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■2010年8月「八百屋の匠 旬情報」

「八百屋の匠」こと、杉本 晃章による最新の野菜・果物インフォメーションです!

◇最新動向
 主力産地の東北地方は、早い梅雨明けで天候が回復しましたが、青森県と北海道地方の天候が悪く(降雨が非常に多く)、大根、人参等の土物に影響し、各野菜とも相場の高い8月となりました。2年連続で高水準の価格をつける8月となりそうです。
◇主要野菜・果実の8月の状況
[野菜]
●胡瓜
 福島・岩手・秋田の東北主力産地の作柄は完全に回復したものの、下旬は成り疲れとなり、前半安、旧盆明けから下旬は少々高値となりそうです。価格はキロ250円中心。
●トマト
 7月は高値でしたが、8月は平年並みの価格になりそうです。ただ、連日の猛暑のためか需要が多くなり、前半安の後半高となりそうです。価格はキロ300〜350円。
●なす
 6〜7月より作柄は回復しましたが、樹勢が弱く、収量は昨年より5%ほど減、8月としては高い価格となりそうです。価格はキロ250〜300円。
●ピーマン
 茨城県の春物から、東北地方の夏秋物に移りますが、南東北地方は連日の暑さで高温障害になると予想され、昨年より高値になる見通しです。価格はキロ300〜350円。
●枝豆
 関東地方の作柄の遅れと、梅雨明けが早くなった新潟・東北地方産が重なり、安値となり、売りやすい価格が続きそうです。価格はキロ400〜550円。
●とうもろこし
 千葉産は作柄が遅れ、7月下旬〜8月上旬がピークとなり、東北・北海道産との競合となる上旬は安値となりそうです。下旬は関東産が終了するため、東北・北海道産の価格が持ち直しますが、昨年より安値が期待できそうです。価格はキロ180〜200円。
●大根
 5月の低温で各産地(青森・北海道)は作付が遅れ、7月は高値となりました。今後、8月は回復に向かうと見られますが、抽苔が発生しているため、入荷量の増大は見込めず、昨年並みの高い相場が予想されます。価格はキロ90〜100円。
●人参
 青森・北海道産が主力ですが、7月の降雨が多かったため、品質不良で高値傾向。8月も同様に高値が予想され、天候の回復が期待されます。価格はキロ250〜300円。
●キャベツ  
 つま恋(群馬)産、岩手産中心の入荷ですが、定植時の降雪等で玉伸びが悪く、小玉中心(8〜10玉)。入荷量は前年より1割程度少なく、高値となりそうです。価格はキロ80〜120円。8月下旬より、北海道産が入荷します。  
[果実]
 もも、梨、ぶどう、すいか各品目ともに4〜5月の低温・降雪で開花が遅れ、3日〜1週間ほどの作柄の遅れが出ています。ただ、梅雨明け後の好天で食味は良好となっています。
●梨(幸水)

 千葉・茨城産は上旬には出揃い、旧盆明けから栃木・福島産にリレーします。各産地とも、1割ほどの減収となり、少々高値となりそうですが、下旬には収量が多くなり、価格の安定が期待できます。価格はキロ250〜300円。
●ぶどう
 山梨・山形産ともに作柄の遅れが目立ち、旧盆前の入荷量は少ない模様。デラウェア、大玉品種ともに、旧盆明けから本格的な入荷となるでしょう。価格は、デラウェアがキロ500〜600円、巨峰がキロ700〜1000円、ピオーネがキロ800〜1200円。
●もも
 福島産が主力となる8月ですが、旧盆にピークを迎え、下旬より晩生種に移行します。上、中旬と入荷量は多く、食味も良好です。価格はキロ400〜500円。山梨産は上旬から晩生種中心となり、若干の作柄の遅れはありますが、食味・肥大とも良好で、下旬まで入荷がずれ込む予想です。価格はキロ400〜600円。
●すいか
 山形・長野産は、当初作柄の遅れで7月下旬のスタートとなりましたが、梅雨明け後の好天により、急速に作柄が回復。猛暑続きで需要が多く、旧盆頃には終了する見込みです。その後は青森・北海道産が主力となります。価格はキロ160〜200円。  
(東京都青果物商業協同組合 理事 杉本 晃章)