■2019年4月21日 第1回 開講式 〜 食べくらべ

◇「キャベツ」「ニンジン」「タマネギ」「山菜」などの食べくらべと試食

  • キャベツは、冬系と春キャベツの2種を生で食べくらべた。外側と内側の葉を両方用意し、味や食感の違いを確認した。なお、キャベツは今回を含め3ヶ月かけて時期による味の違いを体験してもらう予定。

  • ニンジンは、千葉県のひね、徳島の新ニンジン、新潟津南町の雪下ニンジンは「はまべに」と「ひとみ」を食べくらべた。

  • タマネギは、淡路の「貝塚早生」と「レクスター」、北海道北見のひねタマネギを食べくらべた。1/8のくし形切りを熱湯で2分ゆでたもの。

  • 料理は、あまどころのパスタ、キャベツとかたくりの花のおひたし、タマネギの照り焼きを試食。

キャベツの食べくらべ
ニンジンの食べくらべ
タマネギの食べくらべ
かたくりの花とキャベツのおひたし
あまどころのパスタ
たまねぎの照り焼き
 
◇調理について
[石井玲子氏より]
  • 今日の料理は、あまどころのパスタ、キャベツとかたくりの花のおひたし、タマネギの照り焼きの3品を用意しました。

  • 香りが強く独特の味がする野菜はオリーブオイルとの相性がいいと思い、あまどころはパスタにしました。大人味のお酒がすすむパスタになっていると思います。

  • かたくりの花は、彩りを楽しんでいただきたくて、おひたしにしました。上からしょうゆをかけるのではなく、だしの味で野菜そのものを味わってみてください。
石井玲子氏
  • アブラナ科の野菜のおひたしには、かつお節もいいですが、ごまを合わせるのがおすすめです。今日はキャベツを使い、ごまも加えました。

  • タマネギの照り焼きは、北海道のひねを使いました。GW中のバーベキューにもおすすめです。今日はくし形にしましたが、輪切りでもいいでしょう。片栗粉をまぶして米油で焼きました。こうすると調味料がよく絡んでおいしく食べられます。味付けは、酒、みりん、しょうゆが同量。お子さんにはみりんを砂糖に変えてもいいと思います。
 
◇食べくらべ、料理、八百屋塾の感想
  • 冬系キャベツは味がしっかりしていて、噛めば噛むほど甘い印象でした。外葉はややかためでしたが、中は十分やわらかくて、生でもおいしく食べられました。春キャベツはいい意味でも悪い意味でもやわらかいという印象で、味は思ったより薄かったです。でも外葉もやわらかくて食べやすかった。どちらも、せん切りでもおいしく食べられるのではないかと思いました。

  • 生では春キャベツのほうが食べやすかったです。外葉は若干青臭かったので、中のほうがおいしいと思いました。冬系キャベツは噛み応えがあり、お好み焼きに使ったらおいしいだろうな、と思いました。

  • 冬系キャベツは食感がしっかりしていて、噛んでいるとだんだん味が濃くなるイメージで、個人的には冬系が好きでした。春キャベツはやわらかかったのですが、芯を食べたら辛かったような気がします。

  • 千代田区を歩いて調べるウェブメディア「Chee's(チーズ)」に参加しています。私は春キャベツが好きでした。何よりやわらかくて、おいしかったです。生で食べたいな、と思ったのは春キャベツでした。

  • 同じく「Chee's(チーズ)」から来ました。私は、冬系キャベツの香りがよくて好みでした。春キャベツは軽く食べられるので、あっさりと生でドレッシングなどで食べるのがいいのではないか、と思いました。

  • 飲食店で働いています。ふだんは、せん切りキャベツか、加熱して食べることが多いので、今日のような食べ方は久しぶりでした。どちらも香りがあって、食感がそれぞれ違いました。自分としては、生で食べるなら春キャベツがいいと思いました。

  • 冬系は若干かため、春キャベツはやわらかくてやや味が薄い感じがしました。この時期は春キャベツ、という思い込みがありましたが、実際に食べくらべてみると、せん切りで食べるなら冬系、ドレッシングなどで食べるなら春キャベツかな、と思いました。

  • 春キャベツは一口食べた瞬間はおいしく感じるのですが、後味がそれほど好きではない感じです。噛んでいくうちに後味がいいのは冬系のキャベツ。何度も食べたくなるのは冬系でした。春キャベツはこの時期だけ食べておけばいいかな、と思いました。

