Q:ナスの最適な保存方法を教えてください。
A:暑すぎず寒すぎず、日の当たらない冷暗所がベスト。風通しがいいと乾いてしまいます。新聞紙などに包み、乾かさないように。冷蔵庫に入れるとタネが黒くなります。
Q:F1品種の海外での採種率は? どこでタネ採りをしていますか?
A:弊社は、原産地に一番近いところで採種するというポリシーがあります。採種率は海外のほうが多いと思います。原産地が海外の野菜、乾燥を好む野菜は多く、途中で雨が降るとタネが腐ってしまうこともあります。果菜類は暖かいところ、など世界各地の拠点で採種しています。現地の採種会社と契約を結び、日本から生産チームが現地に赴いて、確認しながら採種を進めます。育種は日本で行い、タネの増産は海外で採種し、日本で商品化する、という流れです。
Q:海外での採種は、タネが盗まれてしまう心配はないのでしょうか?
A:非常にむずかしい問題です。基本、採種は国内でも海外でも種子を抜き取らない、残さないという契約を結んでいます。今はDNAレベルで親がわかりますし、作物にも親の特性が出るので、育種した人はすぐわかります。もし違反があれば、生産地との信頼関係はなくなり、二度と生産できません。もともと種苗会社は、信頼を売っているともいえます。タネを見ても何の野菜かわからず、播いて成長して初めてわかる。このタネを播けばちゃんと発芽してキャベツになる、と信頼して、ご購入いただいているわけです。そういう業界なので、海外でもいろいろと対処しながら採種しています。
Q:白や緑など、西洋系のナスが最近よく出回っている気がしますが…。
A:グルメブームのひとつに西洋野菜ブームもあって、調理にバラエティをプラスするために海外のナスが作られるようになったのではないでしょうか。
Q:トゲなしナスは、八百屋や農家さんにはありがたいですが、ナスにとってよくないことは起こらないのでしょうか? 品種改良はどのように行われるのですか?
A:植物に無駄なところはひとつもなくトゲがあるのは外敵から身を守るためです。外敵を人間が排除すればトゲがなくてもいい、ということです。育種は、畑を日々観察しトゲの少ないものを見つけ、掛け合わせていった結果です。単為結果も同じで、あるときハウスで受粉していないのに実をつけているものを発見し、それをベースに何回も掛けていきました。今年弊社が新発売したカブは、葉が水菜です。それもカブと水菜を掛け合わせて、根が太って葉が水菜のものを10年かけて選びました。
Q:新潟の「梨ナス」は正式な名前なのでしょうか?
A:長岡野菜加工研究会は、肉質が梨のようだから「梨ナス」と説明しています。「黒十全」に手を加えたもので、品種名ではないと思います。在来種は、似たタイプでも、地域によって呼び名が違うことがあります。商標登録を取っているとしたら、販売するときは注意したほうがいいでしょう。
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