「地域に密着し機動性・柔軟性・創造性を発揮しよう」
本日、この熊本の地に、全国各地の組合から大勢の役職員・組合員の方にご参集いただき、盛大に第33回全青連全国大会「くまもと大会」を開催できますことを、私は心から喜ばしく思っているところであります。
会場には、日頃から何かとご指導をいただいております櫻庭農林水産大臣官房審議官、また、政務が大変お忙しい中を衆議院議員の野田先生、吉村農林水産省九州農政局長、蒲島熊本県知事、幸山熊本市長を始め行政の方々、また、食品流通構造改善促進機構の馬場会長を始め、関係友好団体の多くの役員の皆様方にご臨席いただき、会員一同を代表し、厚く御礼申し上げます。
昨年は広島大会を開催いたしましたが、本年の大会に当たりましては、いち早く「くまもと大会実行委員会」を組織され、実行委員長であります阪野全青連副会長様始め、熊本組合の皆様挙げて準備をしていただき、心から感謝し、改めて御礼申し上げます。
さて、我が国経済の最近の情勢を見ますと、社会全般にわたって停滞と混迷が続き、少子高齢化社会の到来など、先行きについて不安と不透明感がいっそう強まり、閉塞感に覆われています。
これに加えて一昨年発生した東日本大震災及び福島第一原発の事故が未だに風評被害を含めて経済・国民生活に大きな影響を与えています。
また、海外経済情勢も落ち着きを取り戻しつつあるものの不透明感が続き、先行き警戒が必要な状況にあります。
長引く不況の中で、デフレ・スパイラルの影響が大きく影を落とし、内需拡大の掛け声もかかわらず、一般消費者は生活防衛など内向き、消極的な姿勢で、消費意欲の減退等から売上高が低迷し、このような状況を打開するため、さらなる低価格競争が広がっております。
一方、昨年末に成立した新政権のいわゆるアベノミクスへの期待感から円安・株高が進行し前途に明るさも見えてきました。今後の適切な金融・財政政策及び成長戦略の具体化などが一日も早く一般消費者まで影響を及ぼすことを期待するところであります。
われわれ青果小売店におきましても卸売市場における取引環境の変化、道の駅など新たな業態の参入による競争の激化、後継者不足など、非常に厳しい環境下にありますが、長年、地域に密着し機動性・柔軟性・創造性を発揮し、お客さまに安全で鮮度の高い青果物を安定的に供給するよう務めてきた経験と信用をもって、高齢者や単身世帯、あるいは少人数家族など、地域の生活者・住民に眼を向けた量販店ではできないサービス、情報提供などにより、消費者の生活の変化に柔軟に対応した、積極的な事業活動等を展開し、少しでも明るい展望を切り開くために、組合員各位のいっそうのご努力を改めてお願いする所存です。
ご承知の通り、国においては、少子高齢化・人口減少社会、食の外部化等食生活が多様化する中で、食料・農業・農村基本計画に即して、食料自給率の向上に向けた施策を計画的に展開しております。その中にあって地産地消や食育、それにつながる野菜や果物の消費拡大などについては、われわれ小売業を挙げて取り組まなければならない課題だと考えております。
また、消費量が減少していく中で、商品あるいはサービスにどのような付加価値をつけ、その流通コストの低減をどれだけ早く図るかが生き残りの鍵になる、と考えます。いずれにしても、全青連も原点に戻り、身の丈にあった組織運営が必要と考えております。
国は、第九次卸売市場整備基本方針を立ち上げ、それに基づく各都道府県卸売市場整備計画が策定されているところですが、われわれにとっては、国民の台所である卸売市場の円滑な運営がお店の活性化に繋がるものと認識しております。このためには、適正な市場運営に向けて、売買参加者として結束して対応し、市場取引の公正・公開・効率を始めとし、経済連携協定など国際協定によって増加すると考えられる輸入農産物の卸売市場での取引、われわれの責務である安全・安心な青果物提供のための市場での検査体制の確立など、あらゆる面から積極的に意見を申し述べるなど、その役割を果たすことが最も重要だと考えております。
組合組織を取り巻く厳しい環境の中で、会員組合のひとかたならぬご協力の下に、毎年このように全国の各都市で全青連全国大会が開催されますことは、組合員相互のつながりを深め、組織の強化を図り、さらには組合員の事業活動の一助にもなってまいりました。この「くまもと大会」が有意義な大会となりますよう、皆様の温かいご協力と、農林水産省を始め関係機関のいっそうのご支援、ご鞭撻を切にお願い申し上げます。
終わりに、ご参会いただきました皆様のますますのご繁栄とご健勝を祈念し、私のご挨拶といたします。本日はまことにありがとうございました。
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