Q:早生でもホクホクにはできるのでしょうか?
A:早生の「味早太」の場合、もともとホクホクの品種なので、逆に水っぽく作るのはむずかしい。これを食べて水っぽいと感じるとしたら、若すぎるかピークを過ぎているかです。種や果肉色を見て選んでいただくといいと思います。
Q:肥料をたくさん与えればおいしいかぼちゃができるのですか?
A:かぼちゃに限らず、窒素がうまみに変換されるので、窒素がないとおいしくなりません。早く作りたい場合、寒いと肥料を多く入れますが、その時だけでなく、ずっと肥料を効かせ続ける必要があります。たとえば、人間は今日白米を5合食べたから後1週間は何も食べないでいい、というわけにはいきません。植物も同じです。たくさん、というよりは一定量を与え続けること。化成肥料よりたい肥のほうが効果が切れにくいので、うまく化成肥料と有機肥料を使いわけると、おいしいかぼちゃが作れると思います。
Q:畑にある間は完熟しても皮はやわらかいままで、風乾してはじめてかたくなるのですか?
A:風乾前は、触るとへこむほどではありませんが、ナイーブで傷つきやすい。中の水分を抜かないとかたくなりません。産地では、雨の後に採ってはいけない、とお伝えしています。おいしくない上に、腐ったり、カビてしまうことがあります。2〜3日晴れた日をはさんでから収穫していただくようにお願いしています。
Q:大きいものと小さいもので味の違いはありますか?
A:1人の生産者の方が作ったものが全部小さいのであれば、味は変わらないと思います。ただ、うらなりといって、最後のほうに採れた小さいかぼちゃが入っていたら、あまりおいしくないと思います。選果するときも、うらなりは全部寄り分けています。
Q:外見はなんともないのに中が傷んでいるかぼちゃがあったのですが、どうしてですか?
A:病害虫が発生していたことが考えられます。かぼちゃは防除しないでもいいという考えもあるようですが、気候が変わってきているので、できるだけ防除したほうがいいと指導しています。もし、そうしたものがお手元に届いたら、写真を撮って産地に情報を返していただくと、やり方を変えるようになると思います。
Q:「おいしいかぼちゃの見分け方」のお話の時に出てきたグランドマークは自然とできるものなのですか?
A:グランドマークは土に接している部分にできますが、小売りからないほうがいいといわれることもあり、沖縄、鹿児島、熊本などでは、グランドマークをつけないように栽培しています。先ほどの「見分け方」の話は、グランドマークがあるからおいしい、ということではなく、マークがある場合、色が濃いほうが熟成されているのでおいしい、というひとつの目安です。おいしさの判断はなかなかむずかしく、一般的に「外皮の色が濃いものがいい」とされているので、最近の品種改良は色を濃くする傾向がありますが、「えびす」や弊社の「味早太」などは、もともと色が薄めの品種です。私たちはかぼちゃもトマトのように品種名で販売をお願いしたいと思っています。八百屋さんには、ぜひ、外皮の色が濃い薄いよりも、「この品種はこの色」と品種ごとの特徴や味を知って、お客さまにおすすめしていただきたいと思います。
Q:異常気象で、病害虫など新しい問題が出てきているとのことですが、今後、そうしたものに強い品種は出てくるのでしょうか?
A:環境変化に強い品種を作っていこうというコンセプトは各メーカーが持っていると思います。それは日本だけではなく世界的な問題で、どの国で作っても一定量いいものが採れる、そうしたものが必要とされているので、われわれメーカーとしてはがんばって開発しているところです。
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