■2019年12月15日 第9回 収穫&山分け 〜 練馬ダイコンの収穫
【ファーム渡戸 渡戸秀行さんのお話】
 江戸時代、5代将軍綱吉がかっけになり、占い師に見てもらったところ、「馬」とつく地名のところで治すといいと言われ、下練馬村に御殿を立てて病気を養生していました。周辺の地域ではお米が採れずとても貧しい村だったので、綱吉は尾張から取り寄せたタネでダイコンを作らせることにしました。すると、関東ローム層の土が合って、とてもいいダイコンができました。綱吉が江戸城に戻り、そのダイコンを献上させたのが「練馬ダイコン」のはじまりだと伝えられています。
 その後、明治から昭和のはじめにかけて、沢庵として兵隊さんの食料に使われ、有名になりました。昭和20年頃になると、病気になってほとんど栽培ができなくなり、キャベツ畑に変わってしまいました。平成になり、練馬区が「練馬区なのに練馬ダイコンがないとは何事だ」ということで、細々と守り続けられてきたタネで少しずつ育種しながら、復活事業を行っています。現在、練馬区全体で約3万本、面積は1ヘクタールくらいだと思います。練馬区には農地が200ヘクタールあるので、「練馬ダイコン」の畑はごくわずかです。貴重なダイコンだということがお分かりいただけると思います。
 「練馬ダイコン」は、土の上に出ている白い部分は細いのですが、中で太くなり、また先が細くなっています。それが抵抗になっていて抜きにくい。両手で葉を持っても抜けませんので、地面に出ている白い部分をしっかり持ち、腰を落として、まっすぐ上に抜きます。抜けないからといって横にグリグリと力をかけると折れてしまいます。折れたものは責任をもってスコップで掘ってください。1人1本、慌てないでいいので、ゆっくり収穫してください。
練馬ダイコンの圃場-1
練馬ダイコンの圃場-2
練馬ダイコンの圃場-3
練馬ダイコンの収穫
練馬ダイコンGET-1
練馬ダイコンGET-2
練馬ダイコンGET-3
練馬ダイコンGET-4
練馬ダイコンGET-5
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練馬ダイコンGET-9
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