  • 食感としては、冬系キャベツのほうが食べ応えがありました。生だとシャキッとしていて、食べやすいのではないでしょうか。春キャベツはアクのような香りがあり、それが旬の特徴なのかなと思いました。個人的には、味は冬系のほうがおいしかったです。

  • 藤岡食品に勤めています。社長に言われて、野菜の勉強のために参加しました。ニンジンは千葉県産のひねが、甘すぎずとてもおいしかった。食感がしっとりとしてスイカっぽく感じました。新ニンジンの生も、甘さ控えめで食べやすかったです。食感はサクサク感がありました。雪下ニンジン「はまべに」は、とても甘かったです。食感はやわらかくて、生でもおいしく食べられました。「ひとみ」のほうも甘くて、食感は「はまべに」同様やわらかく、この2つを食べくらべても違いはそれほどわからず、どちらもおいしかったです。生で食べるなら雪下ニンジンがいい、と思いました。

  • 東京青果に勤めています。八百屋さんの紹介で参加しました。「貝塚早生」は甘くてクセがなく、あっさりしていて食べやすかったです。「レクスター」は甘みが強くてやわらかく、ゆでただけなのにとろとろしていておいしかったです。北海道は食感がシャキシャキしていて、甘みもあるのですが苦みもあって、タマネギらしい、と思いました。

  • 「貝塚早生」も甘みはありましたが、「レクスター」はもっと甘くておいしかった。北海道のタマネギはかたく感じました。

  • 今の時期取り扱っているニンジンはほぼ徳島なのですが、食べくらべてみて、意外と甘いことがわかりました。ほかのニンジンとは違う個性的な甘みに感じました。雪下は本当に甘いですね。最初の食感はボキッとした感じですが、食べているうちにやわらかくなっていく気がしました。ひねはかたかったですが、甘くておいしかったです。タマネギは、「貝塚早生」が一番タマネギっぽい味がしました。甘さと辛さが合わさっていて、シャキシャキ感もちょうどいい。北海道のタマネギは辛みがあり、ややかためでした。「レクスター」は甘くてやわらかく、おいしかったです。

  • 保育園で栄養士をしています。子供においしい野菜を伝えたいと思い、八百屋さんの紹介で参加しました。正直、違いがあまりわからなかったのですが、千葉のひねニンジンが一般的な味、雪下の「はまべに」が一番おいしかったです。タマネギは北海道がふつうに食べている味で、「レクスター」がサラダなどにするとおいしいのではないか、と感じました。

  • クセが苦手なので、新ニンジンは好みではありませんでした。雪下ニンジンはクセが少なく、甘みが後から出てくる感じがしました。食感はサクサクしているけれどやわらかく、サラダにもいいな、と思いました。

  • 昔、丸中青果にいました。今は八百屋さんで働いています。タマネギのひねはいつも食べなれている味だな、と感じました。もっと焼くと甘くなっておいしいだろうな、と思いました。「貝塚早生」は食べた瞬間からおいしい、と感じました。水分と甘みのバランスがよく、シャキシャキもあって、タマネギ臭もあるところがいい、と思いました。「レクスター」は甘くてトロッとしていて、やわらかいけれどシャキシャキ感も残る感じで、香りは華やかですがあまりえぐさはない気がしました。

  • 石井玲子さんと高校時代からの友人で、いつもは調理のお手伝いをしています。雪下ニンジンは初めて食べましたが、とても甘くて食べやすいと思いました。千葉のひねニンジンも食べやすかったのですが、雪下ニンジンのほうが甘かった。新ニンジンは独特な味ですが、これがよく知っているニンジンらしい味だと思います。淡路のタマネギは、以前働いていたパン屋さんでよく使っていました。水気があって甘いのが生かされてパン自体も甘くておいしくなりました。今回食べたものも水気と甘みがあって、タマネギだけで食べてもおいしかったです。北海道のひねも普通のタマネギという感じでおいしかったです。

  • 荻窪の八百屋で働いています。ニンジンは、雪下の「はまべに」がおいしかったです。かたさもあって味もいい。「ひとみ」もおいしかったですが、やわらかいので好みが分かれるかもしれないと思いました。千葉のひねニンジンは、あまり特徴がないだけに、いろいろな料理に使いやすいかもしれない、という意見もありました。新ニンジンは青臭さがあって、それはそれでアリなのでは、と個人的には思います。タマネギは、個人的には「貝塚早生」が一番で、さっぱりした中に味があった。淡路の「レクスター」はやわらかくてみずみずしいのですが、あまり味がしない気がしました。ひねは辛みもありますが味があって、これはこれでおいしかったです。