■2022年6月19日 第3回 きゅうり・小玉すいか 〜 勉強品目「きゅうり・小玉すいか」 東京青果(株)  長掛雄治氏
  • きゅうり全体としては、東京都中央卸売市場で、6月上旬に2,390トン入りました。低温の影響があり、数量は89.9%。金額についても73.5%と、やや厳しい展開になっています。

  • 昭和の頃は、きゅうりが野菜の売上NO.1でしたが、現在はトマトに変わり、数十年経っています。昨年のデータでは、売上1位はトマト、2位きゅうり、以下、ネギ、ミニトマト、キャベツ、たまねぎ、ブロッコリー、レタスの順でした。
東京青果(株)  長掛雄治氏
  • 本日の商品は、まず福島県、JAふくしま未来のブルームレス。代表的な産地である伊達地区のきゅうりで、古くからのファンが多い。ここは、ブルームレスが中心です。

  • 秋田県、JAうごの「ブラックきゅうり」。ブラックきゅうりと呼べるのはASとBSのみです。品質がよく、厳選された品物を出しています。差別化しにくいきゅうりの中では、特殊なものだと思います。

  • ブルームきゅうりは、埼玉県、JAひびきの。自根ではなく、台木を使っています。ブルームは、植物が自分の身を守っているだけであって、農薬ではありません。

  • 「四葉」は、パリパリとした食感が特徴。日持ちはあまりよくないのですが、味で勝負という感じです。

  • 今日のミニきゅうりは、摘果したものです。専用の品種もあります。商品化はされていないので、セリ人に言っていただければ、ご用意できると思います。

  • 「加賀太きゅうり」は、加賀の伝統野菜です。生よりも、煮ものなどでおいしく食べられます。丸っこい形で、瓜の流れを汲んでいるようなきゅうりです。

  • 青うりと白うりは、昔はかなり使われていました。今は、特に漬けもの需要で注文が入ります。うなぎについてくる漬けものはだいたいこれです。どちらもシャリシャリとして、1晩漬けただけでもよく漬かっておいしいので、あればぜひ買ってみてください。

  • 小玉すいかは、藪塚を2種類お持ちしました。藪塚の出荷のピークは、今週から来週にかけて。「愛娘」は従来の品種、「ピノガール」は「マイクロシード小玉すいか」と呼ばれており、タネが1/4くらいの大きさで、取り除かずそのまま食べてもだいじょうぶ、というのがセールスポイントです。

◇質疑応答より

    Q:みなさん、どうやってきゅうりを選んでいますか。品種名は書いていないですよね?
    A:きゅうりに関しては、トマトなどと違い、品種名で販売していません。産地や生産者などの情報をもとにおすすめしています。一般に、きゅうりはまっすぐできれいなものがいい、という考えが浸透しているようですが、きゅうりは鮮度が命です。畑で収穫したてのきゅうりをそのまま食べると本当においしい。八百屋さんは、あまり置かずに鮮度のいいきゅうりを売っていただいているので、非常にありがたいです。

    Q:参考出品のものについても教えてください。
    A:ミニきゅうりの中でも本当に小さいものは、飾り用として、主に高級料理店で使われます。飾りですが食べられます。葉っぱも、飾りで使います。本来のきゅうりの葉はもっと大きくなります。「馬込半白きゅうり」は、江戸東京の伝統野菜のひとつです。市場では見かけませんが、残していかなければならない、みなさんにも知っておいていただきたい品種です。「バーキン」はもとは海外のタネで、ピクルス用など、用途は限定されています。きゅうりは味では差別化しにくい品目ですが、今日、八百屋のみなさんのお話を聞くと、かなりこだわりを感じ、われわれももっと勉強したい、と思います。ちなみに、毎月19日は「いいきゅうりの日」、4月は「よいきゅうりの日」としてキャンペーンをしていますので、よろしくお願いします。

◇「きゅうり」「小玉すいか」の写真
きゅうり(福島)
きゅうり(福島)5日前入荷
きゅうり(秋田JAうご)
ブルームきゅうり(埼玉)
四葉
(群馬板倉)
四葉
(茨城JAなめがたしおさい)
ミニきゅうり
(福島)
もろきゅうり
(高知)
加賀太(石川)
青うり(千葉)
白うり(千葉)
馬込半白(国分寺)
ガーキン(神奈川)
クアトリーノ(山梨)
花丸胡瓜(豊橋温室園芸)
きゅうりの葉(福島)
小玉すいか
(群馬藪塚)
小玉すいか・ピノガール
(群馬藪塚)
   
 

【八百屋塾2022 第3回】 挨拶講演「きゅうりの進化」勉強品目「きゅうり・小玉すいか」食べくらべ