■2020年2月 成田食品(株)代表取締役社長 佐藤信一郎氏
成田食品(株) 代表取締役社長
佐藤信一郎氏
 成田食品株式会社は、第二次世界大戦後、福島県相馬市でスタートしました。それから約70年、おかげさまで業界トップのメーカーとして、毎日モヤシをお届けしています

 私どものモヤシ工場は、原料選別からはじまり、育成室、洗浄ライン、包装機まで、全工程をコンピュータによって制御・管理しています。また、食品の安全性と品質管理のためには、色彩の微妙な変化も見逃さない色彩選別機や、パッケージ後の商品を厳重にチェックする金属検出機などを採用し、さらに熟練の社員が最終目視検査を行うといった、システムと人の力を合わせた工程によって、万全を期しています。モヤシは、このように高度に管理された工場で生産しており、安定した価格でコンスタントにお届けできる農産物です。

 成田食品は、現在、モヤシだけでなく、サラダ用と炒めもの用のカット野菜も生産しています。野菜は健康増進に欠かせません。簡便に利用できる私どもの商品を、ぜひお客さまにおすすめいただければ幸いです

 先ほどの杉本さんのお話では、私どもの本社工場を2回見学されたとのこと。成田食品のことをよくご存じなので驚きました。みなさんもぜひお出かけください。

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【2020年2月16日 第11回 八百屋塾】講演「モヤシ」について 佐藤信一郎氏

■2020年1月 農研機構野菜花き研究部門 農学博士 野口裕司氏
農研機構野菜花き研究部門 農学博士
野口裕司氏
 イチゴの生産者や生産量はどんどん減少しており、消費も少なくなっています。そこで生産者や消費の減少を食い止めるため、省力や軽労化、低コスト化など生産性・収益性を向上できる品種の開発、および食味の向上や高付加価値など購買意欲を刺激する品種の開発が重要になっています。収量性や果実の大きさ、甘さなどは試験栽培でデータを取ることができます。しかし、消費者の購買意欲はなかなか調査できません。食味は品種による違いが大きいのですが、天候や栽培方法、収穫時期および果実一個一個にも差もあるため、なかなか正確な評価は難しいものです。しかし消費者の方には、たまたま買った1パック、その中の数個のイチゴを食べるだけで、「あのイチゴはおいしかった」とまた買ってもらわなければなりません

 今回、消費者の声を直接聞いている八百屋のみなさんが、とても熱心に勉強している姿を見て、食味に対する拘り、感性の鋭さを知ることができ、感銘を受けるとともに非常に心強く思いました。おいしいイチゴを消費者へ安定的に届けられることを目指して、品種改良をしている研究者や生産者は日々努力していますが、そのためには八百屋さんの意見が不可欠です。これからも農研機構では先導的な品種を開発していきますので、現場からのフィードバックをよろしくお願いします。

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【2020年1月19日 第10回 八百屋塾】講演「日本のイチゴ」について 野口裕司氏