■2019年7月21日 第4回 ナス・マンゴー 〜 食べくらべ |
◇「ナス」「マンゴー」の食べくらべと試食
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- 今月から3ヶ月連続で、「千両ナス」の食べくらべを実施。今回は栃木県産の「千両ナス」を基本に、同じ調理法の別のナスとの食べくらべを行った。
A:炒め 千両ナス(栃木)、寺島ナス(東京)、築陽ナス(茨城)
B:煮もの 千両ナス(栃木)、賀茂ナス(京都)
C:レンジ 千両ナス(栃木)、佐土原ナス(宮崎)
D:生 千両ナス(栃木)、梨ナス(新潟)
- 「巾着ナス」(新潟)の蒸したものも試食した。
- マンゴーは、メキシコのアップルマンゴー、宮古島のアップルマンゴー、タイのマハチャノ種を食べくらべた。
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ナスの食べくらべ A:炒め
千両ナス、寺島ナス、築陽ナス
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ナスの食べくらべ
C:レンジ 千両ナス、佐土原ナス
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マンゴーの食べくらべ
左から、輸入アップル、国産アップル、
マハチャノ
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◇調理について |
[タナカトウコ氏、石井玲子氏より] |
- ナスの「A:炒め」は、塩炒めです。シンプルに油で焼いたものに塩を振りました。
- 煮ものは田舎煮。分量は、ナス1袋分、5〜6本に対して、鷹の爪1本、水1カップ、砂糖大さじ1杯半、しょうゆ大さじ3。ナスの皮に切り込みを入れて縦半分にカット。鍋に油を熱し、ナスを皮目から入れてサッと炒めたら、鷹の爪、水、砂糖を加え、強めの中火で5分ほど煮て、しょうゆを加え、煮汁が1/3くらいになるまで煮込みます。
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- 「C:レンジ」は、縦切りにしたナスを電子レンジで蒸して、しょうがじょうゆを添えてあります。加熱時間はナスによって違い、やわらかくなるまで加熱しました。
- 「D:生」は、塩水にさらして水けをきったものです。
- 蒸した巾着ナスは、高橋芳江さんが作って持ってきてくださったものです。
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◇食べくらべの感想 |
- タキイ種苗の潮田です。「千両ナス」の塩炒めは、なめらかで皮がやわらかく、さすがわが社のナスだと思いました(笑)。「寺島ナス」は少し皮がかたかった。煮ものはとてもおいしかったです。全体的には、「千両ナス」ならではの肉質、「賀茂ナス」のしっかりした肉質、「十全ナス」は漬けものに向いていそうな肉質だな、という肉質の違いがよくわかり、とても勉強になりました。
- 藤岡食品に勤めています。Aの「千両ナス」は肉質がやわらかく、食べやすかったです。子供でも食べられそうです。「寺島ナス」は、「千両ナス」と比べると若干肉質がしまっている気がしました。「筑陽ナス」も食べやすかった。煮ものは「千両ナス」も「賀茂ナス」も、味つけがしっかりしていておいしかった。食感は両方ともやわらかくて、とても食べやすかったです
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- ナスが好きではないので、今回からの食べくらべが少しブルーです。Aの塩炒め、「千両ナス」はクセがなくやわらかくて食べやすかったです。「寺島ナス」はやや酸味があるような気がして、「筑陽ナス」は皮がかみ切りにくく、だんだんナスらしく苦手な感じになってきました。生のまま食べる「梨ナス」は、水分が多く、梨のような甘さとフルーティーな香りが感じられて、普通のナスよりは食べやすかった。蒸した「巾着ナス」は食感が残っていて、一口でダメでした。煮ものは味が濃いめで食べやすかったです。
- 八百屋塾初参加です。ナスが大好きなので、どれもおいしかったのですが、特に「千両ナス」の塩炒めがおいしかった。「寺島ナス」は少し皮がかたかったです。煮ものは味つけがいいのでどちらもおいしかったのですが、「賀茂ナス」は果肉と皮が少しかたかった気がします。レンジ蒸しと生も、私にはややかたかった。調理の仕方でいろいろ変わるものだな、と思いました。「巾着ナス」は見た目がとてもかたそうだったのですが、食べるとすごくやわらかくて、とてもおいしくいただきました
