■2024年2月 (株)サカタのタネ 野菜統括部 春日大樹氏

(株)サカタのタネ 野菜統括部
春日大樹氏

 (株)サカタのタネで、ブロッコリーとカリフラワーの普及を担当しています。このたび、2月の八百屋塾で、「ブロッコリー」について講演をさせていただきました。

 今年に入り、2026年からブロッコリーが「指定野菜」に加わるというニュースが日本中を駆け巡りました。弊社にとって、非常に重要な野菜の一つであるブロッコリーが、日本の食卓に欠かせない野菜になったということはとても嬉しいニュースです。

 ブロッコリーは元来栽培が難しく、また、収穫してから食卓に並ぶまでの流通過程で温度管理等に気を付ける必要があるなどデリケートな野菜の一つです。そのような野菜にも関わらず、ブロッコリーがわれわれの日常にあることが当たり前となったのは、産地関係者の努力だけではなく、ブロッコリーの食べ方を広く啓蒙していただいた八百屋さんの貢献も大きかったと考えております。

 栄養価の高いブロッコリーをさらにおいしく食べていただけるように、八百屋さんに引き続きご協力を賜れば大変ありがたく存じます。

 お客さまへのご挨拶は、ブロッコリーを片手に、「おはよう」、「こんにちは」、「こんばんは」と元気いっぱいにお願い致します!

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【2024年2月18日 第11回 八百屋塾】講演「ブロッコリーについて」 春日大樹氏

■2024年1月 さつまいもカンパニー(株) 代表取締役 橋本亜友樹氏

さつまいもカンパニー(株)
橋本亜友樹氏

 私自身がサツマイモに興味をもち始めたのは、子供の頃に環境破壊や食糧危機といった単語をよく耳にするようになり、将来役立つ作物は何か?と調べていたときに、サツマイモがこれまで飢饉や戦争時に人の命を救ってきた救荒作物であることを知ったのがきっかけでした。

 サツマイモはただ甘いだけではない、サツマイモの様々な魅力と無限の可能性を伝えていきたいと活動しています。

 以前、農産物を品種名が付加された状態で流通することが出来れば、消費者の選択の幅が広がり、新たなニーズや付加価値が生まれるのではないかと考え、そのような流通の仕組みを作ろうと計画していました。

 
この計画は頓挫してしまったのですが、以前はサツマイモもスーパーなどの売り場では「サツマイモ」とでしか売られていませんでしたが、最近は品種名もつくことが多くなったように感じています。

 このこと自体は非常に喜ばしいことですが、一方で品種の違いをきちんと説明することまではできていません。そのため消費者が認知済みの品種は選んで購入されますが、それ以外は購入されないか、品種など無関心に選ばれるだけです。

 八百屋のみなさまには、サツマイモ(の品種)と消費者の橋渡しの役割を担い、品種の特徴、品種に適した食べ方や逆にお客様のニーズにあった品種を提案いただけると嬉しいです。

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【2024年1月21日 第10回 八百屋塾】講演「さつまいもについて」 橋本亜友樹氏

■2023年11月 ホクト(株) 古川智也氏

ホクト(株)
古川智也氏

 ホクトは全国に多くの拠点とセンターを持ち、日々、新鮮でおいしいさまざまなきのこをみなさまにお届けしています。秋から冬にかけては、きのこの季節です。八百屋さんにもっときのこのことを知ってもらい、お客さまに食べ方や栄養などを伝えていただきたい、との思いから、このたび11月の八百屋塾で「きのこ」について講演しました。

 きのこは低カロリーで、さまざまな栄養素が含まれる食材です。中でも特に注目されている栄養成分が、ブナシメジとブナピーに多い「オルニチン」と、霜降りひらたけに含まれる「エルゴチオネイン」です。近年、多数の研究により、これらの栄養成分が疲労回復や健康長寿などに有効であることがわかってきています。

 さらに、きのこにはうま味成分のグアニル酸も豊富です。何種類かのきのこを組み合わせたり、グルタミン酸やイノシン酸を含む食材と一緒に調理したりすると、相乗効果で料理はどんどんおいしくなります。

