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■2009年11月「八百屋の匠 旬情報」

「八百屋の匠」こと、杉本 晃章による最新の野菜・果物インフォメーションです!

◇最新動向
 台風18号の影響で、愛知県渥美地方の冬作のキャベツが塩害を受け、また、同県産の次郎柿も、落果の被害がありました。関東地方の各産地は大きな影響もなく、秋冬野菜は各品目全般に豊作傾向で、潤沢な入荷が予想されます。
 11月〜12月中旬は、安価で推移して行くことが予想されます。年末の野菜の価格は、今後の寒波等の影響がない限り、安定した入荷が期待できます。
◇主要野菜・果実の11月の状況
[野菜]
●大根
 千葉・茨城・神奈川の各産地とも生育順調で、前年比125%となり、安価が期待されます。
●人参
 北海道産は終盤に入り、千葉産にリレーしますが、千葉産も前年比104%と生育順調がうかがえます。
●白菜
 茨城産が中心、生育良好で前年比102%の状況です。
●キャベツ
 茨城・千葉・東京産は生育順調で、前年比105%と作柄良好。愛知産は前年比95%と、台風18号の影響が出ています。
●ホーレン草
 茨城産の露地物に台風18号の被害が少し出たものの、千葉・埼玉産はおおむね生育順調です。
●長ねぎ
 東北地方の産地は終盤に近づきますが、関東各地(千葉・埼玉・茨城)は前年比98〜100%と生育順調がうかがえます。
●レタス
 茨城産から兵庫・香川産にリレーしますが、作付および作柄は120%〜150%と潤沢な入荷が予想され、安価で推移する見込みです。
●胡瓜
 10月の好天にて、各産地(埼玉・茨城・高知・宮崎)とも、前年比100%〜120%と作柄良好。
●トマト
 茨城・千葉産は前年比103%と順調ですが、終盤に入りリレーする西南暖地の各産地(静岡・愛知・熊本)は、台風の被害により80%〜95%となりそうです。
●里芋
 栃木産は8月の少雨にて小玉傾向ですが、主力の埼玉・千葉産は前年比102%〜115%と潤沢な入荷が予想されます。
[果実]
●みかん
 11月上旬より、極早生品種から早生種の宮川早生、原口早生等に切り替わり、食味が一段とよくなります。ただし、早生種に変わっても小玉傾向は変わらず。S玉中心の出荷が多く、小玉中心の販売、消費が期待されます。価格は、前年より20%〜30%安となりそうです。
●りんご
 中生種のリンゴから晩生種(ふじ・王林等)に品種が変わってきます。山形県産のふじは11月に最盛期を迎え、青森産は11月中旬〜年末に旬を迎えます。10K箱36玉・40玉の大きさが中心になりますが、中玉品種のふじの特性から、中玉・小玉でも食味のよさは十分に期待できます。
●平核無柿
 11月中旬にて新潟産は終了します。
●次郎柿
 愛知産は上旬にピークを迎え、20日頃には終了。静岡産は下旬には終了します。
●富有柿
 岐阜産・奈良産ともに中旬にピークを迎え、12月上旬には終了します。例年より5日〜8日早い出荷状況です。
●干柿
 新潟産は、平年並みの入荷。山梨・富山・福島産は前年対比10〜20%減の入荷予想です。
●洋梨(ラ・フランス)
 長野産は終了し、山形県内の各産地が最盛期を迎えます。潤沢な入荷が見込まれますが、12月以降への冷蔵貯蔵品が、前年より10%ほど多くなりそうです。
●苺
 上旬より栃木産「とちおとめ」、中旬・下旬より福岡産「あまおう」、佐賀産「ほのか」の出荷が始まります。前年より、少し安めの価格展開となりそうです。
◇旬のおすすめ品
 11月になると、柿の各品種が出揃います。柿は旬の時期が非常に短い品目です。12月になると、今までたくさん出回っていた柿が潮が引く様に消えて行き、加工品の干柿に変ってきます。春の苺と並び、ビタミンCをたっぷり含む秋の代表的な果実です。今年は、インフルエンザの大流行が危惧されていますが、ビタミンたっぷりの"柿"をたくさん食べて厳しい冬に備えてください。
(東京都青果物商業協同組合 理事 杉本 晃章)