■2022年12月18日 第9回 さといも・西洋なし 〜 食べくらべ

◇「さといも」と「西洋なし」の食べくらべ

 [タナカトウコ氏より]

  • さといもの食べくらべは、埼玉の「土垂」、愛媛「女早生」、新潟「帛乙女」、福井「大野さといも」、静岡「えびいも」の5種類。きれいに洗ってから4等分にカットして、蒸し器で竹串がすーっと通るくらいになるまで蒸しました。

  • 西洋なしの食べくらべは、山形の「ラ・フランス」と「シルバーベル」、新潟の「ル レクチエ」の3種類です。今日の「ル レクチエ」は、モーツァルトを聞かせて育てたものです。1個は熟し過ぎて中が茶色かったのでよけてしまったのですが、小山さんによるとおいしいそうなので、興味がある方は食べてみてください。
タナカトウコ氏
さといもの食べくらべ
西洋なしの食べくらべ
食べごろの「ル レクチエ」
 
◇食べくらべの感想
  • 「女早生」は少し水っぽいかな、と思いました。おいしかったのは「大野さといも」。ねっとり感、ほっくり感があって、蒸すという食べ方に向いている。「えびいも」はホクホク感が強すぎてどうなのかな、と感じました。味をつけて煮たりするとしたら、「土垂」が最も無難な気がしました。

  • 食べなれた「土垂」は、少しぬるっとしてホクホク感も残っていて、ややかためなのも好みで一番おいしかった。「大野さといも」はうまみが足りない気がしましたが、ここまでのホクホク感に慣れていないのかもしれません。「えびいも」もホクホク感ばかりで、うまみもあとから少し感じる程度かな、と思いました。

  • 個人的には、「土垂」と「帛乙女」はねっとり感があって、甘みも多少ありおいしかったです。「えびいも」はあまりさといもという感じがしなくて、別の食べものだなという印象でした。

  • それほど味の違いは感じられませんでした。福井の「大野さといも」は、個体差があるのかもしれませんが、ねっとり感がなくパサついているように感じました。「女早生」は甘みがあり一番おいしかったです。

  • 「土垂」は比較的ぬめりが強くて、味もそれなりにある、一般的な食べやすいさといも。「女早生」は、さっぱりした味。今回のように蒸して食べるには、私は食べやすいと思いました。「帛乙女」は、ぬめりが強くやわらかい。「大野さといも」は、肉質がしっかりしていてぬめりは少なく、一番ホクホクしていました。特別味がいい、とまでは感じられませんでした。「えびいも」は違う種類なので比較は難しい。粉質で肉質が細かく、香りもよかったです。味をつけるとまた感じが変わるのではないでしょうか。

  • 「帛乙女」は、やわらかくてねっとりしていて、一番食べやすかったです。特徴的なのは「大野さといも」で、ホクホクしていました。「えびいも」は確かに別物ですが、おいしかったです。

  • 西洋なしは香りがよくて、おいしかったです。もう少し熟してもおいしいかもしれない、と思いました。たまたま昨日、うちの冷蔵庫に残っていた「ラ・フランス」で中が茶色くなったものを食べたのですが、おいしかった。先ほどの小山さんのお話を聞いて、間違っていないことがわかりました。

  • 「ル レクチエ」の茶色くなったものがおいしいのを確認できました。

  • 西洋なしの食べくらべはすごく難しかったです。「ラ・フランス」はやや酸味があると思いました。「ル レクチエ」はとてもおいしかったです。今の段階でこれほどおいしいことに驚きました。

  • 納め業務では毎年西洋なしに苦労しています。若いものを売ると次はないので、気をつけないといけない。今日の「ル レクチエ」は、一回食べればリピーターになるくらいおいしかった。うちでは、「ラ・フランス」は、1週間〜10日おいてから納めています。多少傷みは出ますが、満足していただいています。

  • 「ル レクチエ」の茶色くなったものは食感がなめらかで、全然違いました。ただ、売るとなると相当難しい。どうやって売ったらいいのか悩みます。自分で食べる用になってしまいそうだな、と思いました。
 

【八百屋塾2022 第9回】 挨拶講演「さといも」について勉強品目「さといも」「西洋なし」食べくらべ