八百屋さんの強みは、コミュニケーション力、伝える力ですよ。
たとえば冬、ボクは「八百周」さんの店をのぞいて、店主の野本さんに「ある?」と聞くことがある。すると、野本さんは「あるある!」と言って、裏から根つきの春菊を出してきてくれるんです。
根つきってのは茎を切って収穫した春菊じゃなくて、とてもやわらかくておいしい。野本さんは、葛西市場で「根つきが入ったら必ず買うよ」って言ってるんだそうです。
ボクの好みがわかって、出してくれる。そして、その特長や産地、生産者のこと、食べ方の説明をしてくれる。そんなコミュニケーションってスーパーじゃできないでしょう?
「やまけんは特別扱いされてるんじゃないの」と思うかも知れないけれど、そうじゃない。いい八百屋さんは、どんなお客さんも大切にするし、ちゃんと説明します。そういう店は流行ります。
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