 まずは八百屋さんご自身がきのこ料理をたくさん食べて、忙しい年末年始を元気に乗り切っていただき、お客さまにきのこの魅力をPRしてもらえれば幸いです。

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【2023年11月19日 第8回 八百屋塾】講演「きのこde毎日をいきいきと健康に!」 古川智也氏

■2023年10月 茨城県農業総合センター 専門技術指導員室 瀧澤利恵氏

茨城県農業総合センター
専門技術指導員室
瀧澤利恵氏

 私は茨城県の農業総合センターで専門技術指導員をしています。茨城県はれんこん生産量日本一を誇り、高品質でおいしいれんこんをみなさまにお届けしています。

 れんこんの消費量が伸びない一因として、「煮物にするか、おせち料理の酢ばすにするかくらいで、ほかの料理方法が分からない」といわれることがあります。でも、じつは、炒めものやサラダなど、さまざまな食べ方ができる食材です。八百屋塾の講演でもご紹介した通り、茨城県のポータルサイト「茨城をたべよう」、JAグループ茨城のサイト「Amore(アモ〜レ)」などに、多数のレシピが載っていますので、ぜひ参考にしてさまざまなれんこん料理をお楽しみください。

 れんこん自体の味はクセがなく淡泊ですから、ほかの食材や調味料とあわせやすいのも特徴です。品種や調理法を変えればもっちり食感もシャキシャキ感も楽しめ、栄養成分も豊富に含まれています。縁起のいい食べ物としてお正月には欠かせない野菜ですから、ぜひ、八百屋さんには、「れんこんはいろいろ使える野菜だよ!」とお客さまにおすすめしていただきたいと思います。

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【2023年10月15日 第7回 八百屋塾】講演「れんこんについて」 瀧澤利恵氏

■2023年8月 中島菜圃 七代目 土田重兵衛氏

中島菜圃 七代目
土田重兵衛氏

 私は新潟県長岡市の中島地区で、「中島巾着」をはじめとする在来のなすを栽培しています。初代から数えて私で七代目、約200年の歴史ある農家です。伝統品種の栽培は手間がかかりますが、そうしてできた作物には、食味はもちろん、F1にはない魅力が満載です。ですから、私はこれからも、自家採種を続け、「中島巾着」などを未来に残したいと思っています。

 このたび、8月に開催された八百屋塾で、長岡のなすに関する私の思いをお伝えしました。八百屋のみなさんはとても勉強熱心で、感心しました。「巾着なす」に関しては、もう消えてしまったものも含め、いくつか種類があります。八百屋塾では紹介しきれなかったものもあり、興味のある方には資料をお見せしますので、機会があればお声がけください。

 これまで、長年、生産者として実物を見てきたからこその新しい発見が多々ありました。八百屋さんも、全国各地に視察に行った時などに、新鮮な視点でいろいろなことを見てもらえると、その土地の生産者が気づかなかったことが発見されるかもしれませんので、ぜひ、気にかけておいてください。

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【2023年8月20日 第5回 八百屋塾】講演「なすについて」 土田重兵衛氏

■2023年7月 株式会社サカタのタネ 野菜統括部 鈴木栄一氏

株式会社サカタのタネ
野菜統括部

鈴木栄一氏

 私は株式会社サカタのタネで、野菜のタネに関する仕事をしています。このたび、7月の八百屋塾で「とうもろこし」についてお話をいたしました。現在の黄色いスイートコーンの主力となっている弊社の商品、「ゴールドラッシュ」をはじめ、夏の時期はフレッシュでみずみずしく甘い採れたてのとうもろこしをみなさまにお楽しみいただけているのではないかと思っています。

  本当は大量のとうもろこしを大きな鍋で茹でて食べていただきたいのですが、最近は核家族化が進み、鍋で茹でるのは手間だという声も聞くようになりました。そこで、弊社では、電子レンジでの加熱を推奨しています。1〜2本ずつでも、より手軽に味わっていただけるのではないかと考えています。また、旬のとうもろこしはそのまま加熱して食べるのはもちろんのこと、かき揚げ、とうもろこしごはんなど、料理に使っていただいても格別の味わいです。弊社ではさまざまなレシピを載せたパンフレットを作成しPRを進めていますので、ぜひ八百屋さんもそれらを活用し、販売促進と消費拡大にご協力をお願いします。

