■2019年10月20日 第7回 キノコ類・リンゴ 〜 食べくらべ

◇「キノコ類」「リンゴ」の食べくらべと試食

  • キノコは、秋田県産の原木と菌床の生シイタケ、東京都檜原村と新潟県のマイタケを少量の油で焼いたものを食べくらべた。

  • 料理はマツタケごはん、生キクラゲの卵とじ、国産フクロタケのスープを試食。

  • リンゴは、「なかの真紅」、「すわっこ」、「シナノスイート」、「秋映」を生で。「サワールージュ」、「紅玉」は煮リンゴで食べくらべた。

シイタケの食べくらべ
マイタケの食べくらべ
 
マツタケごはん
生キクラゲの卵とじ
国産フクロタケのスープ
リンゴの食べくらべ(生)
煮リンゴの食べくらべ
(サワールージュ)
煮リンゴの食べくらべ
(紅玉)
 
◇調理について
[石井玲子氏より]
  • マツタケごはんには、カナダ産のマツタケを使いました。下処理は、下のかたい部分をそぎ落とし、塗れたキッチンペーパーで軽く汚れを落としただけです。水で洗うと香りが落ちてしまうので、汚れの状態を見て判断してください。お米2合に対して、乾燥の出汁昆布を1枚、酒、しょうゆが大さじ1ずつ。薄くスライスしたマツタケを加え、炊飯器で炊きました。炊きあがりに蓋を開けると、いい香りがしました。
石井玲子氏
  • 生キクラゲの卵とじは、顆粒のかつおだしとしょうゆでベースを作り、生キクラゲを炒めてから長ねぎといっしょに卵でとじました。コリコリとした食感を楽しんでいただけるように大きめのカットにしました。

  • 国産フクロタケのスープは、冷凍を使用したので、繊維がほぐれたような食感になっています。フクロタケをカットしてお湯で煮込み、出汁をしっかりと出して、調味料を足していく感覚で、鶏がらスープ、しょうゆ、塩、こしょうを加えました。

  • 調理の仕方がわからない、とキノコ離れもすすんでいるようですが、キノコには生活習慣病に必要な食物繊維が多く含まれています。食物繊維はお腹の中で膨れますし、キノコはカロリーが少なく、ダイエットにもおすすめです。葉酸も含まれているので、若い女性や妊婦さんにも食べていただきたい食材です。

  • 煮リンゴはレンジで加熱しました。「紅玉」は1玉250グラムあったので、砂糖はその15パーセント、35グラムくらい。「サワールージュ」は1玉300グラムだったので、砂糖は45グラムです。水と一緒に600Wの電子レンジで5分加熱しました。加熱ムラができないように、途中で開けて混ぜます。レンジ加熱のメリットは焦げにくいことです。酸味が強かったり、食べてみて味が今ひとつでしたら、加熱するといいと思います。
 
◇食べくらべの感想
  • 原木と菌床のシイタケは、原木のほうが香りはよかったと思います。味の違いはよく分かりませんでした。マイタケもそれほど大きな違いは感じられませんでした。

  • シイタケが苦手なので、後味が残らない菌床シイタケのほうが食べやすかったです。マイタケは新潟のほうが歯ごたえがありました。味の違いはよくわかりませんでした。

  • 原木、菌床シイタケは、差があまりわからなかったのですが、原木のほうが歯ごたえと水分がありました。

  • もともとシイタケが苦手なので、だからこそ原木は後味が出てくるのがわかるのかもしれません。味に深みがあるのは原木だと思いました。マイタケは焼き色がついた部分が似ていて、味の違いがわかりにくかったです。

  • 原木シイタケのほうが味が濃くてやわらかく、好みでした。一般的に食べやすいのは菌床かもしれません。マイタケは差があまりわからなかったのですが、どちらもシャキシャキとした食感はありました。

