Q:佐渡の「おけさ柿」の渋抜きの方法について、炭酸ガスとアルコールで甘さに違いはありますか?
A:糖度が変わるという話は聞いたことはありません。今のメインは炭酸ガスによる脱渋(CTSD脱渋)です。エタノールで脱渋すると軟化しやすいとされますが、一方で風味がよいと感じる方もいると聞きます。
Q:ほかの果物は過熟になると食べられませんが、かきはドロドロに熟してもおいしく食べられますよね?
A:「熟柿(じゅくし)」と呼ばれる、主に昔の渋がきの食べ方の話ですね。炭酸ガスやアルコールで脱渋する技術がなかった時代に、渋がきを果肉が非常に柔らかい(ドロドロの)状態になるまで置いておき、渋みを感じなくさせて食べる食べ方です。これは、山形大学の平先生が提唱されているペクチン等とタンニンがくっついて、渋みを感じなくなるメカニズムによると考えられます。
Q:完全渋がきでも果肉がドロドロになれば渋みを感じなくなるのですか?
A:完全渋がきの「西条」は、熟柿の状態になれば渋みを感じません。その他の渋がきもおそらくそうではないかと思いますが、すべてのかきで熟柿となると渋みがなくなるのか、はっきりとは存じ上げません。なお、ペクチン等によって渋が抜けるメカニズムと、アセトアルデヒドによる脱渋メカニズムはまったく違いますから、褐斑が入るか否かというのは別の話です。
Q:かきは世界中にあるのですか?
A:はい、ヨーロッパやイスラエルなど、海外でも生産され食べられています。アメリカ在来のアメリカガキは木がゴルフクラブの素材に使われています。
Q:樹上で熟成するかきは、袋がけをしたかきに1つ1つアルコールなどで脱渋処理をしているのですか?
A:「平核無」などでそのように脱渋する方法があります。果実を一つずつ袋がけして脱渋することになり、手間がかかるのでそれほど多くは生産されていないと思います。「平核無」も大半は樹上脱渋ではなく、収穫後に炭酸ガスによる脱渋が行われています。樹上で渋みのなくなる不完全甘がき「西村早生」、「禅寺丸」などは種子が入れば人工的な処理なしでゴマが入り渋くなくなるのは、先に説明した通りです。
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