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■2010年11月「八百屋の匠 旬情報」

「八百屋の匠」こと、杉本 晃章による最新の野菜・果物インフォメーションです!

◇最新動向
 8〜9月の猛暑と干ばつの影響は10月に入っても続き、一部葉物等、作型の短い品目の価格は落ち着いたものの、総体的には高価格となった10月でした。9月中旬の降雨にて作付が一斉となった分、11月中旬以降は一気に安値が期待されます。
◇主要野菜・果実の11月の状況
[野菜]
●大根
 青森・北海道産は上旬に終了し、千葉・神奈川(三浦)産に移りますが、リレーがうまくいかず、上旬は高値、下旬は入荷量増にて安値となるでしょう。価格は、上旬前年比130%、下旬70%。
●人参
 大根とほぼ同じ動きで、上旬高、下旬安と予想されます。
●キャベツ
 群馬(つま恋)産と愛知産・千葉産の端境期となる上旬は高めの価格となりますが、愛知産・関東近県産が増加する中〜下旬には価格が安定し、前年並みのキロ80円と予想されます。
●白菜
 白菜も高原ものの長野産と茨城産のリレーがうまくいかず、上旬高、下旬安と予想され、価格は前年対比、上旬150%、下旬120%と、少々高めになりそうです。
●ねぎ
 東北物が切り上がりで減少し、上旬は高値をつけますが、下旬には埼玉・千葉産が多くなり、上旬高、下旬安となりそうです。価格はキロ単価、上旬350円、下旬280円の見込みです。
●ホーレン草
 8〜9月の猛暑・干ばつの影響からいちばん早く抜け出し、11月は群馬・埼玉産を中心に潤沢な入荷が見込まれています。価格はキロ350〜380円と前年並みとなるでしょう。
●里芋
 猛暑・干ばつの影響で各県産とも不作気味です。価格はキロ250円と前年より20%ほど高いですが、年末に向け、入荷量は増える見込みです。
●レタス  
 9〜10月の高値はなく、平年並みの価格に戻り、下旬には安値がくると予想されます。  
[果実]
●みかん

 

 極早生みかんは10月で切り上がり、11月より早生種が九州各県から入荷します。中旬には主力の愛媛産も加わり、各産地出揃います。ただ、入荷量は前年の9割と少なく小玉傾向で、安値は期待できないでしょう。
●りんご
 11月は、中生種から、晩生種の「ふじ」、「王林」等に切りかわります。山形・長野・青森・岩手の主力各県は作柄も順調ですが、果物全体の入荷量が少ないため、価格は1〜2割高と堅調に推移することとなります。
●洋なし
 主力の山形産「ラ・フランス」は前年並みの作柄ですが、昨年ほどの大玉傾向ではなく、昨年より1割ほど減と予想されます。新潟産の「ル・レクチエ」は8〜9月の高温障害で入荷が半月遅れ、今年産は激減との予想です。
●かき
 和歌山・新潟産の「平核無(ひらたねなし)」は上〜中旬で終了し、福岡・奈良・岐阜産中心の「富有柿」に移りますが、「富有柿」は各県産ともに着果が悪く、入荷は10日ほどの遅れで、価格は前年より2割高と予想されます。
(東京都青果物商業協同組合 理事 杉本 晃章)