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- 新潟の十日町で八百屋をしています。ナス王国、新潟県ですが、十日町では小さい水ナスを漬けて食べる文化だけで、小さい頃は、大長ナスを見たこともなかった。「梨ナス」は生がいちばんおいしいです。ナスのレンジ調理は色がよくないので、子どもが嫌うのかもしれません。うちの子はナスとみょうがの味噌汁も苦手。揚げると食べます。
- ナスの食べくらべ、私は全部おいしかった。特に、油とよく合うことを強く感じました。ただ、油をあまり摂らないように、と診断されている人も多いと思うので、いろいろな食べ方を提案していきたいです。生の水ナスを食べたのは初めてでした。食べくらべると、それぞれのナスに合う料理がわかるので、もっと感性を磨きたいと思いました
- 「千両ナス」はどんな調理法でもおいしいと思いました。関東なので、一番よく食べているからかもしれません。特に油と相性がいいですね。「寺島ナス」の炒めは色が悪く、「筑陽ナス」はかたかったです。煮ものはどちらもおいしかったのですが、「千両ナス」はしっかり味が染みていました。「賀茂ナス」は煮崩れしないのでお料理屋さんで提供するのはいいかもしれませんが、煮方を上手にしないと中まで味がしみにくいのかな、と思いました。レンジナスは、切ってから時間が経っていたせいかアクを感じました。どちらも皮がかたかったので、もう少し加熱したほうがよかったかもしれません。「佐土原ナス」の色が悪かったのが残念です。時間をかけて蒸すと褪色しますが、レンジ加熱は短時間なので、すぐに冷ませば紫の色がきれいに出るはずです。
- レンジ加熱について、本来はぴっちりとラップに包んで加熱し、すぐに冷ませばいいのですが、会場の家庭用電子レンジで、これだけの人数分を用意するため、カットして耐熱皿に並べ、ふんわりラップをして加熱しました。電子レンジの力が弱く、時間がかかってしまいました。加熱後はトレイに広げて冷ましました。調理機器の関係で色よく仕上がらなかったことをご理解ください。(タナカトウコ氏)
- 「寺島ナス」は固定種で、色がぼけやすいのと、果肉がしっかりしていて皮がかたいのは品種の特性です。「佐土原ナス」は、本来はトロッととろけるような食感のおいしいナスです。この時期、ベストな状態ではなかったのかもしれません。今日の「緑ナス」はF1種です。埼玉の「青ナス」という巾着型のナスがとてもおいしいです。静岡の「折戸ナス」は、徳川家康の大好物だったとされるものです。(高橋芳江氏)
- 八百屋の飯島です。メキシコのアップルマンゴーは甘くてやわらかく、香りも華やか。国産に比べると、濃厚で口に残る甘さでした。香りは国産のほうが爽やかで気持ちがいい感じ。タイのマンゴーは大味でかたく、香りもそれほどしないという印象でした。
- マンゴーを食べる機会はあまり多くなく、食べくらべは今日が初めてです。宮古島のマンゴーは一番バランスがよく、日本人好みの味。輸入もののマンゴーは外国っぽいというか、日本の果物にはない独特の香りがするので、好まない人もいるのではないでしょうか。タイのマンゴーは酸味が強く、甘みが少なかった。食べるタイミングもあるのかもしれませんが、ちょっと残念でした。
- メキシコのアップルマンゴーは濃厚で食感もまとわりつくような「これぞマンゴー」という感じ。たくさん食べるのではなければメキシコのマンゴーがいいです。タイのマンゴーは甘みより酸味が先に来て、スパイシーというか、なんともいえない独特な香りなので抵抗がある人も多いかもしれません。マンゴーらしいのはアップルマンゴー、少量食べるなら輸入のマンゴーがいい、と思いました。
- 宮古島のアップルマンゴーは別格というか、これがおいしいと思うのは自然ですよね。ただ、メキシコのアップルマンゴーも甘さという点では目隠しして食べたらわからないかもしれません。タイのマハチャノ種はすっぱかった。食感もかたく、単純に甘さや食感では比較できなくて、もともとこういうものだと思えばいろいろ使えると思います。コストパフォーマンスと用途で使い分けるといいのではないかと思いました。
- マンゴーがあまり好きではありません。メキシコのアップルマンゴーはシュガー感というか、砂糖をかけたような甘みがあり、スイーツのようでした。宮古島も甘みは抜群で、とろけるような食感がよかったです。タイのマンゴーは歯ごたえがあって、切りやすそうだな、と思いました。香りが柑橘っぽく感じたので、デザートなどに加工するにはいいのかもしれません。フィリピンのペリカンマンゴーは少し青臭さがありましたが、食感はそのままでプリンのような感じがして、これも加工するといいと思いました。
- アップルマンゴーは、メキシコと宮古島で見た目はあまりかわらないのに、口に入れたときのなめらかさが違うことに驚きました。国産は日本人好みに仕上がっている、と感じました。
- 個人的には、アップルマンゴーは輸入ものが好みですが、お客さまにおすすめするときにはマイルドな甘みやねっとりした舌触りの国産のほうがいいのかな、と思いました。
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