Q:インゲンとササゲは植物的にはどう違うのですか?
A:植物学的には大きな違いはありません。原産地が違うことから、分類上は別とされており、資材、使用できる農薬など、ルールには気をつける必要があります。
Q:エダマメのタネがほしいという海外からの要望を断る理由は何ですか?
A:日本の野菜品種は食味がよく、機能性にすぐれ、揃いがいいなど、レベルが高い上に、日本食ブームもあって、現地で作りたいというリクエストは多く、実際に栽培しているエリアもありますが、豆は現地で栽培し、増やすことができます。タネは初年度しか売れないとか、そこで増やして日本に輸出するようなことになったら困ります。韓国のイチゴや中国のシャインマスカットのように、品種登録されているものの持ち出しに、国も神経をとがらせており、豆は今のところはお断りしています。F1のタネは世界中に売っていますが、親の持ち出しや管理には細心の注意を払っています。
Q:うちの店では在来のダイズを扱っています。これを買って持ち帰られると、栽培される可能性はありますよね? 防ぐ方法はないのでしょうか?
A:海外からの観光客の方が増え、よくアジアの方から、日本の野菜のタネを求められます。アジアにある私どもの子会社や代理店で買ってほしいとお答えしますが、個人で持って帰られたら、打つ手はありません。ただ、タネ採りは経験者でないとむずかしいので、個人が家庭菜園で作る程度なら、それほど問題にはならないと思います。
Q:「砂糖ざや」も未成熟なら莢ごと食べられますか?
A:可能だと思いますが、豆類は加熱が不十分だと消化が悪いので、しっかり火を通してください。毒素は若莢のときにはまだ蓄積されておらず、リスクはないと思います。
Q:お店で砂糖ざやをグリーンピースと間違えられたり、「ずいぶんかたいキヌサヤね」と言われたり、ソラマメの皮を「これは包丁で剥くの?」と聞かれたり…。昔はあたりまえに出ていたものが、近ごろはあまり売れなくなっている気がするのですが…。
A:「砂糖ざや」というくくりの中にいくつかローカルな品種があり、タネを残すことがむずかしいものがあります。ある程度上の年代の方は豆の筋を取った経験があると思いますが、今はできるだけ調理が簡単な方向に品種改良が進められており、筋がないタイプが増えています。絶対量が減っていること、出回る時期が短いことなども原因でしょう。
Q:砂糖ざやはスナップにとって変わられたのでしょうか?
A:今メジャーなのは、仁村さんという方が育種したスナップです。元は普通の実採りエンドウで、その中から莢がやわらかく、よく太るものを選んでいきました。ピックアップを繰り返して純度を高めていくという育種です。
Q:ブルームって何ですか?
A:今日並んでいるスナップにはブルームがついているものがあります。ブルームは、植物体の表面につく白い粉のようなもので、カビや腐る原因になる水分をはじくために植物が自ら作り出すものです。手で触るとあとがつき、産地は手間かがかかります。そこで、ブルームがなくつやつやと光沢のあるスナップも開発されています。30〜40年前、キュウリはブルームのあるものだけだったのですが、今はブルームレスに品種改良されています。そのせいで味が変わった、という人もいます。
Q:スナップだけいろいろな名前で出ている気がするのですが…?
A:品種名の場合もあれば、商品名として産地が独自の名前をつけて売っているケースもあり、それで複雑になっているのだと思います。
Q:茶豆というのは、ダイズになったときに茶色くなるものをいうのですか?
A:うぶ毛や薄皮などが薄茶色い品種で、昔から東北で作られています。下処理でしっかり塩をまぶしてうぶ毛をとってから、ゆでます。味がいいので近ごろ人気です。
Q:もやしに「緑豆」とか「ブラックマッペ」と書いてありますが、その違いは?
A:豆(タネ)の品種が違います。
Q:豆は自家受粉するのですよね?
A:豆はめしべとおしべが露出しておらず、自分の花粉で実をつけます。もともとタネを維持しやすい性質があり、昔から自然に優秀な品種が残ってきました。
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