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【2023年7月23日 第4回 八百屋塾】講演「とうもろこしについて」 鈴木栄一氏

■2023年6月 鈴木留次郎氏

鈴木留次郎氏

 檜原村は、東京都で面積が3番目に広いところです。大昔から人が住んでおり、縄文時代の遺跡も発見されている、歴史ある土地です。戦国時代には北条系の檜原城という山城がありました。のろしをあげて八王子に情報を伝達した山は、私の家から見えます。

  今日は江戸東京野菜の「白岩(しらや)うり」を紹介しましたが、八百屋さんたちに売っていただくほどたくさん作れません。土地によく合っている作物はじゃがいもで、「おいねのつるいも」も作っています。ただ、今年はいのししの被害がひどく、私のところからは出荷できない状況です。

 江戸東京野菜ではありませんが、私はルバーブやなつはぜも育てており、ジャムなど檜原村ならではの加工品を作って販売しています。こうした加工品は、8月の「滝まつり」に出します。このときには「白岩うり」も出せるようにするつもりです。ぜひ、来ていただき、「おいねのつるいも」のふるさとを知っていただきたいと思います。

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【2023年6月25日 第3回 八百屋塾】講演「ベテラン農家は語る!」 鈴木留次郎氏

■2023年5月 合同会社十色(といろ) 代表 サカール祥子氏

合同会社十色(といろ) 代表
サカール祥子氏

 私は埼玉県にある「見沼田んぼ」というエリアで、世界のとうがらし約50品種を栽培しています。私たちが作ったとうがらしの加工品をフーデックスに出品したところ、そこで八百屋塾の方と知り合い、5月の八百屋塾で、「知って、食べて、世界のとうがらし」と題した講演を行うことになりました。

  講演中、みなさんに、「ご存じのとうがらしの品種は?」と質問したところ、「バードアイ」など、普通はあまり出てこない名前が出てきて、さすが、勉強熱心で日ごろからさまざまなとうがらしを販売されている八百屋さんはすごいな、と思って嬉しくなりました。

 今回、ハラペーニョを使って作るサルサソースの実演もさせてもらいました。手軽に作れて、焼いた肉や魚にかけるだけでもおいしい一品になります。タイのプリッキーヌという小さなとうがらしで作る自家製グリーンカレーペーストも本格的なエスニックが味わえて本当におすすめです。八百屋さんには、ぜひ、お客さまにこうしたとうがらしを使った料理を広めていただきたいと思っています。

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【2023年5月21日 第2回 八百屋塾】講演「知って、食べて、世界のとうがらし」 サカール祥子氏

■2023年4月 野菜未來株式会社 代表取締役社長 塩田勝良氏

野菜未來株式会社 代表取締役社長
塩田勝良氏

 私は豊洲市場の青果仲卸で野菜部門の代表をしていると同時に、自分の会社として、野菜未來株式会社を経営し、IT技術を導入した産地の販促、品物が売れるタイミングのリサーチ、レストランのプロモーションのお手伝い、ホームページ制作などをしています。

  このたび、2023年度第1回目の八百屋塾で、「これからの八百屋の可能性〜デジタル活用事例から未来の八百屋を考える〜」と題した講演を行いました。八百屋さんとITは結びつかない、と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、まだITがそれほど導入されていない業界だからこそ、私は可能性に満ち溢れていると思っています。

 もちろん、絶対的に人と人とのつながりが大切な仕事ではありますし、どのようなITツールを活用すべきかは人それぞれで、自分なりにどう使いこなすかが重要になってくると思います。

 少しでもみなさんのヒントになれば、と思ってお話をしましたので、参考にしていただき、みなさんといっしょにがんばっていければ嬉しく思います。

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【2023年4月23日 第1回 八百屋塾】講演「これからの八百屋の可能性〜デジタル活用事例から未来の八百屋を考える〜」 塩田勝良氏