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■2010年6月「八百屋の匠 旬情報」

「八百屋の匠」こと、杉本 晃章による最新の野菜・果物インフォメーションです!

◇最新動向
 5月は、上・中旬と天候が回復。遅れていた各野菜の作柄も急速に回復し、価格も安定しましたが、下旬からの曇天、低温が響き、価格は再び上昇してきました。各品目ともに作柄の遅れが目立ち、特に、今後出荷が始まる東北地方の野菜の作柄の遅れが心配です。ただ、梅雨入りが遅れるとの予報もあり、好天が続けば…と期待しています。
◇主要野菜・果実の6月の状況
[野菜]
●大根
 主力の千葉産は終盤に入り、後続の青森・岩手産に移る時期ですが、東北地方産は、4〜5月の低温の影響で、作柄が半月ほど遅れています。入荷量は昨年比95%、価格は110〜115%の予想です。
●キャベツ
 千葉産は6月で終了しますが、群馬(つま恋)産の出荷が中旬より始まります。天候不順のわりには産地リレーがうまくいっており、価格、入荷量ともに前年並みと予想されます。
●人参
 主力の千葉産は生育が悪く、高値になっています。栃木から東北の産地に移るこの時期ですが、後続産地も低温の影響を受け、作柄は10日〜半月遅れており、価格は前年より20%ほど高く推移しそうです。
●胡瓜
 埼玉産の最盛期と、福島・宮城産が重なる6月ですが、3〜4月の低温の影響で埼玉産の樹勢が弱く、入荷量は平年より少なめ。安値は期待できないでしょう。入荷量は前年対比95〜97%、価格はK230円くらいと、前年より高いでしょう。
●なす
 5月は遅れていた福岡産(中長なす)ですが、6月中旬以降は回復が見込まれます。関東産地の促成なすは、10日ほどの作柄遅れで入荷増は見込めず、入荷量は昨年対比93%、価格はK350円と平年より高いでしょう。
●トマト
 関東産地(千葉・埼玉・茨城)は各県ともに小玉傾向で入荷量は増えず、下旬からの東北産地(山形・岩手)ものも低温の影響で作柄が遅れており、7月に入らないと入荷増は期待できないでしょう。入荷量は前年比95〜98%、価格はK250〜280円と前年より高い予想です。
●アスパラガス
 主力の新潟・長野・秋田産は低温の影響で細いものが多く、作柄も10日ほど遅れており、入荷増は期待できないでしょう。上旬より出荷が始まる北海道産も、4月の降雪で作柄が遅れていますが、低温育ちのため品質は良好。細いものは安く、太いものが高くなりそうです。
●レタス
 茨城産が終わり、群馬(沼田地方)・長野(佐久・浅間地方)産にリレーします。両県産ともに低温の影響により小玉傾向ですが、品質は良好。価格は前年並みです。
[果実]
●メロン(アンデス、クインシー)

 

 茨城産中心の入荷。低温の影響で玉のびせず、M・L中心の小玉傾向ですが、中旬以降は回復し、大玉(LA・2L)中心になる予想です。
●桜桃
 山梨・山形産のハウスものは上旬で終了。山形産の主力「佐藤錦」は、20日頃より露地もののピークを迎えますが、曇天の影響で色づきが悪く、下等級が多くなる見込みです。
●すいか
 熊本産は上旬で終了。主力は千葉・鳥取産に移りますが、作付けの減少により入荷量は昨年より少なく、また、低温のため、A級品が少ないことが予想されます。鳥取産は下旬にピークを迎え、7月より新潟・山形産にリレーします。
(東京都青果物商業協同組合 理事 杉本 晃章)