■淀橋支所 第33回淀橋ゼミナール報告書
研修担当:関澤 健

 平成18年12月2日(日)、新宿西口住友ビル47回スカイルームにて、「第33回淀橋ゼミナール」が行なわれた。今回のゼミナールは、ここ5年間のテーマ「健康・食育・後継者育成」の集大成とも言うべきものであった。

 第28回が「市場流通野菜の安全性について」東京都衛生検査所巻氏、第29回が「野菜の機能性について」女子栄養大学栄養学部長五明紀春教授、第30回が「アスリートの食事」青島健太氏、第31回が「野菜生産への想いと取り組み」シモタファーム霜田増雄氏、第32回が「食の安全性を問う!あなたは「安さ・便利さ」を取りますか?「食品添加物」を取りますか?」阿部司氏、そして第33回が「デトックス(解毒)」長内優華氏……と、流れを考えて行なってきた。今回の講演では、野菜というものがいかに食にとって必要不可欠かと言うことを、改めて実感できたのではないかと感じた。

 デトックスとは、「解毒」や「浄化」の意味で、体内にたまっている毒を排出させることで、本来備わっている自然治癒力を高めていくこと。

 デトックスの仕組みとして、まず、「解毒」とは、肝臓で体内に必要なものをより分け、酵素によって毒の少ないものに、そして排泄しやすいように変化を受け、そして尿と胆汁とともに大腸へ導かれること。次に、「出す」とは肝臓と大腸が働くことで、このときに処理された有害物質も、排泄されなければ再吸収されて血液に戻り、また肝臓で再処理を受けることとなる。それが繰り返されると、その過程で血液や全身に影響を与えることになる。一般的に有害ミネラルと言うと、「カドミウム、水銀、鉛、アルミニウム、ヒ素」などがあげられるが、排出の75%が便で、20%が尿、1%が毛髪、3%が汗、1%が爪だそうである。これらの排泄には、野菜の成分が効果的だということが良く理解できた。

 「カドミウム」は、イタイイタイ病の原因として知られ、酵素や栄養素の働きを阻害するが、鉄、亜鉛、銅、カルシウム、セレニウム、ビタミンB1、ビタミンC、ビタミンEなどが排出を促進する。有効野菜は、にんにく、キウイフルーツ、グレープフルーツ、パセリ、イチゴ、ブロッコリー、アーモンド、ひまわりの種などである。

 「水銀」は、水俣病やアトピー性皮膚炎、腎臓病、肝臓障害などの原因になるといわれ、魚介類を多く食する日本人に過剰傾向が見られる有害ミネラルである。カルシウム、マグネシウム、鉄、セレニウム、亜鉛、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどが排出を促進。有効な野菜は、キウイフルーツ、グレープフルーツ、パセリ、イチゴ、ブロッコリー、アーモンド、ひまわりの種などである。

 「鉛」は、生活の中にさまざまな汚染源があり、子どもたちの神経的機能障害となって現れ、集中力低下、造血機能や免疫機能の低下などを引き起こすことがある。排出を促進する物質は、カルシウム、鉄、セレニウム、亜鉛などで、キウイフルーツ、グレープフルーツ、パセリ、イチゴ、ブロッコリー、アーモンド、ひまわりの種などが有効野菜である。

 「ヒ素」は生活環境下に広く分布するミネラルで、ごく微量であれば、むしろ体内に必要とされている。しかし、無機ヒ素の体内蓄積は非常に有害であり、有機ヒ素に関しても適量範囲を守るべき微量ミネラルである。汚染源となりうるものは、残留農薬、飲料水、井戸水、海草、魚介類、排気ガス、除草剤、産業廃棄物など。過剰摂取時の症状や徴候には、皮膚障害、皮膚がん、呼吸器系障害、貧血、多発性神経炎、無感覚症などがあり、セレニウム、鉄、亜鉛、カルシウム、マグネシウムが排出を促進する。有効野菜は、キウイフルーツ、グレープフルーツ、パセリ、イチゴ、ブロッコリーなど。

 「アルミニウム」は、アルツハイマー病、痴呆症、神経変性に関与している可能性があると言われている。汚染源となりうるものは、調理器具、食器、水処理剤、アルミ缶、タバコ、殺虫剤、酸性化土壌、大気汚染、製汗剤など。マグネシウム、カルシウム、ビタミンB6などが排出を促進する。有効野菜としては、くるみ、バナナ、アボカドなどがあげられる。

 キレート効果の高い食材(コリアンダー、玉葱、ねぎ、にんにく)を一緒にとると効果的だそうである。キレート効果とは、蟹のはさみのようなものを持つ分子で、つまんで排出するものだそうだ。

 しかし、約2時間、「デトックス」についての話を聞いていたが、なかなか理解するのは難しいものである。

 とにかく野菜には排出に有効なミネラルが豊富にあると言うことだけは、わかってもらえたのではないかと思う。講演を聞いた人たちが、それぞれ自分の中で消化し、今後の営業に役立ててくれることを願う33回ゼミナールであった。

 次回34回からのテーマを早く考えねば…と思い、ゼミナールが終わった。参加者、スタッフ一同お疲れ様でした。