■2023年2月19日 第11回 産地視察in埼玉県深谷市 〜 ヤサイな仲間たちファーム

◇「ヤサイな仲間たちファーム」へ

 ねぎ畑をあとにし、「「ヤサイな仲間たちファーム」に移動。ファームを監修した中村敏樹さんのお話を聞き、野菜の収穫も体験しました。

「ヤサイな仲間たちファーム」のゲート。
野菜教室、体験農園、レストラン、マルシェがあり
さまざまな楽しみ方ができます
「ヤサイな仲間たちファーム」の圃場には
プチヴェール、芽キャベツ、みず菜、赤からし菜など
多種類の野菜が植えられています

 [中村敏樹さんより]

 「ヤサイな仲間たちファーム」はキユーピーが運営している施設です。私はキユーピーの社員ではなく、農業プロデューサーとして、畑の監修や農家さんのご指導などをしています。

 普段は香川県の「コスモファーム」で約300種類の野菜を作り、デパートを中心に出しています。どういう野菜が売れるのか、野菜の面白さを伝えるにはどうしたらいいのかを考え、青山をはじめ各地のファーマーズマーケットの立ち上げや出店も行い、野菜の普及に努めています。

中村敏樹さん

  今、日本の農家はどんどん減っています。その理由は、儲からないからです。米を作っていたのでは儲からない。ここで実践しているように、多品種の野菜を作って売り方を工夫すれば、儲かる農業をすることができるようになります。

 深谷市は、市町村別の野菜の総生産額で全国6位を誇ります。そこで、野菜をテーマとしたベジタブルテーマパークを去年の5月29日にオープンしました。畑の面積は約6000坪、収穫体験を中心にしています。マルシェには約40軒の農家さんがいろいろな野菜を作って持ってきていますが、レタスだけではなかなか売れません。さまざまなレタスを作って組み合わせるとか、そこにエディブルフラワーも入れてみると、売れ方が変わります。できるだけかわいらしい野菜や小さな野菜、そういうものが入るだけで面白さが変わってきます。一定の大きさで形が決まったものだけが野菜ではないんです。見せ方を変えれば、お客さまの気持ちも変わるのですから、作ったものは無駄にせず販売することを目指しています。

 売り方の工夫の1例としては、多種類の野菜で作ったピクルスを販売しています。小さなジャガイモを15個くらい瓶に入れて、1500円。普通に野菜として売ったら、小さすぎて見向きもされないと思いますが、ちょっとおしゃれに見せる工夫をすれば、こんな小さなジャガイモが1個100円に変わるわけです。酢が入るので日持ちもします。野菜をもっと大事に使おうよ、という気持ちから考案しました。八百屋のみなさんも、こういうことを検討されるといいのではないでしょうか。

 私は野菜ソムリエを育てる講師を20年続けています。そうした仲間たちとともに、日本中の農業を元気にしたいんです。新規就農する若い方たちにも、米作りより野菜作りを広めていきたいと思っています。野菜を作ったら売らなければいけません。それには八百屋さんのお力も借りる必要があると思っていますので、よろしくお願いいたします。

受講風景-1
受講風景-2
収穫体験-1
収穫体験-2
収穫体験-3
収穫体験-4
※写真はクリックで拡大します(別ウィンドウが開きます)
 

【八百屋塾2022 第11回】 挨拶葱やけんもち(1)葱やけんもち(2)ヤサイな仲間たちファームいちご畑花園