■2021年11月21日
リモート八百屋塾 白菜

八百屋塾は新型コロナウイルス感染症拡散防止のため、2020年3月から休講が続いていましたが、2021年11月、Zoomを使用した「リモート八百屋塾」をテスト開催しました。テーマは冬の定番野菜「白菜」でした。

白菜の展示-1
会場(リアル)のようす
運営スタッフ
白菜の展示-2
 
■八百屋塾実行委員長 飯塚 高史

 東京都青果物商業協同組合が主催する八百屋塾は今期で22期になります。これまで20年間、諸先輩方が毎月築き上げてきた八百屋塾ですが、コロナ禍で2年間中止せざるを得ないという重い判断をいたしました。青果物を扱うわれわれはつねに安全安心なものを提供するよう心がけています。八百屋塾も安全安心を重視して、2年間の休講を決めました。

 青年会ではその2年の間に八百屋塾をどうしていくかを考え、Webでの八百屋塾通信と動画の配信、そして3本目の柱として、今回のリモート八百屋塾の開催となりました。4月からはリアルとリモートのハイブリッド形式で、新しい形の八百屋塾を作っていきたいと思っています。今回は初めてなので不手際もあるかと思いますがご容赦いただいて、今後のために、ここが良かった、良くなかったというご意見をいただければありがたいです。

八百屋塾実行委員長 飯塚 高史

 今日のテーマは「白菜」です。私が受講生として八百屋塾に入って16年になります。「やっちゃばマルシェ」で山東菜を扱ったり、茨城の白菜工場に視察に行ったことはありますが、テーマとして勉強したことがないので、冬を代表する大型定番野菜、白菜について、(株)サカタのタネ 野菜統括部 鈴木栄一さんにお話しいただきます。みなさん、楽しく勉強してください。

 
■東京都青果物商業協同組合 理事長 近藤 栄一郎

 おはようございます。本日の八百屋塾に多くの方にご参加いただき、まことにありがとうございます。リモート形式という新たな試みのため不手際もあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。

 今年は全国大会も開催できず、各組合の理事長のみなさま方ともハイブリッドによる総会を行いました。Withコロナということで、こういうやり方が今後主流になっていくのかもしれません。われわれもこのような形に慣れていく必要があると思います。特に若い方は時代の先端を走っていただきたいと思います。

東京都青果物商業協同組合 理事長
近藤 栄一郎

 本日は、(株)サカタのタネ 野菜統括部 鈴木栄一さんに白菜についてご講演いただきます。

 われわれの先輩、北足立支所の杉本さんからもお話をいただきます。杉本さんは、12月4日に「世界一受けたい授業」という番組に出演され、冬野菜についてお話されるそうです。ぜひご覧ください。

 白菜は、寒くなるにつれて需要が高まる商材です。今まではやや気温が高かったこともあり、なかなか需要が伸びませんでしたが、寒くなると、鍋や漬けものの需要が多くなってきます。みなさんにはぜひこの食材の奥深いところを学んでいただいて、商機に役立ててください。

 
■八百屋塾顧問 副理事 杉本晃章

 おはようございます。初のリモート開催で慣れない方もいらっしゃると思いますが、Withコロナの時代、人に遅れないように、ついていってほしいと思います。

 本来の八百屋塾のモットーは、「食べくらべ」です。創始者の江澤正平先生も、よく、「食べなければ分からない」と言っていました。自分の舌で味わうことが大事です。

八百屋塾顧問 副理事 杉本 晃章

 白菜についてはのちほど先生から詳しいお話がありますので、私からはうんちくを少々お話します。明治8年(1875年)に東京博覧会があり、世界からいろいろなものが集まった中に、中国(当時の清国)が出展した「山東白菜」があり、これが日本に来た始まりです。その後、日清、日露戦争がありました。兵隊さんの多くは農家の人だったので、中国大陸に行って、白菜のあまりの見事さに驚いた。それまで日本には白菜のように大きくて立派な野菜はありませんでした。そこで、白菜のタネを持ち帰って栽培したのですが、1年目はちゃんとできたのですが、作り続けていくうちにだんだん巻かなくなってしまいました。日本には、菜の花、だいこん、小松菜など、アブラナ科の植物が多く、それと交雑してしまうと、本来の結球した白菜が採れなくなってしまうんです。それで、日本の種苗学者が研究を重ね、交雑しないように作ったもののひとつが「松島白菜」。「仙台白菜」とも呼ばれるものです。仙台の渡辺採種場の渡辺さんが作りました。過去の種苗の研究者の苦労によって今の白菜ができたわけです。先生のお話をしっかり聞いて勉強してください。

 
 

【八百屋塾2021 11月】 挨拶講演「白菜」について勉強品目「白菜」