【2011年】

【2010年】

【2009年】

■2011年4月「八百屋の匠 旬情報」

「八百屋の匠」こと、杉本 晃章による最新の野菜・果物インフォメーションです!

◇最新動向
 4月の野菜の出荷状況は、天候不順だった昨年に比べて良好に出回っています。価格は昨年より若干安いと予想されますが、東日本大震災による福島原子力発電所の放射能汚染で風評被害が発生し、3月下旬の価格は野菜全体で3〜4割下落したといわれています。特に、福島、茨城両県の産地の野菜価格は、前年に比べて半値以下となっています。一日も早い原発事故の収束を期待します。現在、市場には、検査結果が国の暫定規制値を下回っている野菜のみ出荷されています。流通関係の業者のみなさま、また、消費者のみなさまは、風評に惑わされることなく対応してくださいますようお願いいたします。
◇主要野菜・果実の4月の状況
(※風評被害により価格が不安定なため、作況のみとします)
[野菜]
●大根
 神奈川三浦産は終盤に入り、千葉産のトンネル栽培に移ります。作柄は良好で、2L中心の出荷となるでしょう。
●人参
 昨年は高騰したこの時期ですが、今年の4月は千葉産から徳島産への切り替わりが順調で、下旬には徳島産の入荷量が増え、価格は落ち着くでしょう。
●長ねぎ
 埼玉産は若干不作ですが、主力の千葉産春ねぎは昨年より作柄がよく、1割増と予想され、潤沢な入荷となるでしょう。
●白菜
 秋冬物の終了期(3月中・下旬)は高値となりましたが、温度の上昇とともに春物の入荷量が増え、4月中・下旬には潤沢な入荷となり、価格は安定しそうです。
●レタス
 昨年不作で高値だった茨城産は前年比105〜110%の作柄で良好です。風評被害のためか、4月1日現在の価格は昨年同期の50〜70%と下落しています。人気の西物(香川、兵庫、静岡)の入荷増は期待できず、茨城産に頼る形になるでしょう。
●キャベツ
 主力の神奈川(三浦)、愛知(渥美)産は昨年ほどの高値不作の様子はないものの、しっかりした価格でしょう。中・下旬より増えてくる千葉(銚子)産が多くなれば、価格も落ち着くでしょう。
●キュウリ
 主力の千葉、埼玉、茨城産はハウスの加温物から無加温物に移ってきます。4月下旬〜5月上旬がピークになり、価格も安定しそうです。
[果実]
●いちご

 

 各産地・各品種ともに3〜4番果に入り、収量は安定して出荷される見込みです。風評被害のためか、関東産の価格は低迷し、いちご全体としては安値となりそうです。
●清見
 昨年の低温障害のため、不作の年となり、特に大玉が少なく、主力の愛媛・西宇和産も前年比2〜3割減となっています。価格も2〜3割高となるでしょう。
●甘夏  
 各産地(熊本、愛媛)ともに4月中旬より冷蔵貯蔵物に移りますが、甘夏も他の柑橘と同様に大玉が少なく、L玉中心となります。  
(東京都青果物商業協同組合 理事 杉本 晃章)