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■2010年4月「八百屋の匠 旬情報」

「八百屋の匠」こと、杉本 晃章による最新の野菜・果物インフォメーションです!

◇最新動向
 3月の天候不順により、春物野菜の入荷が不安定になり、品目により高騰が予想されます(特にキャベツ・葉物類)。温度の上昇が安定すれば、下旬以降の作柄が安定し、価格も下がってくるでしょう。
◇主要野菜・果実の4月の状況
[野菜]
●キャベツ
 3月下旬は近年にない高値を付けました。愛知産の増加は見込めないものの、近県産(神奈川・千葉)は下旬より春物の金系キャベツの最盛期に入り、価格は安定してくるでしょう。
●大根
 2〜3月の低温により、作柄が1週間〜10日ほど遅れています。下旬以降は作柄が回復、春物の最盛期は5月にずれ込む予想です。
●人参
 2〜3月の低温により、人参も作柄が遅れています。昨年並みの作付けがあり、温度の回復とともに入荷量も増えそうです。
●ホーレン草
 3月上旬の降雪により、作柄が遅れています。埼玉・群馬・岩手産ともに、回復は下旬から5月にずれ込む予想です。
●レタス
 3月の降雪により、各産地(茨城・兵庫・香川)ともに出荷が少ないと予想され、高値が続きます。下旬には回復の兆しは見えますが、安価の期待はできそうにありません。
●胡瓜
 2〜3月の低温の影響は回復し、4〜5月は安定した潤沢な入荷が予想されます。
●長ねぎ
 冬物から春物に変わりますが、入荷量は前年より少なく(前年対比95%)、昨年より少し高めの価格となるでしょう。
●トマト
 西南暖地(福岡・愛知)産の越冬物は、終盤に入り入荷減が続きます。千葉・栃木産の春物系は下旬頃より増加が見込めるものの、3月の低温により小玉傾向。本格的な出荷量は、5月にずれ込む予想。価格は、前年より少し高めに推移しそうです。
●アスパラガス
 輸入物は終盤に入り、長崎・佐賀県のハウス物中心の入荷。下旬からは長野・栃木・福島など各地のロジ物に移ります。L・2Lの作柄が多く、価格も昨年並みの予想。
●たけのこ
 福岡・静岡・千葉産は、例年より1週間ほど早い切り上がりで、4月上旬には入荷が減ってくるでしょう。金沢産も例年より数日早く、中旬には出荷が始まるようすです。金沢産は、例年より多い模様で、潤沢な入荷が見込まれます。
[果実]
●いちご
 4月より四番果に移り始めますが、3月の低温により作柄は悪く、価格は堅調と見られています。九州産の佐賀ほのか・博多あまおうも入荷増が期待できず、価格は堅調で推移しそうです。
●甘夏
 4月から入荷量は増え、前年比110%と多くなる見込み。酸抜けも良好。下旬より低温貯蔵物に変わります。温度の上昇とともに需要が期待されますが、価格は安めに推移しそうです。
●びわ  
 千葉産は低温のため不作。長崎産の作柄は良好で、前年比100%と潤沢な入荷が望め、価格も昨年比5%安の見込みです。
◇旬のおすすめ品
 「たけのこ」が出回ってきています。各産地とも、温暖化の影響で、1週間〜10日ほど早い切り上がりとなって、4月中旬には終盤に入ります。ただし、金沢産は中旬より最盛期に入り、入荷量も昨年より1割ほど多いようです。金沢のたけのこは長い冬の間に雪の中で育ち、加賀野菜のトップを切って出てくる伝統野菜です。ぜひ、一年に一度の旬の味をご賞味ください。

(東京都青果物商業協同組合 理事 杉本 晃章)