  • うまみ成分や香りを感じたのは原木シイタケのほうで、口の中に入れたときに食感を感じたのは食べ慣れている菌床でした。マイタケは檜原村のもののほうが、若干香りがあったかもしれません。

  • 原木シイタケは食感がやわらかく、酸味を感じました。菌床のほうが甘みを感じ、弾力がありました。マイタケは、檜原村のほうは後から味が染みて来るような感じで食感はやわらかく、新潟のほうは最後まで同じ味で、食感はかたかったです。

  • シイタケは、総合的には、菌床のほうが香りと食感のバランスがとれていて、万人受けすると思います。原木は水分が多く若干やわらかい、味としては原木のほうが濃い。マイタケは檜原村のほうが、味が濃く野生のマイタケに近い味わいでした。新潟は歯ごたえという点で非常にすぐれており、両方うまくミックスさせると極めて野生に近いおいしいマイタケになるのではないか、と思いました。

  • 「なかの真紅」は切ったときの見た目がほかと違い、食感はややかためでした。「すわっこ」は見た目に蜜がすごくて期待しましたが、食べたらそうでもなく、食感はやわらかい感じがしました。「シナノスイート」は甘みが強かった。「秋映」は今まで自分が食べてきたものより酸味が強い気がしました。「サワールージュ」はすっぱいという印象で、「紅玉」は甘みが強かったです。自分が一番好きなのは「シナノスイート」でした。

  • 「なかの真紅」は果汁が多いところに特徴を感じました。「すわっこ」はお花のようなフワッとした香りがありました。「シナノスイート」は総合点が高いというか、マイルドで食べやすく、子供にも食べやすいのではないか、と思いました。「秋映」は酸味があるけれど味に幅があり、食べ応えがありました。「サワールージュ」はまずすっぱいと感じ、「紅玉」はさすがに一口食べておいしい、と感じました。

  • 「すわっこ」は香りと甘み、歯ごたえが、個人的に一番好みでした。「なかの真紅」はすっぱいのかと思ったらけっこう甘くて、色もきれいなので、人気が出るような気がします。「サワールージュ」は想像以上にやわらかく甘みもありました。「紅玉」のほうが飽きはきませんが、1つであれば「サワールージュ」がおいしい、と思いました。

  • 「なかの真紅」は切ったときの色がすごいきれいでしたが、食べてみると「うーん」という感じで、個人的には「すわっこ」が好みの味でした。煮リンゴは「サワールージュ」がおいしかったです。

  • 「なかの真紅」は色味のインパクトはありますが、味に関しては、ほかのリンゴのほうが特徴がある気がしました。万人受けするのは、酸味と十分な甘みのある「シナノスイート」だと思います。

  • 「なかの真紅」は酸味が強く香りが弱い。シャキシャキした中にややフワフワとした食感がありました。「すわっこ」は初めて食べました。酸味と甘みのバランスがよく、シャキッとした中に皮のパリッとした食感もあり、おいしかった。たっぷりの蜜が印象的でした。「シナノスイート」は酸味と甘みのバランスがよく、皮が薄いのでパリパリの食感が楽しめました。今回の「秋映」は酸味が強かったです。ほかのリンゴに比べると皮が厚めで、フワフワした食感でした。「サワールージュ」は酸味を強く感じました。「紅玉」は加熱後も皮がきれいに発色していたので加工品に向く、と思いました。

  • 「なかの真紅」は色の印象が強かったです。赤い果肉は、インパクトがあっていいと思います。味は酸味が強いと思いました。「すわっこ」は普通というか、全体的なバランスがよくて食べやすかったです。「シナノスイート」は、食べ慣れているからか、これがリンゴかな、というような味で、甘みが強くてとても食べやすかったです。「秋映」は皮がしっかりしていて食べ応えがありました。甘みと酸味のバランスが取れている、と思いました。「サワールージュ」は酸味を一番感じました。「紅玉」は舌触りがなめらかで、アップルパイを食べているような食感と味でした。