鰐温泉モヤシも初めて食べたので面白かった。私は「豆どん」が好きな味だった。マイクロハーブに関して、いろいろな意見が聞けて良かった。5種類食べくらべたが、全部で15品目あり、ほかのものもお持ちしたので、食べたい方はのちほど味見していただきたい。(村上農園 福島さん)

  • 会社にお客さまがいらっしゃると、モヤシの食べくらべをしていただくので、じつは、私は利きモヤシができる。大豆モヤシは食感が命。豆が取れることを「脱豆」というが、調理しても豆が取れないように作るには技術が必要。今後、そのような視点からも見ていただきたい。ハーブのハニーステビアは、モヒートに使うと売れるのではないか。(成田食品 佐藤さん)

  • キンカンの「たまたま」は食べ応えがあった。水分が少なかったのが残念。「コンターレ」も同様に水分が少なく、やや味がぼけているような印象だった。「春姫」は水分が多く、酸味もあったが、味がしっかりしていておいしかった。「夢小町」は初めて食べたが、「春姫」以上に酸味も甘みもあり、4種類の中では一番好き。

  • 「たまたま」は、ミカンのような柑橘系の酸味と、バランスの良さが感じられた。「コンターレ」は甘さが引き立っていて、酸味が苦手な方にはいいと思う。「春姫」は、コクがあった。酸が強いが、個人的には好き。

  • キンカンブームを作った「たまたま」は、一般に受けそうな食べやすい品種だと思った。「コンターレ」は甘すぎるかも。自分は酸味もあるほうが好きなので、4つの中では「夢小町」が酸味と甘みが強く、味が濃くておいしかった。

  • 甘いほうが好きなので、「たまたま」と「コンターレ」がおいしかった。「春姫」は酸味が強く、まるごと食べるとビックリする。「夢小町」は酸味も甘みもありおいしかった。

  • 「たまたま」は甘みも酸味も適度で、バランスがよく食べやすかった。「コンターレ」は非常に甘くて、従来のキンカンとは違う。「春姫」、「夢小町」は甘みも酸味も強くインパクトがあった。この2つも少し置くと酸味が抜けるのではないか。食べる時期によって味も違うのではないか、と思った。

  • キンカンは好みの順に、1位「春姫」、2位「夢小町」、3位「たまたま」。「コンターレ」はキンカンといわず、新品種のような形で売り出したほうがいいのではないか。

  • 「たまたま」はいつも食べ慣れている味。「コンターレ」、「春姫」、「夢小町」は初めて食べた。「コンターレ」は見た目の肌の感じや皮の食感が今までのキンカンとは違った。ふつうのキンカンにはないマイルドな味で、不思議な感覚だった。ただ、酸味がないのはさみしい。「春姫」、「夢小町」はしっかり酸味があり、それなりにおいしかった。

  • キンカンは酸味があるほうがいい。「春姫」、「夢小町」がよかったが、「コンターレ」も甘くておいしかった。ふだんあまりキンカンを食べないので、タネが多く可食部が少ない印象だったが、今回、実の部分もしっかりあって、食べ応えがあった。

  • 昔、市場で働いていた時によくキンカンを食べたが、今のキンカンは昔と味が全然違う。用途に合わせて使い分ける提案をするといいのではないか。個人的には「夢小町」が好き。

  • 試食していただいた葉っぱの炒めものは、イタリアの菜花「チーマ・ディ・ラーパ」。先日、練馬区の農家さんを訪ねた時に、イタリア野菜をいろいろ作っていると聞いて、「チーマ・ディ・ラーパ」と「フェンネル」をお持ちしました。「フェンネル」のカブのほうはスープやサラダなどに、葉っぱはつまんでメイン料理の付け合わせやサラダのアクセントとして、ハーブのような感じで使えます。(果菜里屋 高橋芳江さん)