■2022年11月20日 第8回 じゃがいも・早生みかん 〜 食べくらべ

◇「じゃがいも」と「早生みかん」の食べくらべ

 [タナカトウコ氏より]

  • じゃがいもの食べくらべは、「男爵(北海道)」、「とうや(北海道)」、「きたかむい(北海道)」、「メークイン(北海道)」、「安芸津馬鈴薯(広島)」、「ピルカ(北海道)」の6種類。本当は丸ごと蒸したかったのですが、時間の都合でカットしてから蒸しました。それぞれかたさが違ったので蒸し時間はバラバラです。竹串がすーっと刺さるまで蒸しました。

  • 早生みかんの食べくらべは、「夢未来(レギュラー/熊本)」、「夢未来(ハイグレード/熊本)」、「真穴みかん(愛媛)」、「真穴ひなの里(愛媛)」、「朝福ちゃん(静岡)」、「大長みかん(広島)」、「瀬戸田みかん(広島)」の7種類です。
タナカトウコ氏
じゃがいもの食べくらべ
早生みかんの食べくらべ
 
◇食べくらべの感想
  • 講師の「じゃがいもは料理によって使い分けてほしい」というお話は、「なるほど」と思いました。味で驚いたのは、広島の「安芸津馬鈴薯」と「ピルカ」。もはや料理しなくてもいい、というレベルでした。「安芸津馬鈴薯」は、何もしなくても洋食の付け合わせになると思うので、シェフが喜ぶのではないでしょうか。「男爵」、「とうや」、私はじゃがいも料理を作るとなったらまずこれを選ぶかもしれません。「メークイン」も、すぐに皮がむけるので、忙しい人にはありがたい。ずっと残してほしい品種です。食べきれないと思ったのですが、おいしくて全部食べました。みかんはどれもおいしかったのですが、好みでいうと、酸味と甘みと濃さで「大長みかん」。「朝福ちゃん」は昔ながらの懐かしい味がしました。

  • じゃがいもは、黄色いのは甘くて、白いのはそれほどでもない。料理法によってかなり変わってくるので、売り方も変えなければいけないと思いました。広島の「安芸津馬鈴薯」は、これ自体がおいしいので、何もしなくてもいいかも、と思いました。みかんは食べくらべているうちによくわからなくなりました。どれもおいしかったのですが、私は「真穴みかん(愛媛)」が好みでした。

  • 「男爵」は食べなれている味で香りもよく、これに代わる品種はなかなか難しい、と感じました。「きたかむい」は味や香りが薄い。「メークイン」も食べなれた味で好きでした。「ピルカ」は、ねっとりとしてよかった。広島の「安芸津馬鈴薯」は、熟成され甘かった。手をかけなくても、素材そのものの味でいいと思いました。みかんは、「大長みかん」がすごく濃厚で気に入りました。もう少しおいてもいいかもしれません。「朝福ちゃん」もおいしかったです。

  • 「男爵」が一番甘みがあり、そのあとに深みが出ておいしかったです。2番目が「とうや」。「きたかむい」はなんとなく味が薄い感じ。「ピルカ」は甘みがあっておいしかった。広島の貯蔵されたじゃがいももおいしかったです。みかんは、広島の2つが甘みと深くて濃い味があり、皮も薄くて、おいしかったです。

  • 広島のみかんにはあまりなじみがなかったのですが、「大長みかん」は、甘みと酸味が強く、とてもおいしかったです。じゃがいもも広島の「安芸津馬鈴薯」と「ピルカ」は、そのままでもおいしかった。

  • 広島のみかん2種類は、広島市場でも最高評価を得ているものを持ってきたので、みなさんに高評価を得られて大変光栄です。「安芸津馬鈴薯」もあらためて食べてすごくおいしいと思いました。

  • じゃがいもを食べくらべて、確かに違うものだな、と感じました。一番おいしかったのは「安芸津馬鈴薯」です。ただ、春採れの貯蔵ものということですから、ほかが北海道産の比較的新しいものとすると、じゃがいもは貯蔵中に甘みがのってくるので、少しハンディがあるのではないでしょうか。「ピルカ」は、この秋に北海道で採れたものだとすると、私の印象は相当変わりました。これなら相当いけるのではないか、と思います。「安芸津馬鈴薯」は品種が「デジマ」ということで、通好みです。「デジマ」と「ニシユタカ」が西の二大品種ですが、「デジマ」のほうが古い品種です。「ニシユタカ」は収量が多く、味は「デジマ」がいいと思います。私は愛媛のみかん農家の息子なので、みかんは、いろいろなことを思い出しながらいただきました。「大長みかん」、「瀬戸田みかん」は、甘みと酸味のバランスが絶妙で、すばらしくおいしかったです。その他もそれぞれ酸味が利いていたり、とどれもおいしかった。唯一、「朝福ちゃん」はほかのものと違いました。いい悪いではなく、収穫後、貯蔵中にのってくるような味というか、ほかのみかんとは違う味だと感じました。非常に楽しい経験ができました。ありがとうございました。